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日本テイストの商業施設輸出、不動産大手で活発化 訪日客も後押し「帰国後も同じ体験を」

多くの訪日外国人が買い物をしたり、文化・芸術や娯楽を楽しんだりするために訪れた超高層複合ビルや大型商業施設などを輸出する動きが、不動産大手で活発化してきた。洗練された外観や充実した設備などに加え、ニーズに即応するサービスや、いつまでもきれいで使いやすいといった管理・運営も高く評価。帰国後に自分の住む街にも「欲しい、利用したい」という声が、中間所得層が増える中国や東南アジアで高まっているからだ。「箱物をつくって終わりではない」と言う不動産会社の街づくりへの開発姿勢を訪日客が支持、海外事業展開を後押ししている。

 ◆“さびない街”に魅力

 「昔は『六本木ヒルズをつくってほしい』とよく言われた」。森ビルで財務・海外事業を担当する横井勲執行役員はこう振り返る。

 2003年オープンの六本木ヒルズの来場者は今も増え続け、東京を訪れる外国人にとって人気のランドマークだ。緑豊かでオフィスや店舗、美術館、ホテル・マンションと「住む・働く・遊ぶ」機能がそろい、管理・運営も行き届く。“さびない街”としてヒルズブランドの定着に一役買った。

 12ヘクタールの土地に複数の建物を建てて街をつくるという横展開の六本木ヒルズに加え、08年には中国・上海に1棟の建物の中で用途を複合させるという101階建ての立体的複合ビル「上海環球金融中心」を開業させた。

 「都市をつくり、都市を育む」という基本思想の下、開発と管理・運営を「一気通貫」で取り組む姿勢が中国で高い評価を得ると、「自分の街にもつくりたい。開発を手伝ってほしい」(横井氏)という話が東南アジア各国から来るようになった。

 その一つがインドネシア・ジャカルタで始まった。森ビルにとって東南アジア初の開発事業で、完工予定は21年。経済成長にオフィス需要が追い付かない同市に、飲食施設なども入る大規模オフィスタワーを建てる。現地パートナー企業が管理・運営を任せられる企業を探す中で森ビルに声がかかった。

 横井氏は「ジャカルタプロジェクトを見て(森ビルに)声をかけるところは増えていく」と手応えを口にする。都市をつくるだけでなく、どう運営するかで森ビルらしさを出していくことで、需要が拡大するアジア市場を開拓する。

 三菱地所も管理・運営力を生かして海外展開を図る。三菱商事に誘われて、ミャンマー・ヤンゴン市の中心部、ヤンゴン中央駅前の大規模複合再開発事業に乗り出す。

 プロジェクトはオフィス2棟のほか、分譲住宅1棟、ホテル・サービスアパート1棟と各棟低層部分の商業施設を合わせ総延べ床面積は20万平方メートル超を開発・運営。20年の完工を目指す。

 東京・丸の内を想起させる好立地で、手を組む現地の大手企業グループ会長も丸の内に関心を持っているといい、三菱地所も「丸の内で培ったノウハウを提供する」(担当者)。

 なかでも管理・運営水準の高さを生かす。担当者は「物件が良くても保守、管理がまずければ国際的に通用しない。壊れたら直すのではなく、壊れないように管理するのがわれわれ」と強調、急速な経済成長に伴い不足するオフィス需要に管理・運営を見据えた設計で応える。

 海外で商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと」「三井アウトレットパーク」の新増設が相次ぐ三井不動産。中国、台湾、マレーシアの3カ国・地域で3物件が開業しているが、21年には現在予定しているだけで7物件になる。店舗数は増床予定の物件もあって540から一気に1570まで増える。

 海外展開に注力する理由を、海外事業二部業務グループの渡部恵津子グループ長は「訪日客が増え、日本で食べたり、買ったりしたものが欲しいという声に応えるため」と説明する。国内のアウトレットパークを訪れる訪日客比率も年々上昇、それだけ日本ブランドの支持者も増える。

 海外進出第1号は中国の「杉井アウトレット広場・寧波」で11年に140店舗で開業した。アジア市場開拓の一環で中国進出を検討していたとき、「中国にはない日本のアウトレットモールを持ちたい」と声をかけられ、ジョイントベンチャーを立ち上げた。日本をベースに現地のニーズを理解しながらテナントを誘致したことが奏功、15年には増床し現在は194店舗が入る。

 「日本で食べておいしかった。こっちでも食べたい」といった情報が入ると、「それに応えるのが運営の基本。箱をつくって終わりではなく、人気店など“旬”を入れる」(中野諭・同グループ統括)ことで来場客を増やし、売り上げを伸ばす。マレーシアのアウトレットパークは第3期の増床も予定している。

 ◆帰国後も同じ体験

 一方、ららぽーとは20年に中国で、21年にはマレーシアと台湾で開業を控える。ブランド品などを比較的安価で提供するアウトレットパークで開拓した消費者を誘導する考えだ。

 日本の商業施設などで受けたきめ細かな対応に感心した訪日客は帰国後、母国でも同じ体験を求めるようになる。フィリピンで住宅と商業施設の一体開発を始める野村不動産の宮嶋誠一社長は「日本テイストの商業施設が欲しいといわれる」という。高い技術力や商品企画力、丁寧な仕上がりに加え、管理・運営ノウハウが海外進出の決め手となりそうだ。(松岡健夫)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171019-00000000-fsi-bus_all