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GINZA SIXのフロアをまるごと買い上げたお弁当屋さんの謎

高級デパートにホカ弁屋?

 「あのGINZA SIXに外国人観光客向けのホカ弁屋が開業するんだって? んでも、ある弁当屋のチェーン店がワンフロアをまるごと買い上げたらしいよ」



 都心の不動産業者の間で、まことしやかにこう囁かれている。



 銀座六丁目の一等地にある超高級商業施設、GINZA SIX。国内外の高級ブランドが多数入居している施設内を歩くと、聞こえてくるのは、英語にフランス語、ヒンディー語と思しき言語。



 やはり一番よく聞こえてくるのは中国語か。連日、大型バスが乗りつけては外国人観光客が大挙して押し寄せてくる。



 開業から1年を迎えるこのゴージャスな施設にホカ弁屋が? う囁かれるにはワケがあった。



 持ち帰り弁当店「ほっともっと」や定食屋「やよい軒」をチェーン展開するプレナスの社長、塩井辰男氏(54歳)の資産管理会社が、昨年12月にGINZA SIXのワンフロアをまるごと買い上げたからだ。



 「塩井氏の資産管理会社が購入したのは、8階の広さ約1639坪のオフィスフロアです。現在は経費管理を行うIT企業、コンカーが入居しています。元々はGINZA SIXを大丸松坂屋百貨店などと共同で開発した住友商事が同物件を保有していましたが、オープンしてすぐの昨年4月に不動産会社ヒューリックに約120億円で売却。



 ヒューリックは購入してから2ヵ月で、米国の不動産投資ファンド、グリーンオーク・リアル・エステートに200億円以上で転売しました。

グリーンオークは米モルガン・スタンレーの不動産投資部門で働き、バブル崩壊後の日本で『ハゲタカ』として荒稼ぎをしたフレッド・シュミット氏が創設した不動産投資会社です。



 同社は塩井氏の資産管理会社に当該フロアを約250億円で売却し、半年で数十億円稼いだと見られています」(全国紙経済部デスク)



 250億円もの私財を投じて、GINZA SIXを買った塩井氏とは何者か――。同氏は神戸大学経済学部を卒業後、父・末幸氏(故人)が創業し、九州で「ほっかほっか亭」を展開していたプレナスに入社。



 ほっかほっか亭は「ほっかほっか亭総本部」の指示の下、東部、関西、九州の3地方で別々の会社がチェーン展開してきた。



 プレナスは'99年に東部地域を担当していた会社を買収し、主に関東と九州でほっかほっか亭を運営してきた。'03年に塩井氏は実兄から引き継ぐ形で同社の社長になる。



 「社長に就任してまもなく、関西でほっかほっか亭を展開するハークスレイとフランチャイズ経営の方針をめぐって意見の対立が顕著になっていきました。



 '06年にハークスレイがほっかほっか亭総本部の株式の過半数を取得し子会社化すると、営業手法をめぐる対立が表面化。両社は訴訟合戦を繰り広げるようになりました」(食品業界紙記者)

'08年に塩井氏はほっかほっか亭との決別を宣言。直営・フランチャイズ店を含めて約2000店舗を新しい屋号ほっともっとに移した。このほっかほっか亭の分裂劇は記憶に新しい。



 現在、プレナスは国内外でほっともっとを2748店舗、やよい軒('06年に「めしや丼」から屋号変更)を554店舗展開し、それぞれ業界トップ。創業一族として莫大な株を保持し、その財力で今回の物件を買ったと見られている。



 「創業家として、塩井氏の資産管理会社がプレナスの筆頭株主となっています。保有割合は35.7%で、時価総額は約300億円。毎年、5億円近い配当金が入ってくる計算です。



 この株式を担保にして、昨年、三菱UFJ銀行から240億円を借り入れている。この融資で、GINZA SIXの8階を買ったのでしょう」(大手調査会社幹部)

 

絶対損をしない投資

 なぜ塩井氏の資産管理会社が不動産物件を購入したのか。真意を聞こうとしたが、会社を通じても、自宅を訪ねても、塩井氏本人が取材に応じることはなかった。



 ある不動産業者がこう推測する。



 「フロアを自社で使うのが目的ではなく、投資目的の購入と考えたほうがいいでしょう。GINZA SIXのオフィス賃料の坪単価は、銀座の中でも最も高い4万5000円です。



 単純計算で表面利回りは約3.5%。プレナス株の予想配当利回りは約3%ですから、経費や金利を含まなければ、自社株よりも安定した利回りを得られる投資だと考えられます。



 銀座の一等地のオフィスなので、これまでの転売のケースと同様に、購入額よりも高値で売却できることも十分に考えられる。

アジアの不動産ファンドが日本の物件に投資する動きは今後も増えていきます。中国人にとって銀座は憧れの街ですから、彼らは購入の機会を窺っているでしょう」



 安定的な賃料収入がある上に、売却益も見込める。塩井氏にとっては、損をしない投資なわけだ。



 GINZA SIXで懐具合を気にせずに買い物できる人はたしかに金持ちだろう。しかし、本当の大金持ちはワンフロアをまるごと買ってしまうのである。



 「週刊現代」2018年4月28日号より

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180501-00055323-gendaibiz-bus_all&p=2