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「かぼちゃの馬車」でも暗躍…銀行ぐるみの転売業者に要注意

経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋した原稿です。

 

不動産を購入するまでの9つの手順

 

家主業の基本、不動産を買うなら何を基準に買えばよいか、一通りわかったところで、今度は実際に不動産を購入する手順を見てみよう。大まかな手順は次の通りだ。

 

(1)収益不動産の情報を集める 不動産情報を集める方法の王道は、主として収益不動産を扱うポータルサイトでの検索だ。収益不動産のポータルサイトの大手は「健美家」と「楽待」。 また、収益不動産を扱う会社に問い合わせて、自身の属性などの個人情報や希望する不動産の条件等をあらかじめ伝え、情報をもらいやすくする。

 

(2)不動産会社に問い合わせて不動産の詳細な情報をもらう ポータルサイト等で条件に合う不動産を見つけたら、その不動産の広告を出している不動産会社に問い合わせて、現在の入居状況、各戸の家賃状況、契約期間などが書かれた「レントロール ※ 」と呼ばれる資料、分譲マンションなら修繕積立金や大規模修繕履歴など詳細な情報をもらう。

 

(3)不動産会社に現地を案内してもらう 不動産会社から提供された情報を見て、条件に合いそうであれば、実際に現地へ足を運び内見する。

 

(4)買い付けを入れる 内見後、不動産が気に入れば、不動産会社経由で買い付けを入れる。 留意しておきたいのは、買い付けの申し込みは必ずしも早い者勝ちではないことだ。売主が、その買い付け申し込みに応じても、契約を締結するまでは、売主は売買の約束を撤回して、他の購入希望者に売却することもできる。一方、買い付けを入れた希望者も契約を結ぶまでは撤回することができる。

 

(5)売買契約を締結する 買い付けが通ったら、売買契約締結となる。買い付けが通ってから契約締結までは、通常1週間から 10 日間程度。契約日は、売主・買主・不動産会社の予定で決まる。売買契約書と重要事項説明書の内容を確認し、署名・捺印で契約が成立する。

 

不動産購入代金以外にも諸費用の準備も

 

(6)金融機関に融資を申し込む

 

融資の申し込みについては、売買契約を締結したら、金融機関にて売買契約書、重要事項説明書、その他資料の原本や写しの提出・確認を行う。買い付けを入れる前後に、金融機関に前もって相談し、融資の申し込みをすることもある。

 

(7)管理会社または仲介会社を探す 管理会社をどうするかは重要な問題だ。売主が委託していた管理会社を引き継ぐか、新規で管理会社を探すか、自主管理にするかの3つの選択肢がある。管理会社を変える場合、自主管理にする場合は、以前の管理会社から業務を引き継ぐ必要がある。

 

(8)金銭消費貸借契約を締結する 金銭消費貸借契約とは、融資の本契約のことだ。当日は必要書類を持参の上、金融機関の融資担当者から重要事項の説明を受け、条件を確認し、問題がなければ契約書に署名・捺印をして完了となる。

 

(9)決済・引き渡し 決済・引き渡しは、融資を出す金融機関で行う場合が多い。売主、買主の他に、売主側仲介会社、買主側仲介会社、司法書士、融資を利用するときは融資をする金融機関担当者が一堂に会する。管理を委託する場合は、管理会社が待機することもある。 登記に必要な書類を司法書士が確認して、問題がなければ融資を実行する。その後、司法書士と仲介会社への支払いが済んで決済は完了となる。決済が完了したら、賃貸借契約書原本や鍵の引き渡しを受けて、決済・引き渡しが完了する。 不動産購入時に必要な経費は、手付金、不動産購入代金、不動産会社に支払う仲介手数料、不動産登録免許税、司法書士に支払う登記手数料、火災保険加入費、固定資産税等の精算金、ローン手数料、保証会社を使う場合はローン保証料、印紙税となる。見ての通り、不動産購入代金以外にも結構費用がかかるため、その部分も見越して資金を準備することが必要だ。 ※レントロールとは、賃貸借条件一覧表のこと。ビルや賃貸マンションやアパートを一棟買いする際はその物件の質を見定める基準となる。通常、1枚の用紙に、各部屋番号ごとの契約賃料や共益費、預かり敷金の金 額、契約年月日が記載されている。場合によっては賃借人の属性(法人、個人)や名前、性別が記載されていることもある。

 

良い「三為業者」、悪い「三為業者」

 

不動産の売買取引の現場では、時々「三為業者」という用語が出てくる。「かぼちゃの馬車」オーナーたちの多くは、この三為業者が関係した土地取引によって、相場よりもかなり高い金額で購入した。三為業者とは、所有権の移転の実態を反映していない「中間省略取引」において、特約として、所有権が最初の所有者から最終購入者に直接移転する旨を定める契約「第三者のためにする契約」を積極的に行う業者のこと。この「中間省略取引」自体は合法であり、不動産売買取引を効率的に進める方法の一つだ。 本来なら不動産の所有権が「最初の所有者から購入者X」、「購入者Xから最終購入者」へと移転した場合、不動産登記簿に2回の移転登記が記載されるべきだが、中間省略取引では、当事者全員の合意があれば、「最初の所有者から最終購入者への所有権移転登記」という1回の移転登記のみを申請し、登記することが可能となる。この契約の特色は、Xが最初の所有者から購入した金額を転売先である最終購入者に知られることがない点だ。 オーナーの代理人として「かぼちゃの馬車」の運営会社スマートデイズの一連の販売に関与した会社などに対して、訴訟を起こした加藤博太郎弁護士の調査により、今回販売会社がかなりの利益を乗せてオーナーに販売していた実態が明らかになった。 例えば、土地所有者から約3000万円で購入した土地を販売会社の元締めA社が約5500万円でオーナーに直接営業している販売会社B社に売却し、B社はオーナーに約6000万円で販売していた。実に2倍もつり上げられた金額でオーナーは購入し、結果的に多額の借金を抱えることになった。 注目したいのは、最も利益を得ていた元締めA社。加藤弁護士は「週刊全国賃貸住宅新聞」の取材で、「元締め会社とスマートデイズ実質経営者とスルガ銀行支店長で協議が重ねられてつくられたスキームではないか」と話していた。 「投資は自己責任」とはいえ、素人では見抜くのが難しかった状況があったのも事実。「投資」という欲をビジネスとしている企業にもまた欲があるという点を理解しないといけないようだ。

 

永井ゆかり

「家主と地主」編集長

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/dafcb43d6bb5fcc4595f581b1bb290c5212bca59?page=1