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2012.11.01 マンション管理費見直しセンターのホームページを公開しました。

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恐ろしい…「日本の家」の質が急低下している、これだけの理由

※本記事は、株式会社緑建設代表取締役社長・齋藤正臣氏の著作『改訂版 いい家は注文住宅で建てる』(幻冬舎MC)から抜粋、再編集したものです。最新の法令・税制等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 

「掘り出し物」という言葉を鵜呑みにすると…

 

■土地のことしかわかっていない不動産業者は信用できるか 不動産業者は土地の売買に関してはプロフェッショナルかもしれませんが、同じように家造りに関してもプロフェッショナルかといえば、必ずしも、そうではありません。しかし多くの方が、不動産業者に相談すれば、家造りに関してもアドバイスがもらえると思われているようです。 しかし、ここに大きな誤解があるのです。 それぞれのエリアによって、地元ならではの情報を持った不動産屋があります。彼らは、駅からの距離や周囲環境などの利便性に関しても、詳しく教えてくれるはずです。しかし、それはあくまでも不動産=土地の情報にすぎません。 「どんな土地に住むのか」と、「どんな家で暮らしたいか」の二点は、似ているようですが、ゴールの方向性がまったく違います。 不動産業者にとって大切なことは、あくまでも〝土地を売る〞ことです。土地を売るためには、多少のごまかしもあるでしょうし、真実を黙ったままということも少なくないと聞きます。 「掘り出し物」という言葉を不動産業者の営業マンが言うことがありますが、実際にはそういうことはほとんどありません。例えば古い擁壁をやり直さないと建築の許可が下りないなど、購入してから余計な費用がかかることがあります。安い土地には必ず安いなりの理由があるのです。何も考えずに、不動産業者の言うことを鵜呑みにするのは避けるべきです。 本当に良い不動産業者は、土地を探す際に、家の間取りまで考えてくれます。建てたい家、暮らしたい家の希望イメージがあるなら、それをきちんと伝えて、双方が理解したうえで、あなたの希望の家に沿った土地探しをしてくれる不動産業者を探してください。 2階には六畳の部屋が3つ、リビングには吹き抜けや大きな窓が欲しい……など、家のイメージを伝え、希望の間取りがこの土地の広さで叶うのか、相談にのってもらえれば、安心して土地を探すことができるはずです。 家造りは、土地と建物の双方の歯車がかみ合って、初めて良いものになります。希望の家を叶えるためには、家に関する知識もしっかり身に付けた不動産業者の存在が不可欠です。

 

自分の家が「建築家の作品」になってしまうと…

 

■建築家は自分の作品を造っている 設計事務所の建築家に設計を依頼した場合、住む人の利便性よりも、自分の作品として考えている人が多く、施主が「ここはこうしたい」と修正を依頼しても、「いえ、ここはこの方がいいのです」と突っぱねられてしまうケースも多いようです。 長い時間をかけて打ち合わせをしたのに、建築家から意に添わないプランが出され、「この図面を造るのにこれだけの時間がかかったからこれだけの費用を払ってください」と言われても納得できるものではありません。 また、建築家の提案通り壁を曲面にしたら家具が置きづらくなったとか、不必要に段差が多くて疲れるといった話があります。こういった事例では、実際の暮らしぶりをまったく考慮せずに作品として設計したとしか考えられません。 もちろん、生活動線や使い勝手を考えたプランを立てて、施主の希望を聞いてくれる建築家の方も中にはいらっしゃいます。ただ往々にしてプラン変更を聞かない人が多いとよく耳にします。建築家の中には実際の建築現場の納まりを知らず、工事を担当している施工会社から設計を指摘されると機嫌を損ねる人もいるようです。 個性的な家に住みたい。その人の作風が好きで作品を購入したい。多少意に添わなくても構わない、というリスクを背負う覚悟ができているのであれば、建築家にお願いする意味はあると思います。美的センスや相性のいい建築家と出会えれば、もちろん満足のいく家が建てられるでしょう。

 

「家から近いほうがいいよね」という大誤解

 

■家から近い業者に依頼するのがいいのか 工務店を選ぶ際は、家から近い会社がいいという説が昔からあります。何かトラブルがあった際にすぐにかけつけてくれるという理由からです。 しかし、トラブルへの対処スピードは、それぞれの会社の姿勢の問題であって、距離の問題ではありません。例えば、ドアの締まりの調子が悪い、といったような急を要さないトラブルがあった場合、家から10分の場所にある会社と、家から1時間の場所にある会社を比較して、前者は対応が3日後だけど、後者は翌日にはすぐお宅へ伺って対応してくれるとしたら、後者の会社の方が結果的には早く問題が解決します。 実際、緊急を要するようなトラブルというのは、電気系統やガス給湯器の故障などであって、工務店では直せないので機器のメーカー担当者が修理に伺うことになります。そうなると、住宅会社に電話して、そこからまたメーカーのサービスセンターに連絡するのと、お客様自身がサービスセンターに連絡するのとでは大差はなく、住宅会社の距離は関係ありません。大事なのは、あなたが困ったときにすぐ対応してくれる会社かどうかです。 ■棟数が多いと本当に安心なのか 手がけている住宅の数が年間何百棟以上ある。注文住宅部門で3年連続第1位……等。多くの注文を受注していれば、その会社は安心・信用できるということでしょうか。それだけの棟数の家を建てるのに、大工が何人、電気屋が何人、左官屋が何人必要でしょうか。 建築現場が増えれば増えるほど、関わる職人の数は増えていきます。大量の職人を導入すれば、その中で明らかに技術の差は生まれ、上手な職人だけの集団をつくることは不可能になります。 例えば、県内で10位の腕を持つ大工が来て、35位の左官屋が来て、23位の電気屋が来て家を建てれば、20位くらいのいい家ができるかもしれません。しかし、250位のタイル屋が来た瞬間にその家の品質は明らかに落ちてしまうのです。 同じ会社が造った家でも、ある人の家は素晴らしい出来で、ある人の家は欠陥があるということが起こりうるのです。年間の施工棟数が多い会社に、口コミや評価にばらつきが出るのはそのためです。 棟数の多い少ないがそのまま建てる家の質の良し悪しになるわけではありませんが、棟数が少なければ各現場、同じ職人が来て施工することになるので、品質のばらつきはなくなります。 しかし、昔ながらの地元の工務店の中には、技術のあるなしにかかわらず、昔からの付き合いで仲間の職人に依頼する会社もあります。棟数が少ないからといって必ずしもいいというわけではありません。品質のいい家を建てるためには、技術のある職人を常に抱えている会社を選びましょう。

 

「パパ、家建てて」大手ハウスメーカーのなかには…

 

■ある大手は入社すると家族、親戚、友達の家を建てさせられる これはちょっとした業界の裏話なのですが、毎年多くの新入社員を募集する大手ハウスメーカーのなかには、入社した新入社員にノルマを与えクリア出来ないと、家族や親戚、友人などに家を建てるように勧誘させる会社もあるそうです。伝手がなくなり、ノルマが達成できなくなった社員は自主退社をしていきますが、また翌年にはたくさんの新入社員が入ってくるというわけです。 もしあなたの身の回りにハウスメーカーに就職した親戚や知り合いがいて、その会社で家造りをするよう営業に来たとしても、情に流されず、自分の理想の家が実現できるかどうか、という点で選んでください。もし、その会社で理想の家造りができそうだということであればいいのです。何度も書きますが、家造りに情けは禁物です。 ■アフターサービス部門があれば安心なのか 24時間、365日、いつでも困ったときには電話口で対応してくれるアフターサービス部門がある会社は安心でしょうか。 定期的な点検やメンテナンスといったフォローは確かに便利で魅力的です。何かトラブルが発生した場合にもすぐに相談出来るので心強いかもしれません。しかしこれは、言い換えると専門の部署を設けなければいけないくらい、年間を通じてクレームの件数も多いということにもつながります。 大してクレームが寄せられなければ、直接担当した営業マンか現場監督と話をすれば いいのです。完全にクレームをゼロにすることはどんな会社でも難しいでしょうが、専門の部署を設けて人を雇う必要があるということは、それだけ多く問題が発生しているという逆説的な証拠かもしれません。 関わる人が多いと希望が通りづらい会社の規模が大きくなってしまうとどうしても仕事が分業されてしまうので、仕方がないことなのかもしれませんが、例えば営業マンに希望のプランを伝えたとしても、直接施主から話を聞いていない設計部の人間が図面を書いた場合、希望が反映されないものが上がってきてしまうということがよくあります。 また、設計図が上がってきた段階で、営業マンが気づくことがあっても、設計部の担当者の方が先輩で、社内の上下関係で営業の立場が弱く、出てきたプランの修正をその場で言えないこともあるようです。その結果、希望が反映されないプランをそのまま施主に提出してしまうことになります。 直接打ち合わせをしていないと、なかなか施主の気持ちが伝わらず、親身になって設計する気にならないのかもしれませんが、施主の要望はプランに反映するべきと考えます。一番いいのは、設計する人間と直接打ち合わせができるような会社を選ぶことです。

 

齋藤 正臣

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/8eace03d36d62571244084150ee2ecf718e7bbda?page=1