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日本人の92%は「相続税がかからない!?」…FPが教える”コスパの良い相続”

コロナウイルスによる活動自粛ムードのなか、経済活動への影響が心配されており、それは私たちの家計も例外ではない。

お金について、「コスパ(コストパフォーマンス)」の観点からズバリ切り込んでいく『コスパの神様』の著者である、ファイナンシャルプランナーの篠原充彦先生に、先行きが不透明な状況下で誰もが気になっている家庭のお金の悩みについてうかがった。

※本記事は、篠原充彦:著『コスパの神様』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。

相続税がかからなくても揉めるのが相続

親が高齢になるにつれ、気になる相続の問題。相続に関しての相談はここ最近増えています。うちは揉める財産なんかないから関係ないと思っていても、いざ、相続となれば揉めるケースが多いのには理由があるのです。

相続税は、基礎控除額(3000万円+法定相続人1人につき600万円)以上に遺産相続があった場合にかかる税金ですが、日本人100人中、何人ぐらいの人に相続税がかかると思いますか?

答えは8人。

基礎控除が平成27年1月1日から低くなったので、平成27年はぐんと増えてますが、それでも100人中92人は基礎控除の中に収まっているということになります。

こう言うと、「相続でのトラブルをよく耳にするけど、うちはそんな莫大な財産も無いわ」と思っているあなた! その考えアマーイです。

実は、遺産相続でトラブル・揉め事が起こる7割は遺産が5000万円以下の世帯で、揉め事が起こる全体の3分の1が1000万円以下の世帯となっています。ということは、相続税がかからない一般家庭の世帯が一番揉めてるということになります。

相続で揉めるのは、いろんなケースがあるのですが、多いのは、お金で分けることができない場合です。代表的なのは不動産で、よくあるのが自宅です。

例えば、兄弟の2人の場合、父が既に亡くなっていて、母と長男が2人で持ち家に住んでいて、その母が亡くなった場合、相続人は子ども2人の兄弟です。

残された遺産が、現金200万円と家(1000万円相当)だった場合、法定相続分は2分の1ずつの600万円ずつになるのですが、家(不動産)は均等に分けられないですよね。

家を売却すると長男が住むところがなくなるし、かといって長男が自宅を相続する分、次男に残りの相続分を現金で渡す400万円がない。こういう場合のトラブルが多いです。

ただ、兄弟本人同士が揉めるというよりは、他人である兄弟の奥さんなどが口を出して、「あんた、現金200万円だけって少なすぎるやないの! 向こうは現金1000万円分の家を相続してんねんで!」という感じで、「相続」が「争続」に発展することが多いようです。

 

「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」は何が違うのか?

こういう時に有効なのが、遺言書です。トラブルが発生するのは、遺言書がなく、相続人同士が協議して決めるしかないからです。遺言書は基本的に遺言内容に従って相続するので、面倒な分割協議をしなくて済みます。

遺言書は大きく「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類があります。

自分で書いて作成するのが「自筆証書遺言」で、プロに書いてもらって作成するのが「公正証書遺言」というイメージです。費用的には、「自筆証書遺言」は実質0円。公正証書遺言は、プロに作成してもらうので遺産の額によって違いますが、費用はかかります。

2019年1月に民法改正により自筆証書遺言の財産目録の作成についてはワープロでの記入も可能になり簡素化したとはいえ、遺言書というのは、ただ書いて置いておいたらいいだけということではなく、細かいルールがたくさんあります。

日付、署名、押印はもちろんのこと、複数枚になると契印(二枚以上の書類が連続していることを証明するための印)が必要だったり、遺産分割があいまいな内容でないかどうかなど、この遺言書が有効かどうかを家庭裁判所に判断してもらう必要があるのです。一箇所でも不備があった場合、その遺言書は、無効になります。ただの紙切れになるということです。

そうならないためにも、プロに書いてもらう公正証書遺言をお勧めします。公正証書遺言は公証人に遺言内容を口頭で伝えてそれをもとに公証人が作成します。

公正証書遺言のメリットは、遺言書が紙切れになる心配もなく、保管場所は公正役場で保管できるので、紛失の恐れもなく、家庭裁判所のチェックも必要ないことです。

亡き人の想いが詰まった遺言書、これが無効になった場合、相続人同士の分割協議になりますが、話がまとまらず訴訟に発展し、訴訟費用や弁護士を雇う費用、裁判所が遠方だった場合の交通費、長引いた場合の本業への影響、精神的苦痛などなど考えると、10万円前後の費用がかかっても最も確実な公正証書遺言の方がコスパ的にお得です。

 

相続は「遺産」だけではない。だからきちんと話をしておく

これまでの話は、相続する遺産があった場合の話ですが、相続は何もプラスの財産ばかりではありません。亡くなった方が借金をしていた場合、いわゆる「負の財産」があった場合のことも考えておく必要があります。

亡くなった方が残した借金は相続人が背負わなければいけません。この場合、「相続放棄」という手続きをすることで、借金を相続せずに済みますが、相続開始があったことを知った時から原則3カ月以内に行わなければいけません。

3カ月という期間は非常に短いです。お葬式や遺品整理、そして、故人の財産などを調べてたらあっという間に過ぎてしまい、後で借金があると知っても相続放棄ができないということになりかねません。それをよく知っている取立人は半年後くらいに、借用書と請求書と共にやってきます。

一番大切なことは、今のうちから親子でお金の話をすること。相続が起こってから、亡くなってからでは遅い事があるので、生きている間に家族にと遺産について話をしておく必要があります。

プラスの財産を聞きにくいのであれば、「オトン、銀行や消費者金融などで借金してないか? してるんやったら、今のうちに言っといて」とそれくらいはきっちり家族で把握しておくことが大切です。

お金の話はどうしても子どもからは話しにくいことなので、お父さん、お母さんから遺産について話してあげるというのも1つのマネー対策になります。

もし、遺産について話にくいのなら、こんな葬式をしてほしい、こんな墓にしてほしい、という話をおした後で遺産の話を切り出すと話しやすいと思います。負の財産も相続する、ということを忘れないように!

篠原充彦(篠原FP事務所代表)

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200408-00010000-php_s-bus_all&p=1