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2012.11.01 マンション管理費見直しセンターのホームページを公開しました。

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深刻な実家「空き家化」問題、便利な方法&制度がこんなにあった!(後編)

●4月から空き家を売却した場合の税制優遇制度が創設

 

 また、昨年に引き続き16年度も空き家に関する改正が行われている点も見逃せない。4月から、相続した空き家を売却した場合に一定の条件を満たすと、譲渡所得の「3,000万円の特別控除」が適用されるようになった。

 従来からマイホームを売却した場合、利益(譲渡益)が出ても一定の要件を満たせば3,000万円までは課税しない「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という制度が設けられている。これを空き家の売却にも適用したのが、新設された「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」である。

 

 適用を受けるためには、相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったことや、相続時から譲渡時まで事業、貸付、居住の用に供されていたことがないこと、16年4月1日から19年12月31日までの譲渡であることなどの要件を満たす必要があるが、売却を検討している方は、要チェックだ。

 

 なお、売却に関しては、売却時期が親の生存中あるいは親の死亡後によって、課税関係等が変わる。詳しくは税務署や税理士等に確認してみよう。

 

●空き家管理サービスを利用しながら、不動産業者選びも

 

 さらに空き家となった実家を少しでも有利な価格で売却する場合には、不動産業者選びも重要だ。ずっと地元を離れていてどのような業者を選べば良いのかわからない場合は、駅前などに店舗のある地元物件を多く取り扱っているような業者など、2~3社に査定を依頼し、信頼できそうな業者を選ぶと良いだろう。

 

 最近では、遠方で空き家になった実家の管理が難しい人のために、地元の不動産業者等が「空き家管理サービス」を行っていることもある。主にこれらのサービスは、室内の通風や換気、清掃や屋外の郵便物等の確認、庭木の剪定・草むしりなどを代行してくれるというもの。月1回3,000円~1万円程度かかるが、将来の売却時の業者選びを踏まえて、一度サービスを利用してみるのも良いだろう。

 

●田舎の物件でも賃貸に出せる可能性も

 

 そして、ハードルが高そうな「賃貸に出す」について。

 

 そのまま賃貸するというわけにはいかない場合、リフォームが内装だけでも約300万円かかる。賃貸でその金額を回収するには何年かかるのか試算してみることも必要である。また、家賃滞納のトラブルや空き家・空室リスク、将来、自分が住みたくなった場合に立ち退いてくれるかも心配だ。

 

 そこで、移住・住みかえ支援機構(JTI)が実施する「マイホーム借上げ制度」を利用するのも一手。日本に自宅を所有する50歳以上が利用でき、首都圏に限らず地方でも活用されている。

 

 賃料は相場よりも安くなるものの、JTIが最低賃料(査定賃貸料の85%)を保証し、終身借り上げてくれるので、空室リスクを回避できる。また、3年ごとに契約が終了する定期借家契約のため、自宅に戻ることや売却も可能だ。

 

 最近では、多くの自治体が空き家対策として空き家バンクを設置しており、その数は500 にも上る。空き家バンクとは、その名前の通り、空き家情報を集め移住希望者にインターネット等で情報を提供する仕組み。運営しているのがほとんど自治体の職員のため、民間業者では取り扱わないような物件や地元密着の情報が入手できる。単に借主と貸主のマッチングを図るだけではなく、リフォーム等で出費があるときに、費用の助成・補助をしてくれる点も大きなメリットだ(自治体等で制度の有無や内容は異なる)。

 

●安易なマイホーム購入は、“負”の遺産になる可能性も

 

 日本全国、空き家問題で頭を悩ませている人が続出する一方で、都心マンションは売れ行き好調だという。とくに、東京オリンピックの開催が決まり、中央区晴海地区や江東区豊洲地区などのタワーマンションは大変な人気を呼んでいる。

 

 東京カンテイの「マンション・一戸建て住宅データ白書2015」によると、首都圏の新築マンション一戸の平均価格は5,183万円。14年の4,653万円から11.4%も大きく上昇し、すでに価格はミニバブル期の07年(4,691万円)の水準を超えている。高額でもマイホームを購入したい人が多い一方、不要な空き家が増えているというのは、なんと矛盾した状態だろうか。

 

 もちろん身近な問題として、まずは目前に迫る実家の空き家対策をどうすべきかが最優先事項。でも、このような日本の不動産事情を目の当たりにすると、将来、同じような問題が自分の子どもや孫に降りかかってこないとは限らない。

 

 今後、ファイナンシャルプランナーとして、マイホーム購入をお考えのお客さまには「将来的にその家をどうしたいか?」も検討していただくべき事項のひとつに加えるべきかもしれない。

 

(文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー)

 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160603-00010003-bjournal-soci&p=1