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<希少種残る湿地>開発ピンチで移植計画 大阪・天下茶屋

 大阪市西成区天下茶屋東2の住宅街に、水が湧き出る湿地(約480平方メートル)が残されている。市内で唯一とみられ、ヨシ群落もある都会の貴重な自然だ。ところが昨秋、不動産会社が土地を購入し、開発される可能性が出てきた。湿地の植物を守る活動をしている市民グループ「なにわの片葉葦(かたはよし)保存会」は「万葉集にうたわれた、なにわの原風景を今に残す場所」として、ヨシなどを近くの小学校へ移植保存する計画を進めている。

 

 湿地は南海天下茶屋駅の東側約700メートルの住宅街の一角に広がる。市立自然史博物館の2012~14年の植生調査では、計55種の植物が確認され、ヨシやガマなど湿地を好む在来種は12種あった。葉が茎の片側に付く「片葉のヨシ」や、大阪府レッドリストで準絶滅危惧種の水生植物コガマも見つかった。

 

 湿地がある上町台地沿いではかつて、多くの場所で水が湧いていた。同博物館の長谷川匡弘学芸員(植物生態学)は「今では市内で湿地はここだけではないか。他ではほとんど見られなくなった植生が残っている」と説明する。

 

 ヨシと大阪の関係は深く、万葉集などの和歌にも取り上げられた。奈良時代の歌人、大伴家持は「海原のゆたけき見つつ葦が散る難波に年は経ぬべく思ほゆ」(海原をゆっくり見ながら、ヨシの穂が散る難波で年をとりたいと思う)と詠んだ。

 

 保存会は11年に地元住民らで結成。メンバーの中には、小学校でビオトープづくりにボランティアで取り組んでいる人もおり、会として12年に湿地のヨシを市立晴明丘小などに移植した。同小の山本隆教頭は「ヨシを通じて児童が地域の自然環境を知るきっかけになった」と感謝している。

 

 湿地は国有地だったが、昨年10月に市内の不動産会社が約900万円で購入した。同社は「貴重な湿地とは知らなかった。具体的な開発計画が決まるまでは、できることは協力したい」としている。

 

 保存会は今後、現地で昆虫などの生物調査や植物の観察会を行い、春のうちにヨシを晴明丘小に追加移植する。会長の大島新一郎さん(88)は「ここは大都会の天然ビオトープ。一人でも多くの人に湿地の貴重さを伝えたい」と話している。【大沢瑞季】

 

 【ことば】ビオトープ

 

 多様な野生の生き物が暮らす場所を示し、「バイオ(生命)」と「トポス(場所)」を組み合わせたドイツ語。主に林や小川、沼地などに見られるが、年々減りつつある。そのため、学校の敷地に池を作って草木を植え、ビオトープを作る活動が広がっている。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160305-00000045-mai-soci