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貧困、二重ローン、保証人問題が復興を妨げる…岩手県司法書士会

 貧困、二重の住宅ローン、連帯保証人という三つの課題が、東日本大震災被災者の仮設住宅から災害公営住宅(復興住宅)などへの住み替えを妨げている――。

 2011年9月から毎週末に岩手県内の仮設住宅などで無料相談を続ける同県司法書士会が26日、相談の実情から浮かび上がってきた復興を妨げる諸課題などを発表した。

 震災から4年を経た被災地では、高台移転や盛り土(かさ上げ)による造成地への住宅再建、災害公営住宅建設・入居などの動きが徐々に進みつつある。同県内では2月末現在で仮設住宅約1万4000戸に約2万2000人が入居しており、壁が薄く隣人の生活音が聞こえる、夏暑くて冬寒い、狭いなどの理由で住みにくい仮設からの転居を心待ちにする人も少なくない。

公営住宅入居の保証人条件が厳しい

 ところが、一方で「仮設から出たくても出られない人」もいる。塚崎友三・同会常任理事によると、理由は三つある。まず、年金生活の高齢者を中心にした貧困だ。沿岸部では個人事業主で国民年金保険受給者が多く、厚生年金や共済年金より年金受給額が少なめのところに被災し、月額1万円でも災害公営住宅の家賃を払うのが難しいというケースが珍しくない。今は医療や介護サービスの料金が免除されているが、将来を考えると生活保護費受給も視野に入れる人もあるという。

 次に問題なのは、住宅が全半壊しても被災前に払っていた住宅ローンが残り、その返済が足かせになっているケースだ。この二重ローンの負担を減らすため、11年8月から被災者が借金の免除や減額をしやすくなるガイドラインが整備され、さらに途中の改正で債務整理をしても手元に上限500万円の預貯金を残せるようになった。しかし、今年3月13日までの3年半で、全国で相談が5508件あったうち、実際に債務整理ができたのは1202件。塚崎理事は「条件が厳しく成立の割合が低いだけでなく、約40万戸が全半壊という状況(消防庁まとめ)では相談数自体が少なすぎる」と指摘する。

 第三に、災害公営住宅に入居する際の連帯保証人が立てられず、入居が困難なケースがある。市町村により異なるが、同一市町村内に居住、60歳未満、一定の収入を持つなどが保証人の条件に求められている。これに対して、身寄りがない、断られた、などの声も出ているという。

 同会や日本司法書士連合会では、これらの状況を踏まえ、債務整理ガイドラインを改善し、災害公営住宅入居の連帯保証人を不要とすることあるいは要件を緩和とすべきなどと岩手県や該当する市町村に要望したり、声明を発表したりしている。

取り残され感、あきらめ感

 また、被災者の心の状態について、小山田泰彦・岩手県司法書士会副会長は「取り残され感、あきらめ感が出てきている」と指摘する。相談の中で、家族を亡くしたひとり暮らしの高齢者が「おれら、もうどうでもいい」と嘆いたり、親が2世帯住宅を建てたいのに子どもが拒否したり、仮設住宅で育ったコミュニティーが再編されることへの不安があったり、などの声が上がっているという。住む家が確保されただけでは解決できない種類の問題だ。

 このため、同会では今後、一つの試みとして大槌町で行われている高齢者見守り事業と連携し、個人情報の取り扱いに配慮しつつ、巡回から得た情報を生かし、特にひとり暮らしの高齢者などが孤立しないような支援をしていきたいとしている。

http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20150330-OYT8T50081.html