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2012.11.01 マンション管理費見直しセンターのホームページを公開しました。

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クルマ好き殺到!賃貸不況どこ吹く風のガレージ付き物件(前編)

 東京都品川区のKさんは、ロータスのスポーツ車を所有する独身男性。通勤の利便性を考えて都心で1LDKの賃貸暮らしをしているが、借りている立体駐車場は月額2万4000円(税別)で、マンションから徒歩10分あまりの場所にある。ビル内の駐車場なので保管場所としては安心なのだが、さすがに遠くて普段の外出は電車やタクシーになりがちだ。

 

 たまにロータスに乗るときには、バッテリーが上がっている可能性を考えて、自宅で充電したリチウムイオンの小型バッテリーを持ち運んでいるのだという。

 

 このようなクルマやオートバイの愛好家にとって、“愛車”とひとつ屋根の下で暮らし、思う存分に整備やチューニングができる家は理想の住まいだ。しかしこれまで、「屋内ガレージ付き」といえば一戸建ての注文住宅くらいしか選択肢がなく、彼のような単身者や若い夫婦にとっては住みたくても物件がない状態が続いていた。

 

 そうした背景から、ガレージ付きの賃貸住宅が今、大きな注目を集めている。首都圏発のトレンドが京阪神や名古屋圏にまず飛び火して、さらに全国各地に広がりつつあるのだ。

 

 実際の物件はどうなのだろうかと、愛知県知立市の太陽ハウジングリース社に取材してみた。案内してもらったのは、同社が「G-Style Club」というブランドで展開する物件のモデルルーム。間取りは下図にある通りで、郊外によくある賃貸メゾネットの1階部分を、まるまるガレージにしたようなつくりだ。単身者向け1LDKタイプの賃貸ガレージハウスとしては典型的なスタイルになるのだという。

 

 とにかく驚いたのは、ガレージの広さだ。

 

 奥行きが7メートル、間口が4.6メートルあり、写真のようにクルマ1台とバイク+αを収容し、さらに壁面に机や棚を並べてもまだまだ余裕があって、整備に窮屈さを感じることはない。また、メゾネットらしく家屋前面にアスファルト駐車場もあるので、クルマがもう1台あってもそこに駐めることができる。

 

 筆者がとりわけ感心したのは、ガレージ奥の庭だ。写真のように人目を気にせず使える外部空間になっていて、仲間たちとバーベキューなどをしてもいいし、ガレージをさらに広々と感じさせてもくれる。また、上階の居室部分も見させてもらったが、ベッドルームの上がロフトになっていることもあって単身者には充分すぎるほどの広さと上質感がある。率直にいって、パンフレットから想像していたものを数段上回る好印象だった。

 

 これで家賃は10万円ほど。物件所在地は愛知県刈谷市の国道155号線から1本裏に入ったところで、付近の相場よりは確かに高いが、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機などトヨタ系メーカー各社の本社や工場がすぐ近くに固まっている土地柄とあって収入に余裕のある人も多く、この物件には全4戸に対してすぐに倍以上の申し込みがあった。多少高くてもガレージつきの賃貸に住みたいという人がそれだけ多いということなのだ。

 

 ちなみにこの物件には単身者だけでなく、夫婦で暮らしている世帯もある。モデルルームの隣の部屋は上の間取りよりさらに広い1LDKで、家賃は11万円ほど。そちらには30代半ばの新婚夫婦が入居している。

 

● 全11戸のマンションを 4戸だけのガレージハウスに建て替えた

 

 この物件のある土地には以前、全11戸の賃貸マンションがあった。しかしオーナーが不動産経営の将来を見据えて決断をし、このガレージハウスに建て替えたという。

 

 11戸から4戸に減るというのは、一見大きなマイナスであるが、太陽ハウジングリースが2009年にはじめた賃貸ガレージハウスの好評ぶりが伝わってきていた。単身者向けアパートは入居者が身軽であるぶん、物件が気に入らなければすぐに出ていくということにもなりがちだが、屋内ガレージつきという希少な付加価値をつけることで、長く住んでもらおうと考えた結果だ。

 

 とはいえ、11戸→4戸という大幅減である。単純計算なら家賃を3倍近くにしなければ割に合わないが、そんな家賃ではさすがに借りてもらえない。どこに工夫があるのだろうか。

 

 「屋内ガレージに2台を収容できればいいのにという声もあるのですが、そうなると専有面積が増え、家賃もぐんと上がってしまいます。そこで、大部分の物件ではガレージの収容台数を1台とし、面積を減らして家賃を抑えております」(太陽ハウジングリースで企画設計を担当する三浦正氏)

 

 ここで参考のために指摘したいのは、夫婦ともにクルマを所有する2台持ちの世帯が、愛知県には非常に多いということだ。若いお母さんが自転車にチャイルドシートをつけて頑張っている姿は、名古屋市内の各区でこそ頻繁に見かけるが、郊外はそもそもクルマが前提の街づくりになっているからだ。

 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160630-00093940-diamond-bus_all