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コロナで変わる「地方移住」 地域おこし協力隊に応募殺到、オフィス移転も〈週刊朝日〉

 退職後のセカンドライフとされていた「地方移住」。新型コロナウイルスの感染拡大でこれに異変が起きている。リモートワークの普及に伴い、人混みでの感染リスクを避けようと地方暮らしを選ぶ人が増え、働き盛りの世代も目立つ。

 

 首都圏に暮らす50代の夫婦は、今秋に中部地方へ移住することを決めた。もともと地震のリスクなどに不安を感じていたといい、「コロナに背中を押された」。夫は自営業であるため、移住先でも同じような仕事を新たに始めるつもりだ。  すでに今春、東京から中部地方へ移り住んだのは40代の夫婦だ。以前から願望はあったが、「移住先で仕事が見つかるかがネックだった」(夫)という。コロナ禍でリモートワークが進んだことから、地方でも同じ仕事が続けられると判断した。移住先でも外出自粛を余儀なくされたが、豊かな自然に囲まれて過ごせることを改めて良かったと感じている。  実際、兵庫県豊岡市が「地域おこし協力隊」として農業や伝統工芸の従事者を募ったところ、応募が殺到した。応募者は通常2~3人くらいだというが、6月29日~7月19日の約3週間に17人の枠で求めると、56人が手を挙げたというのだ。 「移住を考えていて、コロナがきっかけで人生を見つめ直したという方もいました」(市担当者)。応募者は、東京を含め全国各地からの21~47歳。20代が20人超もいたという。8月から現地に移り住み、仕事に携わる人も出てきた。  移住したい人と受け入れる地域をマッチングさせるサービスも、コロナ禍で活況だ。マッチングの専用サイト「SMOUT(スマウト)」の新規登録者は、4月までは600~700人程度だったものの、5月に1千人を超えると、6月には約1500人、7月に約1800人と最多を更新した。  スマウトを運営するカヤックの広報担当、梶陽子さんは「緊急事態宣言が解除された5月、自然発生的に増えました。コロナでリモートワークが進み、ファミリー層も移住を検討しています」。

 

 新規登録者は20~40代が大半で、首都圏の割合が高くなる傾向だ。  スマウトを活用する山口県萩市は、前出の豊岡市のような「地域おこし協力隊」(9人枠)で、22人も応募が来るなど手応えを得る。 「コロナをきっかけに、都市部で仕事をするより、地方で仕事をすることに興味を持った方はいました。これまで簡単に移り住みにくかった世帯が動き出しています」(市担当者)  茨城県の移住・就職相談センターでも相談が増えている。50~60代の退職者がセカンドライフを送るための移住が中心だったが、最近は働き盛りの30代が目立つという。 「リストラを懸念している」。こう話すのは、首都圏で不動産関連の会社に勤める30代の男性だ。コロナでテナント需要が低迷するなど先行きが不透明なため、移住を絡めた転職を考えている。首都圏外で就職活動を続け、すでに内定を得た会社もあるという。 ■複数県探す人も パソナは淡路移転  都市部への人口流出が進み、労働力の確保が課題とされてきた地方。図らずも、コロナがこうした「逆流入」を呼び起こすきっかけになった。  徳島県は、コロナで解雇や雇い止め、採用内定取り消しとなった人を対象に県職員を募集した。 「移住者がどんどん増えているかというと、まだそこまでではありません。ただ、コロナが移住を考えるきっかけにはなっている。移住関連サイトの閲覧が増え、東京の相談センターなどに問い合わせが増えています」(県担当者)  東京・有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」は45道府県の地域情報を提供し、移住や地方暮らしの相談を受けている。高橋公理事長は「面談を含めて本気度の高い人が来ています。移住に仕事は不可欠」と語る。センターにはハローワークも備え、移住先での就職を支援する。  センター内に相談窓口を設ける岐阜県の担当者もこう話す。 「これまでの移住は『観光で訪れて良かった』という理由でしたが、コロナがきっかけなのか、現地を訪れたことがないという人もいます。地方移住に興味があり、インターネットなどでよく調べてきて、趣味や好きなことをやりたいと相談に来ます」

 

 さらに、「一人で複数県に相談に来る人が確実に増えている」(センターに相談窓口を構える富山県の担当者)という。  リクルートキャリアのHR統括編集長、藤井薫さんは「コロナでリモートワークが進み、時間や空間を超えられるようになった。会社や人生、家族関係などを考え直し、仕事のあり方を考える時代に突入しているのでは」と指摘する。  転職情報サイト「doda」の編集長、喜多恭子さんは「コロナによる在宅勤務で家族と触れ合い、仕事を見つめ直された方が多い」としたうえで、「件数はまだそれほどではないが、移住を望む方もいる。仕事探し自体も変わってきている」。  東京都心のオフィスを地方に移す動きも出てきた。人材派遣大手のパソナグループ(東京都千代田区)は、本部機能社員の約3分の2を兵庫県淡路島に移す。新型コロナの感染拡大やデジタル革命が進むなか、リモートワークなどで働き方が変わり、新しい生活様式への適応が求められている。都心の自然災害リスクへの対応もあるためだ。パソナは2023年度末までに、グループの本部機能社員約1800人のうち、約1200人を移す予定だ。本部機能業務には、人事や広報、総務、財務経理、経営企画などがあるという。  消費者庁は、新未来創造戦略本部を7月30日に徳島市に開設した。消費者政策の研究機能を担うほか、国際業務の拠点などとなる。国や自治体、企業や大学の研究者など約60人の体制でスタートし順次、拡充していく方針だという。  都心からオフィスを地方へ移す動きは、これからどんどん出てくると見るのは、住宅ジャーナリストの榊淳司さんだ。とくにIT系の仕事は、場所を選ばないことが多いためだ。  パソナの移転については、子育て世代の場合、子どもの受験や進学面でハンディがあるものの、瀬戸内海の温暖な島暮らしはある意味で魅力的だとする。 「都心のオフィスは縮小傾向があからさまになっています。地方では戸建て住宅が売れていて、一部の動きとは言えなくなっています」(榊さん)。コロナが収束しても、この流れは止まらないとする。(本誌・浅井秀樹) ※週刊朝日  2020年9月25日号

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/db150c9095717bfb01cbfd86b99efca6b5e0ffd1?page=1