What's New

2012.11.01 マンション管理費見直しセンターのホームページを公開しました。

Twitter

2020年開業の新駅を一挙解説!復興のシンボルや「田畑の中」にできる駅も

3月14日のJR各社のダイヤ改正に合わせて、いくつかの新駅が誕生する。これらJRの新駅に加え、今年全国で開業になる、そのほかの鉄道会社の主な新駅についてもチェックしてみよう。(鉄道アナリスト 西上いつき)

● 駅は街の顔となり その街のイメージをつくる

 鉄道依存度が高い日本においては、毎日のように多くの人々が家から駅、駅から目的地へと乗降を繰り返している。駅がその街に及ぼす影響は計り知れず、単なる交通手段としてだけではなく、その街の中心となり価値を生み出すものとなる。

 例えば、経済誌や大手不動産会社では「住みたい駅ランキング」なるものが発表されて毎度話題を呼んでいるが、世間もそれに日和見し、地価もその駅を中心に徐々に上がっていく、なんてこともある。

 今年開業する新駅の存在は、いかにその街に影響を与えるだろうか?今回は14日に控えるJR各社のダイヤ改正に合わせて開業する新駅を含めた、今年に開業予定の主な駅を一挙紹介する。

 

(1) 高輪ゲートウェイ駅(東京都港区・JR山手線 14日開業予定)

 14日のダイヤ改正に合わせてデビューするのが、この「高輪ゲートウェイ」駅だ。1971年に西日暮里駅が開業して以来、山手線ではおよそ50年ぶりの新駅の誕生となる。こんな歴史的瞬間が間もなく訪れようとしているのだから、鉄道ファンのみならず、多くの人々が今か今かとその時を待っているに違いない。

 なお、今回はあくまで「暫定開業」となり、全てが完成する本開業は2024年度ともうしばらく先になりそうだ。

 ご存じの方も多いと思うが、公募の駅名決定について批判が相次いだのも記憶に新しい。「カタカナがダサくて必要ない」「公募1位の“高輪”のみにすべきだ」などの反対意見もあったが、物議をかもしたおかげか、皮肉にも開業前から有名になった駅名ともいえる。この駅名は、もともとJR東日本が進める品川開発エリアを「グローバルゲートウェイ品川」と銘打っていることもあり、その中心地となる新駅にもゲートウェイを冠することになったのだ。

 同駅が立地する港南・芝浦エリアは、多くのマンション・商業地が建設されるなど急成長している。六本木・麻布などの古い街に比べると、港区随一の「発展途上」エリアともいえる。ここにできる新駅の役割には大きく期待したい。

 

● 港区にはもう1つの新駅が 静岡には難読駅が登場!

 (2)虎ノ門ヒルズ駅(東京都港区・東京メトロ日比谷線 6月6日開業予定)

 「高輪ゲートウェイ」と同じ、東京都港区下での新駅開業。その名の通り、超高層ビル群「虎ノ門ヒルズ」と地下道で直結する。駅開業にあわせて、周辺施設の開発も目まぐるしく進んでいる。こちらも高輪ゲートウェイと同じく暫定開業となり、開業後も本開業の2022年まで工事は続く。

 同駅は高輪ゲートウェイと同じ「地名+カタカナ」の形となったが、こちらについてはあまり多くの反対意見は上がっていない。東京メトロは駅名発表時に「より明確でわかりやすく」と掲げたが、なるほど既に街のランドマークとなった名前を直接冠したからこそ、高輪ゲートウェイと違って大きな批判にはつながらなかったともいえる。

 都心ならではの利便性の良さも注目だ。400m先の銀座線・虎ノ門駅とは乗換駅。現行の日比谷線・霞ケ関駅~神谷町駅間に位置しており、霞ケ関駅から約800m、神谷町駅から約500mという立地である。さらには東京オリンピック・パラリンピックにあわせて、虎ノ門ヒルズは5月にプレ運行が開始される、東京臨海部への「東京BRT(バス高速輸送システム)」の発着所となる。新駅を中心とした交通結節点として新たな役割も担っていくことが予想される。

 (3)御厨(みくりや)駅 (静岡県磐田市・JR東海道本線 14日開業予定)

 こちらも同じく14日のダイヤ改正に合わせて開業。住民からの要請により新設となった、いわゆる「請願駅」である。ただし、その請願自体は30年以上前になされたもので、長い時間を経てようやく今年、開業することとなった。新駅周辺にはヤマハ発動機の工場がある。ヤマハスタジアムの最寄り駅ともなり、Jリーグ・ジュビロ磐田の試合時には混雑も予想されている。

 また、ヤマハ発動機はネーミングライツによって名付けられた同駅北口広場「ヤマハ発動機Revs(レヴス)サークル」に、高さ12mにもなる「音叉」のモニュメントを設置。こちらも街の新しいランドマークとなりそうだ。

 この新しい駅に、「御厨」という難読名をつけたのはなぜだろうか。「わかりやすさ」とは真逆ではあるが、これは元からある地名に由来しており、地元では親しみある名前なのだという。また難読とはいえど、他県にもいくつか同じ地名がある。実は長崎県の松浦鉄道にも「御厨駅」という同名の駅が存在する。駅周辺の開発も多く予定されており、地元にとっても新たな拠点へと成長していく期待の大きい駅だろう。

 

● 三陸鉄道にも新駅 南伊予駅は田畑の真ん中に登場

 (4)新田老駅(岩手県宮古市・三陸鉄道リアス線 5月18日開業予定)

 2011年の東日本大震災にて甚大な被害を受けた三陸鉄道。2014年に一度は全線復旧を果たしたが、昨年の台風19号の影響により、再び被災してしまった。不通区間においてはバス代行輸送が行われていたが、今月20日に復旧工事が完了し、全線開通となる見込みだ。そんな三陸鉄道に5月18日に開業予定なのが新田老駅である。

 同駅近隣は災害公営住宅や道の駅などが作られており、エリア中心部に位置する。また、三陸鉄道の駅には愛称が付けられており、新駅・新田老駅についても公募で「真崎の紺青(こんじょう)」という瀟洒(しょうしゃ)なネーミングが選ばれた。東日本大震災から丸9年が過ぎ、同市における復興後の地域創生の拠点となることが期待される。

 (5)南伊予駅(愛媛県伊予市・JR予讃線 14日開業予定)

 JR四国発足後、5つ目の新駅となる南伊予駅。こちらも14日のダイヤ改正に合わせて開業する予定である。この新駅の開業は、県庁所在地駅としては構造上なにかと不便が多い松山駅が、2023年の高架化完了を目指し行われている工事に伴うものだ。現行の松山駅から移転して新車両基地が建設されるが、伊予市の要望もあり、南伊予駅についてもこれに隣接した形で設置されることとなった。

 貨物の車両基地としてはかなり大規模なものであるが、隣接する南伊予駅については特に特急も停車せず、周りも田畑だらけであるので、旅客駅としてどのくらいの効果があるのかは不明であるが、周辺地域がどう変わっていくのか、開業後に注目するところではある。

● 華々しい新駅開業の裏で 多くの廃駅も決まっている

 このように新駅開業が予定されている一方、2020年中に姿を消す駅も多い。長らく経営が苦しい状況のJR北海道では、ダイヤ改正を機に南弟子屈駅と古瀬駅の2駅、さらに5月には札沼線・北海道医療大学駅~新十津川駅間の廃止とともに、この区間の駅も廃止される。代行バスは運行されるものの、鉄道駅としての役割を失うことは沿線地域にとって大きな影響を与える。

 さらには、東日本大震災の被災規模が大きかったJR東日本の気仙沼線・大船渡線の一部区間についても、この4月1日に正式に鉄道事業を廃止することとなった。震災後は鉄道からBRTとして、専用道路でバスを運行する形に切り替わっていたが、ついに鉄道の復旧はかなわなかった。ダイヤ改正時に両線には「BRT」の駅が新設されるが、姿を変えてもぜひ、街の顔としての役割を果たしてほしい。

 少子高齢化・人口減少時代と言われて久しいが、2020年代となり、地方部においてはいよいよその影響が生々しい形で押し寄せてきている。冒頭で述べた通り、駅は「街の顔」としての役割も大きく、さびれていく姿を見るのは物悲しいものだ。

 しかし一方で、経済産業省および国土交通省が推進するMaaSの取り組みが各社で活発化し、パークアンドライドや公共施設、保育所など、さまざまな施設を併せ持つ駅が登場してくるだろう。駅が鉄道駅という単一の「手段」から、さまざまな機能を持つ「目的」としての存在となり、地域の拠点として、新たな価値を持つことも考えられるだろう。

西上いつき

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200313-00231590-diamond-bus_all&p=1