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2012.11.01 マンション管理費見直しセンターのホームページを公開しました。

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「3軒に1軒が空き家」時代が来る前に確認すべき境界問題

日本の空き家はこれから加速度的に増加する。野村総合研究所によれば、2033年には空き家が約2150万戸(同30%)になる推計だ。3軒に1軒が空き家となる事態はにわかには予想し難いが、このままでは確実にやってくる未来だ。

ところで「空き家」というと、読者の多くが潜在的に抱えているのが都市郊外や地方にある「実家の空き家問題」だろう。今は健在な親も、いつかはかならず状況が変わる。その時、空き家になった実家をどうするのか。そのときにもし実家を「売ろう」「相続しよう」と考えているなら、今のうちに絶対解決しておきたい問題がある。それは、不動産の「境界問題」だ。

まず、土地の取引にまつわるトラブルの圧倒的ナンバーワンはこの「境界問題」であることを覚えておきたい。隣地との境界があいまいなまま不動産取引を行うと、後々隣地と揉め事の種になることがよくあるため、一般的な売買では「引き渡しまでに境界を明示すること」といった取り決めをすることが多い。これはたんに境界標を確認するだけでは足りず、隣地所有者との合意文書が必要だ。

親の実家は多くのケースで古い住宅地などが多く、隣地との境界があいまいなことも多い。親がいなくなり所有者が変わった時、どこを境界としていたのかはっきりさせておかないと、売ろうと思ってもそもそも取引が成立しない、相続後に隣地所有者とトラブルになる可能性もあるのだ。

まずは「境界標」の有無を確認しよう。意外と多くのケースで、そもそも境界標がなかったり、あったとしても土に埋もれるなど隠れて見えなくなっていることが多い。いずれにしても境界が明示できる状況でなければ、親が健在なうちに隣地所有者と協議して合意文書を交わし、境界標がなければ新規に境界標を設置しておきたい。

将来のリスクも想定?! 「ようへき」に要注意

次に「越境物」。越境物とは、敷地の境界を越えて隣の建物や植栽などが少し出っ張っている、といったようなもの。越境している建築物があれば、再建築時には越境しない旨の覚書を、引渡しまでに隣地所有者との間で交わしておくこともポイントだ。これも不動産取引の一般的なルールとも言えるものだが、意外と忘れられていることが多い。

傾斜地などで、2メートルを超える擁壁(ようへき)がある場合には注意が必要で、将来リスクを想定しておく必要がある。なぜなら2メートル以上の擁壁を造る場合には、工作物として建築確認が必要となるからだ。

2メートル以上の擁壁をつくり替えることになった場合、現在ではその基本構造をRC(鉄筋コンクリート)で指定されることが多く、RC以外は基本的に許可がおりない。ところが以前は、大谷石や間知石(けんちいし)などの相対的に軟弱な素材で造られた擁壁も多かった。また現在では、擁壁は地面に対して垂直に建てることが定められているが、以前は斜めに擁壁を造ったりすることも認められていた。

新規にRCの擁壁を造ったら数百万円、場合によっては1000万円ぐらいかかるようなこともあり、こうしたコスト考慮すれば、売却や相続の判断にも影響があろう。一団の開発団地として開発された土地などの場合は、行政に「開発登録簿」がある。開発経緯を確認すれば、擁壁がきちんとつくられたものなのか、そうでないものかがわかる。しっかり確認しよう。

長嶋 修

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171116-00018468-forbes-bus_all&p=2