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新築3LDKマンションを売って中古4LDKに引っ越し…年収750万男性の決断と失敗

コロナの影響で、住環境の見直し機運は一気に高まっている。「突然のリモートワークで、部屋が足りない」「在宅時間が長くなり、日中の騒音が気になる」など家の買い替えを検討し始めた方もいるのでは。

 

家の売却にあたり、検討すべきタイミングや押さえるべき情報とは何か。陥りがちなミス、失敗例とあわせて、SUUMO(スーモ)編集長・池本洋一氏に聞いた。

 

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池本洋一/リクルート 「SUUMO(スーモ)」 編集長

1995年リクルート入社。住宅領域にて編集を4年、営業を7年経験。2006年に首都圏『新築マンション』フリーペーパー地域版の創刊リーダーを務め、07年に『住宅情報都心に住む』編集長、08年に『住宅情報タウンズ』編集長に就任。11年より現職。19年よりSUUMOリサーチセンター センター長兼務。内閣官房 日本版CCRC構想有識者会議委員、経済産業省 ZEH(ゼロエネルギーハウス)ロードマップフォローアップ委員、国土交通省 良質住宅ストック形成のための市場環境整備促進事業 評価委員、環境省 賃貸住宅における省CO2促進モデル事業 評価委員 などを歴任。

https://suumo.jp/baikyaku/

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住環境改善にまつわる「やってはいけない」

 

かつてマイホーム購入といえば、終の棲家を手に入れることだった。ただ現代においては、購入後の住み替えを前提に、不動産を資産として考える人が多くなっている。リクルート住まいカンパニーが2018年に行った「住宅購入・建築検討者調査」によると、住宅購入検討のために行動を起こした人のうち、約3割が持ち家を売却し新しい家の購入、建築を検討している。

 

家の売却を考えるきっかけには、「住環境を改善したいから」「売り時だったから」「財産整理・資金を得るため」の三大要因があると池本氏はいう。ではそれぞれで注意すべき点は何か。細かく見ていこう。

 

「今の家ではリモートワークができない!」という悲鳴は、コロナ禍で噴出した住環境改善ニーズの筆頭だろう。ほかにもご近所とのトラブル、騒音の悩み、子どもが大きくなって手狭になったなど、さまざまな理由がある。

 

住環境を改善するにあたり、整理すべきことは次の2点だ。

 

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(1)今の住環境の何が不満かを言語化する

(2)今の家がいくらで売れるのか、物件価格を知る

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当たり前だと思うかもしれないが、より良い家に住みたいという思いが先行し、買い物件の検討ばかり進める方がとても多いのだという。

 

「よくあるのは、買いたい物件の契約は済んだけれど、売り物件がなかなか思い通りに売れないという事態。時間が経つことで焦りが生まれ、仲介市場で売るのを諦める人もいます。結果、買い取り業者から安く買いたたかれてしまうことも…。新しい家に住み替えはできたけれど、家計としてはもったいないと思うケースはたくさんあります」(池本氏)

 

失敗ケース1:理想の住居は購入できたけれど…

 

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プロフィール:

東京都在住

夫(40歳)会社員・年収750万円 妻(36歳)会社員・年収500万円

7歳の長女、5歳の長男との4人家族

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8年前に3LDKの新築マンションを5500万円で購入しましたが、長男が小学校にあがるにあたり、もう一部屋増やし4LDKの家が必要に。学区を変えずに家を広くするには、新築では購入金額が上がります。中古マンションを含めて検討したところ、築15年のいいマンション物件を5000万円で見つけ、無事引っ越すことができました。

 

ただ、5000万円前後ですぐ売れると思っていた前の家が、売却に難航。「本当に売れるのか」と不安が募り、買い取り業者から提示された4300万円で、妥協して売却することに。仲介会社にもっときちんと査定をお願いしておけば、高く売れたのではないかと後悔しています。

 

焦っても、のんびり構えていても

 

買い替えの難しさは、タイミングにあると池本氏はいう。

 

「買い物件が新築の分譲マンションであれば完成時期や引き渡し時期を読んで動けるので、いつまでに今の家を売ればいいかが分かります。このご家族のように、中古物件や、新築の一戸建てで完成済みの物件の場合、『安く買うために今決断してください』『今買わないと他のお客様が購入してしまいますよ』と不動産会社の営業担当に迫られたり、焦らされたりするケースが多い。営業トークで買わせたいのだろう…とのんびり構えていると、本当にほかの方に即購入されてしまうこともあり、判断はとても悩ましいです。

 

大切なのは、自分の物件がだいたいいくらで売れるのかをはやいうちに把握しておくこと。相場が分かっていれば、思い切って決断をすることができます。買いたい物件ありきで先に動くと、あとから売りの話を進める際に時間経過とともに金額が下がっていくリスクが高まるのです」

 

家の売り買いにおける一番のリスクは、精査せずに購入しのちに失敗だったと判明することだ。買いたい物件があって見逃してしまっても、その経験は次の糧になる。チャンスボールはまた飛んでくると考え、負うべきではないリスク回避から考えること。その心構えが重要だという。

 

家の売却のセオリーは、地域や物件の特徴によって大きく異なる。

 

一般的には、人口の多い都心部で、少人数世帯向けのマンションは売れやすい。大都市では単身者や核家族が多く、人の流動化も激しいからだ。

 

一方、注意が必要なのは、郊外のファミリー型の中古物件。売却したいタイミングで、ほしい人がすぐに現れるとは限らず、人口集積エリアとそれ以外の地域での差は広がっている。マンションは比較的早く売れ、戸建ては時間がかかるため、郊外で一軒家を売却したいと思う方は、早めに売却が可能なのか確認するといいだろう。

 

売り時にまつわる「やってはいけない」

 

売り時には、二つの文脈がある。

 

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(1)物件価格が高く売れる時期である

(2)自分のライフステージの変化に応じて最適な売却時期である

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というものだ。

 

まずは、経済価値を考えた売り時の場合から考えていこう。

 

「買った金額より今の方が高く売れるというケースはごく限定的です。例を挙げるならば、10~15年前に豊洲や田町、品川エリアで購入した人は、1000~2000万円上乗せして売却できる可能性があり、それらは“売り時”だといえるでしょう。

 

ただ、一般的に市況とは、上がり目のときは売却金額も購入金額も同率に上がるもの。売り買いを同時にするということは、結局市況並みに売っているということで、下落局面で売るのと大差がありません」

 

上がり局面で売るメリットは、売却スピードにある。物件価格が上がっている最中は、購入する側も早く買いたいという気持ちが増すからだ。

 

「10年前に5000万円で購入した豊洲のマンションを6500万円で売り、8000万円の物件にジャンプアップするケースはよく起こっています。

 

一旦、手数料などを考慮せずに考えると、10年間ローンを返済していると残債は3500万円ほどになっています。6500万円で売れるのであれば、3000万円の自己資金が入ることになる。その資金を使って8000万円の物件を買うことは、10年前と同じ5000万円で、より築年数が新しくより広い物件に住み替えられるということ。これはラッキーな例です。10年前より金利はだいぶ低くなっており、同じ額の借金でも月々の返済額は低くなる。15万円から12~3万円くらいまで下がるのではないでしょうか。

 

下がり局面で売却しようとすると、購入する側が『待てば下がるかもしれない』と考えるため、なかなか売れない可能性があります。売却スピードを考えれば、経済的に上がり局面で売るのは理にかなっているといえるでしょう」

 

では、自分のライフステージから考えて売り時だと思ったときはどうだろう。ここで考えるべきは「本当に売る必要があるか」という点だ。

 

記事後半では、「売却するか」「賃貸に出すか」の選択肢について解説する。

 

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【後半はこちら】4500万円のマイホームを売ってUターン、妻の実家と二世帯同居した45歳男性の後悔

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田中 瑠子(フリーライター)

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/f966f535e293ed4243d5b8de6b7774013db3f8e5?page=1