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マンション管理費見直しセンターのスタッフブログ

2020年

1月

20日

「日本初のタワマン」が建てられた、超・意外な街とは?

人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに、検討していく。今回紹介するのは、日本で最初にタワーマンションが誕生した街。「日本初のタワマン」は、いつ、どこにできた?

何かと話題になることの多い「タワーマンション」だが、その呼称に法的な基準はなく、階数による定義もない。しかし建築基準法や消防法で、31m、60mと、建物の高さで基準が異なり、このうち高さ60m以上の建物が超高層建築物とする考え方が広まっていることから、高さ60m以上、階数にすると20階以上のマンションをタワーマンションと呼ぶことが多いようだ。

このタワーマンションだが、高層階からの眺望やハイスペックな施設・サービスによって近年人気となったが、一方で、昨年の台風被害により、災害時の危うさがクローズアップされている。

メリット、デメリットを顧みて、それを良しとするかどうかは、選ぶ人の価値観によるものだが、ところで、日本で初めてタワーマンションは、いつ、どこにできたか、ご存じだろうか。

諸説あるが、まず1971年に東京都港区三田にできた「三田綱町パークマンション」。しかし高さ52m、19階建てのツインタワーであることから、「タワマン」ではなく「高層マンション」の先駆けとして語られることが多い。前述のタワーマンションの定義による、日本第1号のタワーマンションが誕生したのは、埼玉県さいたま市。旧与野市に1976年に誕生した「与野ハウス」である。高さ66m、21階建て、総戸数463戸の大規模マンションだ。

最寄り駅でいうと、JR埼京線「北与野」駅。昨今は東京都心の再開発地区や臨海部に建てられることの多いタワーマンションだが、黎明期である1970年代は状況が異なる。当時は、日照権や敷地面積確保などの課題により、都心部にタワーマンションを建てるにはハードルが高かった。「与野ハウス」ができた当時、周辺にある建物といえば、戸建てや数階建てのアパートくらいで、隣駅のさいたま新都心の高層ビル群もなかった。

1997年、建築基準法の改正で共用部分が容積率算出上の延床面積に算入されなくなったことや日影規制の緩和などにより、人口集積地域にもタワーマンションの建設が可能になった。今日では、駅前の再開発といえば、まずはタワーマンションというくらい、いたるところで建てられている。地域のランドマークになりやすいことからも、今後も都心ばかりでなく、郊外でもタワーマンションは増えていくだろう。

そんなタワーマンション第1号が誕生した、さいたま市中央区、旧与野市は、どのような街で、どのような可能性を秘めたエリアなのか、不動産投資の観点で見ていこう。

 

新都心の街開きで、開発の中心は「北与野」へ

与野市は、2001年、大宮市と浦和市と合併し、さいたま市が誕生するまで、埼玉県南部に存在していた市だ。旧与野市の市域は、現在、さいたま市中央区となっている。

収穫が不安定で租税を賦課できない土地である「余野」から転訛したとか、ヨは「ものの間」のことで「台地と台地の間の野」という地名から転じたなど、与野の由来には諸説あるが、与野が歴史に初めて表れたのは1314年と意外に古い。平安時代後期に浄土教の宗派である融通念仏宗をおこした良忍の事績などを描いた絵巻物『融通念佛縁起絵巻』に、「与野郷」という記述が登場する。室町時代には市場が開かれ、江戸時代には甲州街道と奥州街道を結ぶ脇往還(五街道以外の主要な街道)の町場として栄えた。当時の地誌『新編武蔵風土記稿』には、与野の戸数を304、浦和を208、大宮を200余りと記している。

しかし明治時代に高崎線、東北線が開通し、1912年に「与野」駅が開設されると、商業の中心は、市が開かれていた本町通り周辺から東部地区に移っていった(ちなみに「与野」駅は現さいたま市浦和区北部にあたる旧木崎村と旧与野町の境に設置され、住所は“与野”ではない)。

1958年には、単独で市制を施行し、県下20番目の市となり、1985年、埼京線の開通により、市内に「北与野」駅、「与野本町」駅、「南与野」駅の3駅が新設された。

「北与野」駅は、2000年に街開きとなったさいたま新都心の西側にあたり、「さいたま新都心」駅とは、ペデストリアンデッキ「北与野デッキ」でつながっている。また駅周辺では高層マンションの建設が進み、駅利用者も増加傾向にある。「与野本町」は江戸時代に賑わった与野宿に近い駅であり、さいたま市中央区役所が置かれたり、「彩の国さいたま芸術劇場」が建設されたりと、行政・公共施設の集積が見られる。「南与野」は埼玉大学に向かうバス便により、3駅のなかで乗降客は一番多いが、駅周辺には商業の集積はなく、空き地も目立つ。まだまだ発展途上といった雰囲気である。

 

旧与野市埼京線沿い3駅…ポテンシャルが高い駅は?

不動産投資の観点で与野を見ていこう。まずは、地域の人口と世帯構成(図表1)だが、さいたま市中央区の人口は10万人強で、埼京線3駅周辺には1万人前後が居住する。また1世帯当たりの人数は、2人強とファミリー層と単身者層が混在するエリアである。3駅周辺に限ると、人口構造の目立った差異は見られない。

続いて、中古マンションの次に中古マンションの平均取引価格(図表2)と、その種類(図表3)を見ていこう。さいたま市中央区の平均取引価格は3239万円で、3部屋以上のファミリー物件が8割を超える。また駅周辺に限ると、さいたま新都心の第2の玄関口としても機能する「北与野」は、平均取引価格、平米単価ともに、中央区平均を上回った。新都心に近いという利便性から、プレミアム感が出ていると推測される。

一方で、「与野本町」「南与野」の取引物件数は少なく、今回の分析では、2駅周辺の物件を足しても、「北与野」周辺の物件数を下回った。3駅いずれかのエリアで不動産投資を考えるのなら、まずは「北与野」が選択肢になるだろう。

今後の不動産投資の可能性はどうか。将来の人口増加の予測から見てみよう。黄色~橙で10%以上、緑~黄緑0~10%の人口増加率を表し、青系色で人口減少を表す将来人口推移のメッシュ分析(図表4)では、3駅周辺では現状維持から微増と予想。特に「北与野」周辺は、ほか2駅よりも高い人口増加が見込まれている。

さいたま市中央区の借家率は45%で、ファミリー物件の取引が活発なエリアだ。埼京線沿い3駅に限ると、今後も安定的な人口増加も見込める。家族層のニーズをつかむことで、長期的に安定した不動産経営が実現するエリアだといえるだろう。

浸水、洪水、地震…与野周辺の災害リスクは?

日本で初めてのタワーマンションが誕生した与野。タワーマンションといえば、昨今は、災害でクローズアップされたが、与野周辺の災害リスクはどうなっているのだろうか。ハザードマップを確認してみよう。

浸水(内水)のハザードマップを見てみると、南北に流れる鴻沼川、高沼用水路沿いを中心に、50センチ以上の浸水域が点在する。また洪水のハザードマップを見てみると、注意すべきは鴻沼川。1998年の台風5号では流域で多くの浸水被害をもたらした。このとき旧与野市では災害救助法が適用されている。

また地震のリスクはどうだろう。まず国立研究開発法人防災科学技術研究所の「J-SHIS地震ハザードステーション」で地盤を見てみると、さいたま市中央区一は、火山灰質の粘土であるローム台地に分類され、比較的安定したエリアだといえる。

しかし、表層地盤増幅率(地表面近くに堆積した地層の地震時の揺れの大きさを数値化したもので、1.6以上は地盤が弱く揺れやすい、2.0以上は特に揺れやすいと評価される)を見てみると、多くが1.6~1.8と、揺れやすい地域という結果に。そのなかでも、「与野本町」の南西、上峰あたりは1.55~1.59と、エリアのなかでは揺れにくい地盤であることがわかった。

地震の被害は、揺れによる建物被害だけではない。不動産投資家であれば、地盤の液状化はしっかりと想定しておきたい。さいたま市の地震の防災マップを見てみると、鴻沼川流域は、液状化の危険が高いとされている地域。物件選びの際には、心得ておこう。

GGO編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200117-00025045-gonline-bus_all&p=1

2020年

1月

10日

申告、納税をせずにいると?相続にまつわる「時効」について

相続が発生してからの「相続税対策」は打つ手が限られますので、事前の対策が重要です。相続税専門の税理士法人チェスター監修の本連載では、具体的な相続税対策について分かりやすく解説していきます。相続ではさまざまな権利が発生しますが、それらはいつまでも認められるわけではなく時効が定められています。今回は、「相続権にかかわる5つの時効」について解説します。

相続放棄は被相続人の死亡を知った3ヵ月以内が期限

相続ではさまざまな権利が発生します。遺産を受け取る権利だけでなく、遺産の受け取りを放棄する権利も認められています。しかし、これらの権利はいつまでも認められるわけではなく、時効が定められています。

相続権にかかわる時効でもっとも短いものは相続放棄の時効で、死後3ヵ月以内となっています。亡くなった人に多額の借金がある場合は、期限内に相続放棄をしないと相続人が借金を返済しなければなりません。

相続権の時効について知識がなければ、必要な手続きができずにさまざまな不利益を被ります。背負わなくてよい借金を背負ったり、もらえるはずの遺産がもらえなかったりすることもあります。

本記事では、相続権にかかわる5つの時効についてお伝えします。相続に直面している人だけでなく、まだ相続に直面していない人も予備知識として参考にしてください。

(1)【遺産の受け取りを放棄するときの時効】

遺産の受け取りを放棄する相続放棄の時効(期限):3ヵ月

民法では遺産の受け取りを放棄すること(相続放棄)が認められています。相続では、被相続人(亡くなった人)の預貯金や不動産など資産だけでなく借金も相続の対象になります。被相続人に多額の借金がある場合は、相続放棄をすることで借金を引き継がなくてよくなります。そのかわり、預貯金や不動産なども受け取れなくなります。また、1人の相続人に遺産のすべてを相続させるために、他の相続人が相続放棄をすることがあります。

相続放棄をするには家庭裁判所への申し立てが必要で、被相続人の死亡を知ってから3ヵ月以内が期限となっています。ただし、借金があることを知らなかったなどやむを得ない事情がある場合は、3ヵ月を過ぎても相続放棄が認められる可能性があります。

期限後の相続放棄は手続きが難しくなるため、相続問題に詳しい弁護士や司法書士に依頼しましょう。

(2)【遺留分減殺請求権の時効】

遺留分減殺請求権の時効:遺留分の侵害を知ってから1年(最長でも相続開始から10年)

生前に遺言を書いておくと、財産を誰にどれだけ相続させるかを自由に決めることができます。遺言で親族以外の第三者に全財産を譲ることもできます。しかし、それでは遺族の生活が立ち行かなくなるため、民法では被相続人の配偶者と子または親に対して、最低限相続できる遺産の割合を定めています。これを「遺留分」といいます。

遺留分減殺請求権とは、遺留分が侵害された場合(遺産を全くもらえなかったか、遺留分に満たない割合しかもらえなかった場合)に、遺産を受け取った人に支払を求めることができる権利です。

遺留分の減殺請求をするときは、相手方にそのことを伝えます。ただし、遺留分が侵害されたことを知ってから1年以内に請求しなければなりません。また、遺留分が侵害されたことを知らなかった場合でも、被相続人の死亡から10年が経過すれば遺留分減殺請求権は時効になります。

 

相続税の申告を怠ると、税務署が動き出す!?

(3)【遺産分割請求権の時効】

遺産分割請求権の時効:なし

相続人どうしで話し合って遺産を誰がどれだけ相続するか決めることを「遺産分割」といいます。相続人がほかの相続人に対して遺産分割を働きかける権利を「遺産分割請求権」といいます。

遺産分割請求権に時効はありませんが、遺産分割は早めに行うことをおすすめします。

遺産分割をしなければ遺産は相続人全員の共有となり、処分をするときは相続人全員の同意が必要になります。長期間にわたって遺産分割をしなければ、世代が進むごとに相続人が増えて収拾がつかなくなるおそれがあります。

相続税には税額が軽減される特例がありますが、遺産分割をしなければ適用できないものがあります。相続税の申告と納税の期限は被相続人の死亡から10か月以内です。節税のためにも遺産分割は早めに行うようにしましょう。

(4)【相続税の時効】

相続税の時効:相続税の申告期限から5年(悪質な場合は7年)

相続税の申告と納税の期限は、被相続人の死亡から10ヵ月です。その申告期限から5年を経過すれば、相続税は時効となります。ただし、申告しなければならないとわかっていて申告しなかったり、財産を隠したりなど悪質な場合は7年に延長されます。

ここで「申告期限から7年間申告しなければ相続税を払わなくてもよいのか」と考えられるかもしれません。しかし、申告をしなければ相続税を払わずに済むということは、まずありません。

相続税の申告を怠ると、必ずといってよいほど税務署が調査を始めます。税務調査で相続税の無申告が発覚すると、本来の税額に加えて、無申告加算税(または重加算税)と延滞税を加えた金額を納めなければなりません。相続税は負担の大きな税金ですが、時効をあてにすることなく、期限までに正しく申告・納税しましょう。

(5)【相続回復請求権の時効】

相続回復請求権の時効:権利の侵害を知ってから5年(最長でも相続開始から20年)

事例としては多くありませんが、相続欠格や相続廃除などにより相続人でなくなった人が遺産を相続することがあります。このとき、本来の相続人は遺産を返すように求めることができます。これを「相続回復請求権」といいます。

相続回復の請求は、本来の相続人が相続権を侵害されたことを知ってから5年以内にしなければなりません。相続権の侵害を知らなかった場合でも、被相続人の死亡から20年で相続回復請求権は時効になります。

ここまで、相続権の時効についてお伝えしました。相続で発生する権利の多くは時効が定められていて、一定の期限内に手続きをしなければ、権利を行使することができなくなってしまいます。特に、相続放棄の時効は被相続人の死亡から3ヵ月と短いので、早めの対応が必要です。

相続税については、徴税されなくなる時効がありますが、その期限までに必ずといっていいほど税務調査が行われます。本来の納期限より納税が遅れれば遅れるほど、延滞税の金額が増えていきます。相続税は期限内に申告・納税するようにしましょう。さまざまな相続権の時効についてわからない点や不安な点があれば、早めに弁護士や税理士など専門家に相談することをおすすめします。

税理士法人チェスター

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200110-00025006-gonline-bus_all&p=1

2019年

12月

27日

不動産を売るにはどれくらい期間がかかるの?不動産会社に査定依頼するときの注意点とは

多くの方にとって、不動産の売買はそう何度も経験することではないでしょう。特に長年住んでいたマイホームやご実家を売却するときには、さまざまな思い入れもあり複雑な気持ちになる方も多いと思います。

ご自身やご家族がお持ちの大切な資産である不動産を売却しようと考えたとき、どのように考えるべきかについてお伝えします。

 

不動産売却の決断

ご自身やご家族が所有している不動産は、購入するときにもさまざまなこだわりがあったことと思います。ご実家等であれば、かつてそこで幼少期を過ごしたなどの思い出があったり、ご先祖が守ってきた資産であったりします。

購入した不動産は家族構成の変化に伴って広すぎたり、狭すぎたりするようになる。配偶者が亡くなり、ひとりで住むには広すぎるなどの理由で売却、買い替えをお考えになる方もいます。

いずれにしても、不動産を売却するというのは大きな決断でしょう。不動産は保有しているだけでもコストがかかる資産。特に都市部では固定資産税の負担も重くなります。

田舎の土地建物であれば固定資産税などは安いかもしれませんが、いずれにしても長年そのままにしてしまうと内外装や設備も老朽化し、再び使うことは難しくなってきます。

草木が伸びて周辺環境に悪影響をおよぼしたり、空き家になっていることで火災や犯罪の温床になってしまうこともあります。

かといって、人に貸すという選択をする場合には「大家」としての建物管理責任も発生しますし、本当に借りてくれるかどうかわからない場合には、費用をかけて貸すかどうかも悩ましい問題です。

コインパーキングなどとして活用する場合は、建物が不要で初期投資もさほど大きくありませんが、そもそも需要があるかどうかの見極めが肝心です。場所によっては周辺が駐車場だらけで利用率が低くなっているエリアもあります。

日本では空き家が増えていることが社会問題になっています。全国平均では13.55%、7軒に1軒以上が空き家になっているといわれています。住宅地などを歩いていても「この家は空き家だな」とわかる家が少なくありません。

しかし、今日の日本では核家族化が進行し、結婚して家を出た子供たちはみんな持ち家を持っているというケースも少なくありません。使う予定のない不動産であれば、何かしらの活用を検討するか、売却することを考えるべきでしょう。

不動産売却で最初に考えること

不動産を売却するときに最初に考えることは、「いくらくらいで売れるのだろうか」ということではないでしょうか。

現在60歳以上の方の場合、30年ほど前のバブル期に非常に高い価格で購入されているケースもあります。その前から所有されていた場合でも、新聞などに掲載される「公示価格」「基準地価格」などで近隣の不動産の評価額から自分の資産価値を大まかに知り、「売るつもりはないけれどこんなに高いんだ」と感じられたことのある方もいらっしゃいます。

かつての値段のイメージがあるため、不動産屋に査定してもらって「こんな金額にしかならないのか」と肩を落とされる方もいらっしゃいました。

近年の住宅地の価格は比較的安定しています。バブル期には確かに高騰し、当時のサラリーマンは手の届くマイホームを求め、その立地は郊外に広がっていきました。その当時は郊外で数多くの宅地開発が行われ、新幹線通勤を認めた企業もありました。

現在、住宅地の価格は沈静化する一方、マンション価格が高騰しています。まず、どのくらいで売れるのかについて調べることからはじめることになるでしょう。

不動産会社に「査定」を依頼する際の注意

不動産の価格を調べる方法にはどんなものがあるでしょうか。

インターネットで「あなたの不動産の価格査定を複数の不動産会社に一括して依頼できます」というサイトもあります。こうしたサイトに査定を依頼されるのは一つの方法です。

また、「売却不動産を探しています」「あなたのお住まいのエリアで不動産を探している人がいます」などと書かれたチラシが折り込まれていることもあります。

これらを利用して、一つの会社ではなく、複数の会社の査定を受けることでも、想定される売却価格についておおよそつかむことができるでしょう。

ただし、本当にその価格で売れるかどうかは別の問題です。不動産の価格に「定価」はありません。

同じものが二つとない不動産の価格を評価する際には、その場所の用途地域やさまざまな規制、周辺の価格相場や取引事例のほか、その土地の面積や方位、形状、地勢(高低差など)、道路付け、公共交通機関へのアクセスや電気・水道・ガスなどの敷設状況、周辺環境など、あらゆる条件を考慮して価格を査定します。

これだけさまざまな要素を考慮して査定しますので、すべての会社が同じ金額にそろうわけではありません。また、その価格はあくまでも「想定」です。不動産の価格査定は中古車のものと違い、多くの場合、その会社が買い取るわけではありません。

不動産会社との付き合い方

不動産会社は、売主に自分の会社と「媒介契約」を締結していただくことを重視します。そのため「自分の会社が一番高く売れます」と思わせるために、査定では高めの価格を提示されることがほとんどです。

不動産を売却される場合、重要なのは「売却戦略」です。いくらで売りに出すのかはもちろんですが、その不動産の良いところをどのようにアピールし、価値を高く見せるか、といったテクニックも重要です。

査定が高い会社と話を進めるのではなく、こうした売却戦略についてもきちんと立案できる会社を選ぶべきでしょう。

不動産売却にかかる期間

不動産を売却される方の事情もいろいろです。長く空き家になっている不動産の場合には急いで売却しなくても良いでしょう。一方、中にはすぐに現金化したいという事情をお持ちの方もいらっしゃいます。

不動産売却に期間の制限がある場合、価格は低くなりがちです。
特殊な事情がなく、すでに家の中が片付いていて、すぐにでも売れる状態になっている場合でも、売却のための相談を始めてから引き渡しまで少なくとも2、3ヶ月はかかると考えておくべきです。

多くの不動産売却ではそれ以上の期間がかかっています。隣地との境界が確定していないような物件だと、測量や境界確定などを行わなければならないケースもあり、それだけで1ヶ月程度はかかります。

家の中にまだ家財などが残っている場合には、その片付け・処分にかかる期間も必要なばかりでなく、購入希望者が内覧に来た際の印象も悪くなり、価格にも影響しかねません。

まとめ

不動産の売却には準備と戦略が必要です。準備はご自身で進める必要があります。また、戦略の立案には信頼できる不動産屋を選ぶ必要があります。何をどう準備すべきか、相談に乗ってくれる不動産屋もあるでしょう。

多くの不動産屋が自社の中で売主と買主をマッチングする「両手取引」を行っていますが、「両手取引」を前提に考える業者は、「本当に信頼して大丈夫?」と感じます。

大きな金額になる不動産。いろいろな思いの詰まった大切な資産を大切に扱ってくれる不動産屋を探していただきたいと思います。

執筆者:西山広高
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、西山ライフデザイン代表取締役

ファイナンシャルフィールド編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191226-00010003-ffield-life&p=1

2019年

12月

20日

「好み」だけではなかった日本人が“新築好き”になった理由

 「新築信仰」という言葉がある通り、日本の不動産市場では流通する8割以上が新築である。これは日本人の「好み」というだけではなく、ライフステージの変化に対応した物件供給ができていない賃貸市場や、依然として広がる新築向けの宅地造成、住宅ローン減税などの新築優遇税制、その一方で中古住宅市場の不透明さなどが影響している。これらは法的な枠組みにとどまらず、住宅取引の慣行、供給のあり方など、規範・慣習によって形成された広い意味での「制度」に起因している問題である。

 住宅の需給を考えるとき無視できないのは「取引費用」だ。「取引費用」とは、経済的な取引が行われるための情報収集や、取引の履行、権利の保護などにかかる費用のことである。例えば、住宅購入の際に物件が不具合を抱えていないか調べるには費用がかかる。住宅を売ったり貸したりするときにも、買い手が約束した金額を払わなくなるリスクも費用になる。なぜ日本人が「賃貸ではなく持ち家」、さらには「中古ではなく新築」という選択をするようになったのかを分析する。

 

ファミリー世帯が 賃貸から持ち家に移る理由

 まず着目するのは、貸し手の「取引費用」である。遡(さかのぼ)れば戦前の地代家賃統制令をきっかけとする借家人への強い保護が現在も続いているため、家賃を滞納されても、貸し手がすぐに退去させることが難しい。特に間取りの大きな物件で好ましくない借り手を抱えてしまうことは、貸し手にとって大きなリスクになる。必要に迫られれば借り手を退去させて、自分の資産を利用する自由が制限されることを考慮すると、貸し手は住宅の質を上げようとはせず、規模が小さい物件を供給することを選びがちだ。結果として、ファミリータイプなど一定以上の広さで質の高い住宅は、賃貸住宅として供給されにくくなった。

 都心においては、家族向け賃貸住宅が少なく、家賃も高い。割高でも借りてくれる人がいることは、貸し手が住宅の質を上げようとしない原因にもなる。結婚や出産を機に広めの住宅に住もうとすると質の割に高い家賃を払い続けて賃貸に住むか、資産価値を考えて持ち家を所有するかという選択を迫られる。賃貸のほうが割高である傾向がある中で、持ち家で安く家族向けに質の高い住宅を手に入れることができれば、後者を選ぶのは自然だろう。

 広めの賃貸に住むという選択肢が少ないなかで、政府はアパートを振り出しにして、少し広めの公営などの賃貸、マンションへと住み替え、戸建てを中心とした持ち家がゴールという「住宅双六」のような人生を標準パターンとし、住宅を購入する中間層への金融支援を政策の軸としてきた。1980年代以降は、内需拡大の手段として融資戸数の拡大だけではなく、融資額も大きく増えた。そして、バブル崩壊後は、景気対策の手段として住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)を通じた持ち家取得への融資が広がっていった。

 

持ち家のほうが割安だとしても、本来巨額の住宅ローンを組むことができる人は限られているはずである。しかし、90年代後半以降の金融緩和の中で、住宅ローン向けの金利が極めて低い状態が続き、金融機関の間の競争が激しくなる中で、以前よりも少ない頭金でローンが組まれる傾向にある。そのような状況を背景に、住まいの改善には持ち家の購入が必然とされ続けた。

 日本のように多くの人が一世代限りで消費することを念頭に住宅を購入するとき、誰かが自分の住宅を中古住宅として売り出そうにも高く売ることは難しい。仮に売り出された住宅が中古住宅として利用に堪えるものであったとしても、多くの人が住宅の価値を劣化させているなかで、その住宅だけには本当の価値があるということを買い手が知るのは簡単ではないからである。そのような情報を得るために「取引費用」を負担するくらいなら、住宅を新築するために整地した土地だけを欲しいという買い手も少なくはないだろう。

 中古住宅の流通には、買い手側にとって、住宅に深刻な欠陥がないと判断できるような情報が提供されることが重要であり、そのような情報を取得するために「取引費用」がかかる。そこで必要な情報とは、端的に住宅の質とそれに応じた価格である。買い手は、売り手の提示する価格が住宅の質に見合わない不当なものだとわかっていれば、当然購入を控える。しかし、もしそれが簡単にはわからないとなると、高い費用を払って質の悪いものを入手することになりかねない。価格に見合わないものが市場に混じっていて、しかもその質を判断するために高い「取引費用」がかかるとすれば、買い手は購入を控えるようになる。結果的に、良質な住宅でも妥当な価格で販売することが難しくなり、中古住宅の市場が成り立ちにくくなるのである。

 新築への後押しは税制の面からも行われた。住宅を購入するために10年以上のローンを組んだ場合、所得額から一定額を控除する住宅ローン減税のような制度や、固定資産税・都市計画税といった地方税の一部減免がある。しかし中古住宅では、このような優遇が新築と比べて限られてきた。また、中古住宅が価値ある「商品」として需要されるためには、住宅の所有者がその価値を維持するようなリフォームを行い、その投資が中古住宅の価値に反映されることも必要だが、そのような建物部分へのリフォーム投資が評価されることは少ない。そして、そのようなリフォームを促すような優遇措置は最近まで行われてこなかった。

 

地方の政治制度が 拍車をかける

 仮に中古住宅が優遇されていなかったとしても、新築住宅が非常に高価であるとすれば、多くの人は中古住宅を買わざるを得ないだろう。そしてそのような行動が、中古住宅の市場を成り立たせようとする努力につながるはずだ。しかし日本の場合、新築住宅の供給は容易であり、中古住宅と比べて非常に高価なものとはならなかった。その背景として、地方の政治制度がある。
 一般に、都市で持ち家が増えると、大規模な再開発は難しくなる。土地の権利関係を調整するのに多大な取引費用がかかるからである。都心に近い利便性が高い地域では新しい住宅が供給されにくく、価格も高騰するだろう。そこで論点になるのは、すでに開発された地域を再開発して住宅を増やすのか、都市を拡張して新しい宅地を作り、住宅を増やすのか、という点である。結論から言うと、日本では後者に偏るかたちで住宅が増やされてきた。
 1968年に制定された都市計画法は開発すべき土地(市街化区域)と、そうでない土地(市街化調整区域)の線引きを行う。そのうえで、土地の区画や形質を変えるような開発行為には許可を必要とするとともに、開発を認める土地については、それが商業地・工業地として開発されるべきか、住宅地として開発されるべきかといった用途指定を行うことになった。要するに都市として開発する地域を限定するもので、厳格に運用されれば住宅を増やすためには市街化区域内の再開発が中心となるはずだ。
 こうした地方自治体による規制が行われるものの、それは必ずしも十分とは言えなかった。市街化区域には農地なども広範に含まれ、当初から広めに設定される傾向があった。
 なぜなら、ある土地が市街化調整区域に指定されることは、その区域での開発を原則的に禁止することを意味しており、重大な私権の制限を受ける土地の所有者から強い反発が生じるからである。そのため、実際に開発が行われる可能性が低くても市街化区域に指定される土地が多くなり、そのなかで徐々に住宅地が広がっていくという現象が起きた。
 さらに本来は開発が認められない市街化調整区域であっても、例外的に認められる開発行為が多く、2000年以降の規制緩和によってそのような開発がより進みやすくなった。

 

これを下支えする形となったのが、地方議会の選挙制度である。地方議員は、大選挙区・単記非移譲式投票と呼ばれる、一人一票で多くの得票を得た候補者から順番に当選していく選挙制度で選ばれる。結果として10万人規模の市であっても1000票程度の得票で当選できる。そんな選挙に直面する候補者にとっての問題はこれをどう固めるか、ということに尽きる。

 多くの場合、候補者は特定の地域や団体と結びつき、自分たちを当選させてくれた住民に対する個別的利益の提供を優先するインセンティブを持つようになる。特に都市計画法の制定からバブルが崩壊するころまではそのような圧力は極めて強かっただろう。このため、人々の土地利用を制限するような政治決定は難しくなり、開発利益を狙った闇雲な宅地開発によるスプロール(都市が無秩序に拡大する)につながったのである。

日本特有の「制度」は 変えられるのか?

 「賃貸より持ち家=新築」を支えてきた「制度」を変えることは可能なのだろうか。まず求められる政策は、新築住宅を取得する費用を高めて、他方で中古住宅や賃貸にかかる費用をより低くするものになる。その一歩としては、宅地開発と新築住宅建設の抑制、地域における住宅戸数の管理といった手段になる。

 既存住宅に住む地域住民にとっても、新築住宅の過剰供給が続けば、自分たちの既存の住宅の価値を下げる可能性がある。中古で売れなくても自分が死ぬまで使えればいい、と思う人はいるだろう。

 しかし、何らかの事情で移動する必要が出てきたとき、まともな価格で売れない中古住宅を抱えるのは端的に悲惨だ。死ぬまで使えたとしても、そんな住宅では子どもや孫がその住宅の処分に困るかもしれない。将来を見据えた利害関係者として、地域での新築住宅の建設に関する意思決定に関与する資格はあるだろうし、そのような関与は新築住宅の抑制にもつながりやすいと考えられる。

砂原庸介 (神戸大学大学院法学研究科教授)

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191218-00010004-wedge-soci&p=1

2019年

12月

13日

子ども達へ…父が遺したアパート4棟「どれが高い?」で大喧嘩

年間約130万人の方が亡くなり、このうち相続税の課税対象になるのは1/10といわれています。しかし課税対象であろうが、なかろうが、1年で130万通りの相続が発生し、多くのトラブルが生じています。当事者にならないためには、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが肝心です。今回は、アパートが遺された家族のもとに起きた相続トラブルについて、円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

 

父急死…家族には、アパート4棟が遺された

今回ご紹介するのは、地方で会社を経営している夫のAさん、妻のBさん、子どもたちは、長男、次男、長女、という5人家族です。Aさんが経営していた会社は、当初、順調にいっていましたが、時代の流れのなかで、段々と業績は低迷していっていました。

そんななか、唯一救いだったのが、3人の子どもたちがすでに独立していたこと。泣き虫で心配だった次男は20代前半で結婚し、いまや3児の父。やんちゃな性格だった長女も、30歳を前に結婚し、1児の母として忙しい毎日を過ごしていました。生真面目な性格の長男は「結婚は性に合わない」と唯一未婚でしたが、一流企業に勤務し、順調にキャリアを重ねていました。

Aさんも、すでに70歳前。しかし、20代で起業し、ずっと仕事一筋だったこともあり、ことあるごとに「そろそろ潮時かな」と言ってみるも、踏ん切りがつかずにいました。

「そうですね。もう十分がんばったんだから、あとは、あなたがやりたいところまで、やればいいんじゃないですか」

そんなやり取りが夫婦の定番になっていたころ、悲劇が起きました。Aさんが事故で亡くなったのです。

Bさんは混乱するばかり。業者とのやり取りは長男が行い、なんとか葬儀を終えることができました。それから2ヵ月ほど経ったころ、Bさんも冷静を取り戻し、納骨を済ますことができました。しかし家族の混乱は、これからでした。

ある日、相続について、家族が集って話し合うことになりました。遺産分割の対象となるのは、自宅のほか、アパートが4棟、金融資産は200万円ほどでした。

「親父、アパートなんて持っていたんだ」と次男。

「お父さんが若かったころにね、『これからは不動産を持っていたほうがいい』とアドバイスしてくれた先輩がいたらしいのよ。それで、貯金をするなら不動産をもつ、というのがお父さんのポリシーだったから」とBさん。

「確かに。このご時世、貯金じゃあ、大した利息もつかないしね」と長女。

「あとね、子どもたち一人ひとりに、アパート1棟をあげられるようにって。お父さん、アパートを買っていたのよ」とBさん。

「そうだったのね、お父さんって仕事一筋だったから、そんなこと考えていたなんて意外ね」と長女。

「これからも母さんは、この家に住むだろ。だからアパートをどう分けるか、だな」と長男。

「アパートは、ちょうど4棟だろ。1人1棟、ってことか」と次男。

ここまでは、誰も相違はありませんでした。そこから話し合いはヒートアップしていったのです。

「じゃあ、俺は『●●アパート』をもらっていいかな」と次男が切り出しました。

「ちょっと、待って。『●●アパート』って駅が近いところのよね。絶対4つのアパートのなかで一番高いわ。不公平じゃない?」と長女。

「それじゃあ、『●●アパート』はお母さんに、というのはどうだい?」と長男が間に入ります。

「……じゃあ『コーポ▲▲』ならいいだろ?」と次男。

「ダメよ。『●●アパート』の次に高いのは、きっと『コーポ▲▲』よ。私だって欲しいわ」と長女。

「そんなこと言っていたら、いつまでたっても分けられないだろ!」と次男の声が大きくなりました。

「何よ、ムキになって。誰よりも高いアパートが欲しいって思っているくせに」と長女がいい返します。

「なんだよ、その言い方!」と次男の声はますます大きくなります。

「チビちゃん(=次男の子どもたち)、みんな私立に通わせているんでしょ。お金かかるもんね。大変よ、3人も子どもがいたら」と長女は嫌味たっぷりにいいます。

「まあまあ……」と長男が間に入ると、「何だよ、いつも兄貴ヅラして余裕こいて。そうやって、本当は俺のこと、バカにしているんだろ!」と怒りを長男にもぶつける次男。

兄弟喧嘩は、いつまでも終わらず、結局、マンションはすべて売却し、現金にして遺産分割を進めたといいます。

「子どもたちに、1戸ずつ、アパートを残せたらといっていたんですけどね、あの人は。なかなか親の気持ちは、子どもに伝わらないものね……」と、母であるBさんは振り返っていました。

 

3つある土地の時価…相続時には遺留分の侵害にも注意

遺産の多くが不動産の場合、分けづらさからトラブルになりがちです。不公平感を調整する、現金資産を用意しておくことが、トラブルの回避法のひとつとなるでしょう。

土地の時価の計算方法は、大きく3つ、あります。誰もが知りえる路線価を使って計算する土地の時価は、いわいる相続税評価額と呼ばれています。その名前の通り、相続税を計算する時に採用される時価です。

似たような評価額で、固定資産税評価額と呼ばれるものも存在します。これも名前の通り、固定資産税を計算する時に採用される時価です。

そして、実際に売買契約が成立する金額があります。これが本当の意味での時価です。

本当の意味での時価とは、まったくの他人同士で売買契約が成立する金額です。売る人からすれば、できるだけ高く売りたいですし、買う人からすればできるだけ安く買いたいものです。この2つの気持ちがバランスする金額が本当の意味での時価になります。

これは、まったくの他人同士というのがポイントです。これがもし親子の間であれば、どちらかが気持ちを譲歩することも考えられます。

このように、不動産の時価には、(1)相続税評価額(2)固定資産税評価額(3)実際の時価という3種類の時価が存在します。そして、実はこの3種類の時価には、高いものと安いものがあり、最も高いのが(3)、最も安いのが(2)となります。 どのくらい変わるかというと、たとえば実際の時価が100だとすると、相続税評価額は80、固定資産税評価額は70になります。

この法則を利用すれば、(1)~(3)のいずれかの金額がわかれば、他の2つも簡単に計算できるのです。

たとえば、固定資産税評価額が5000万円の土地があったとします。固定資産税評価額が5000万円ということは、実際の売却価格は7100万~7200万円前後と予測できます(5000万円÷70×100=7142万円)。

また、相続税評価額は5700万円前後ということになります(5000万円÷70×80=5714万)。

不動産鑑定士に言わせれば、このような計算方法では実際の売買金額なんて算定できないと言われますが、おおよその目安を把握する目的であれば、このような簡単な計算でも良いでしょう。

ちなみに、相続トラブルでよく争点となる、相続人が相続できる金額として最低限保障されている遺留分ですが、 計算する際に採用される不動産の評価額は、相続税評価額ではなく、実際の時価です。

このことから、相続税評価額ベースで遺留分の問題を考えていると、後々、実際の時価に戻すと遺留分を侵害していて大変な争いに発展するというケースが非常にたくさん存在するので、注意が必要です。

【動画/筆者が「不動産の相続税評価額の計算方法」を分かりやすく解説】


橘慶太

円満相続税理士法人

橘 慶太

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191213-00024597-gonline-bus_all&p=1

2019年

12月

06日

「家や土地などの不動産」の相続…どのように金額を計算するか

本記事は、税理士法人チェスター、司法書士法人チェスター、CST法律事務所監修、株式会社エッサム編集協力、円満相続を応援する税理士の会の著書、『ゼロからわかる相続と税金対策入門』(あさ出版)から一部を抜粋し、相続対策の基礎知識を紹介します。

 

「宅地の価格を評価する」4つの方法

多くの人にとって、相続財産のうち大きな割合を占めるのが家や土地などの不動産です。その不動産も金額として評価しなければなりません。

では、その評価方法の基本を順次見ていきましょう。まず、一般的な土地、すなわち宅地の評価です。

土地には、農地や山林、牧場、原野などさまざまな形態がありますが、ここでは多くの人が関心のある「宅地」について見ていきます。宅地とは、田畑などの農地や山林や原野、そのほか湖沼や鉱泉地でない土地のことを指します。そこに家が建っていて、人が住んでいなくてはいけないというものではありません。宅地のなかの空地というものも存在します。

その宅地の価格を評価する方法は次の4つがあります。(1)と(2)が主要な評価法、(3)と(4)が主要な評価法では評価が難しい場合の評価方法と考えてください。

(1)路線価方式による評価

路線価方式というのは、土地にどの路線が面しているかで評価する方法です。路線というのは道路のことです。この路線の価格すなわち路線価は、国税庁が毎年発表する路線価図によって確認することができます。路線に面した宅地1平方メートルあたりの価格が毎年改定されますので、その路線価に土地の面積をかけて宅地の価格を計算します。

なお、実際の計算の際には、その宅地の利便性が高いかどうか、土地が使いにくいかどうかなど土地の形状による補正がなされます。その補正の基本的な方法については後述します。

(2)倍率方式による評価

倍率方式というのは、先述した路線価が定められていない、農村地や別荘地などの評価の際に用いられる方法です。その土地の固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算し、路線価方式との差を埋めるように設定されます。

固定資産税評価額は、毎年、市区町村役場から送られてくる固定資産税等納税通知書によって確認できます。一定の倍率については、国税庁が発表する評価倍率表で確認できます。

(3)公示価格による評価

公示価格は国土交通省が毎年公示している価格で、国や自治体が公共事業用地を取得する際に目安にしている価格です。この価格は、不動産取引や相続の際の財産評価など民間の取引でも利用することができます。

(4)売買取引時価による評価

売買取引時価とは、実際に売買する前提で評価される価格のことです。売買取引時価を算定するには、不動産業者に確認するほか、実際にその額をもとに納税申告する場合は、不動産鑑定士による鑑定が必要になってきます。

 

通常は路線価方式か倍率方式で算出するが…

通常、宅地(土地)を相続財産として評価する場合は、路線価方式を用いて評価額を算出します。路線価がついていない地域の場合は、倍率方式を利用して評価額を算出します。宅地の相続税評価額はこの2つのいずれかの方式により算出されるといっていいでしょう。

この2つの評価方法の基準となる路線価と固定資産税評価額は、通常、時価よりも2~3割ほど低めに設定してあります。そのため、このどちらかの方法を用いれば、不当な価格で評価額が計算されることはありません。

ただし、この2つの方式で算出するよりも、時価で評価したほうが有利なケースもあります。たとえば、土地の利用環境が激変した場合です。

路線価や固定資産税評価額、公示価格は、年に1度しか改定・公示が行われません。したがって、土地の利用環境が激変した場合、たとえば被災したり、開発計画が急になくなってしまったり、何らかの風評被害にあうなどがあった際は、公表のあとに時価が大幅に下がるケースがあります。そのような場合、売買取引時価を用いたほうが評価額は下がり、路線価方式や倍率方式による評価よりも相続財産の総額を抑えることができます。

このように、土地の評価というものは単純に考えていると見誤ってしまうほど複雑なものです。多少お金はかかってしまいますが、実際の相続の財産評価では、税理士や不動産鑑定士などそれぞれの専門家に算定を依頼するのが無難です。

評価額を調整している「画地補正」とは?

土地の評価額は、その土地の形状によって調整がかけられます。このことを「画地補正」といいます。

路線価方式には、その土地が面している道路の路線価に地積(土地の面積)をかけて評価額を算出する際に、「標準的な宅地である」という前提に立っています。それは、

・土地の一面のみが道路に接していること

・周囲の宅地に比べて奥行が標準的であること

という基準を前提にしています。

しかし実際は、土地の形状はさまざまです。奥行が深い土地もあれば、2面、3面が道路に面している土地もあり、道路に面した部分(間口)の広さも異なれば、傾斜地・がけ地もあります。私道などにより道路からのアクセスなども宅地によって異なります。それらを踏まえて、次の図のような画地補正により評価額を調整しているのです。

そのほか、土地を貸付地として提供している場合、さらにその貸付地にアパートやマンションを建てて人に貸している場合など、その状況に応じて相続する土地の評価額としては減額されます。

「固定資産税評価額と相続税評価額」は同じ額になる

土地(宅地)と同様に、家屋などの建物の評価の方法の基準を見ていきましょう。建物の評価額は固定資産税評価額を基本とします。これは、家屋をそのまま相続する場合の評価額と考えればわかりやすいでしょう。税法でも「固定資産税評価額の1.0が相続における家屋の評価となる」と明示していますので、この固定資産税評価額と相続税評価額は同じ額になります。

この固定資産税評価額は、もともと、その家屋の基礎がどのようなものか、また、各箇所に使われている素材、備わっている設備などを考慮してあらかじめ決まっていて、それに経年劣化などを加味して算出されます。

相続する家屋を他人に貸している場合、貸家としての評価額を算出します。家屋を貸家にしている場合、所有者の権利も狭まってしまいます。そのため評価が減額できるようになっています。

どのように減額されるかというと、固定資産税評価額に借家権割合と、賃貸割合を乗じた額が控除されます。借家権割合は国税庁がその建物がある地域ごとに定めている数値ですが、相続の場合に関しては一律30%と決められています。

賃貸割合は、その建物の床面積のうち、どれだけの面積を貸し出しているかという数値です。したがって、貸し出しているのが家屋全部の面積なのか、それとも一部の面積なのかで数値は変動します。その家屋を丸ごと貸家としている場合、賃貸割合は100%ですから、その場合の評価額は固定資産税の評価額よりも30%減額されます。家屋を貸家にしている場合の評価は次回で詳しく解説します。

このように家屋の評価については、固定資産税評価額を原則として、そのうえで貸家に出した場合の評価ということになります。そのため、相続における家屋の財産評価にあたっては、まず、固定資産税評価額を確認します。そのうえで、貸家に出した場合にどれくらいの評価減になるのか、と計算することになります。

それぞれの評価額の多寡を比べると、「固定資産税評価額>貸家の評価額」という関係になります。財産のたな卸しの段階では、この傾向を踏まえておくことも大切です。

【円満相続を応援する税理士の会】
蛸島 一伸 / 伊藤 惠悦 / 高野 好史 / 田中 久夫 / 加藤 元弘 / 鈴木 秀雄 / 佐藤 純一 /
岡田 誠彦 / 池田 俊幸 / 児玉 洋貴 / 加藤 眞司 / 髙橋 光彦 / 田村 智宏 / 永野 淳也 /
平井 寛子 / 伊藤 由一 / 吉田 勤 / 末吉 英明 / 内芝 公輔 / 光廣 昌史 / 辻本 聡 /
小屋敷 順子 / 坂元 隆一郎

蛸島 一伸

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191205-00024205-gonline-bus_all&p=1

2019年

11月

29日

相続税はかかる?かからない? ボーダーラインにいる時の「次の一手」

相続の話になると、避けては通れない実家の不動産。

家庭を持つ子どもたちには持ち家があり、自分の亡き後、いま住んでいる家が空き家になることは目に見えています。

 

そんな時、孫から家を引き継ぎたいという話が舞い込みます。思ってもみないうれしい話ですが、相続人でない孫は、2割増しの相続税を払わなければなりません。

かわいい孫のために、なんとかして相続税を抑えたいといいますが……。

実家を相続させたいけど、すでに持ち家がある子どもたち

仲田ひろしさん(73歳・仮名)は、自分が住んでいる家を、亡き後、親族に引き継いでもらいたいと思っていました。

仲田さんの相続人は、長男(45歳、既婚者、子どもあり)、二男(40歳、既婚者、子どもなし)の2人。長男も二男も結婚して持ち家があります。家を相続させても、空き家になるのは目に見えています。

そんな折に、長男の子供にあたる孫(20歳)から、仲田さんの家を将来引き継ぎたいと話がありました。同時期に相続セミナーを受けた仲田さんは、孫に家を引き継いでもらうためには遺言書が必要なことを知り、今回相談に来られました。

財産5300万円、相続税はいくらかかるのか?

仲田さんの想いは次の通りです。「不動産は孫へ。その他の財産は長男、二男で均等に」

遺言書作成にとりかかる前に、推定相続人の確認を行います。仲田さんの出生から現在までの戸籍を取得し、相続人になりうる人を確定するのです。同時進行で、仲田さんの財産調査を行います。

財産は、自宅不動産以外に預貯金のみ。合計5300万円でした。このまま財産を想いどおりに渡せた場合、相続税はかかるのでしょうか。

相続財産のうち相続税がかからない金額(基礎控除)は、「3000万円+(600万円×相続人の数)」 です。仲田さんの相続人は今現在、長男、二男の2人。相続税のかからない財産金額は4200万円です。そのため計算式は以下になり、1100万円に対しては相続税が課税されることになります。

(今ある財産)5300万円-(相続税のかからない財産金額)4200万円=1100万円

法定相続人に該当しない孫は、相続税が2割増し

ここで問題になってくるのは、相続人ではないけれども不動産を引き継ぐ予定になっている孫の存在です。

相続税は、引き継いだ財産の割合で負担することになります。孫も財産を引き継ぐとなれば、相続税の負担をしなければなりません。法定相続人ではない孫は、相続人の2割増で相続税の計算が行われます。しかも相続税は、現金納付が原則です。

しかし、孫が引き継ぐのは不動産。預貯金等は一切ありません。払うためには、孫自身の預貯金から捻出しなければなりません。また相続税の申告期限は、亡くなった日から10ヵ月以内。いつ“その時”がくるのかもわかりません。事前に準備が必要です。

相続税がかからないように調整することはできるのか?

もし、相続税がかからない金額(基礎控除)に財産を減らすことができれば、長男、二男、孫の3人は税金を払わずに財産を引き継ぐことができますが、はたしてそんなことできるのでしょうか。

仲田さんの財産5300万円の内訳は、自宅不動産1300万円と預貯金4000万円。財産の中には生命保険はありませんでした。そのため、今回は生命保険を相続税対策としてご提案しました。

なぜ生命保険なのでしょうか? 生命保険は「みなし相続財産」と呼ばれています。みなし相続財産とは、民法上の相続財産ではありませんが、相続税を計算する際に相続財産とみなして課税される財産のことです。

課税すると言っても、生命保険には非課税枠があります。「500万円×法定相続人の数」 の金額を、課税される生命保険金額から差し引くことができます。仲田さんの法定相続人は長男、二男の2人ですので、生命保険を使った非課税枠は1000万円になります。

仲田さんから「利用したい」との返事をいただき、預貯金4000万円のうち1000万円を生命保険にあてても今後の生活に支障がないか確認した後、保険を取り扱う専門家におつなぎしました。

保険は「お金の遺言書」

保険は「お金の遺言」とも言われます。渡したい人を受取人にすれば、相続財産とは別に渡すことができます。「不動産以外の財産を長男、二男に均等に」との意向はそのままに、長男、二男を受取人に指定しました。

すると、相続税の課税対象になりうる仲田さんの財産は以下の通りです。

(今ある財産)5300万円―(基礎控除)4200万円―(生命保険)1000万円=100万円

現時点では、100万円に対して相続税がかかるということになりますが、この100万円は仲田さんが今まで堅実にやりくりしてきた証です。「これからは自分のため、子ども、孫のためなどに使って、余生を楽しく過ごしてください」と申し上げました。

そうすることで、長男、二男、孫に相続税の負担をかけることなく財産を引き継いでもらうことができます。仲田さん自身も今後、お金の心配をあまりすることなく、楽しく過ごしていくことができるでしょう。

相続税のボーダーラインにいる時にすべきこと

きっかけは不動産を引き継いでもらいたいとの想いでしたが、その想いをカタチにするために相談してくださったおかげで、相続税がかかるか、かからないかのボーダーラインにいることが分かりました。

ちょっとした対策をしていれば相続税は発生しなかったのに、同じようにボーダーラインにいても知らないがゆえに相続税を支払わなければならなかった人もいます。手遅れになることも多いのです。

相続対策と言えば“お金持ちのすること”という意識がまだまだありますが、「相続対策」と「相続税対策」はまったく別のこと。相続はすべての人に関わることです。

だからこそ自分の財産を把握し、どう分けるのか、誰に引き継いでほしいのかを決めることから始めてください。それが決まると、その財産は誰にどのくらいの相続税がかかるのか、かからないのかを確認することができます。

相続税がかかるのであれば税金を抑えていく方法はあるのか。節税をしたうえで、まだ相続税がかかる見込みであれば、相続人が支払えるように事前に準備しておくことが必要です。

納税資金対策は、相続税対策と重なるところも多いですが、暦年贈与(年間110万円まで非課税)の非課税枠を使いながら贈与したり、先ほど出てきた生命保険を(非課税目的ではなく納税資金対策として)活用する方法など、多岐にわたります。

いま自分に相続が発生したとしたら、このまま何もしなくて問題ないのか、何かしたほうがいいのかを専門家に確認してみてください。なければ、安心して日々の生活を送ることができます。何かしたほうがいいとなった時に、いつでも相談できる専門家がいるというのは心強いものです。

今のうちからできることを少しずつ進めていきましょう。

藤原由親(アクセス相続センター 税理士)

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191128-00010004-moneyplus-bus_all&p=1

2019年

11月

22日

「新築」という呪縛 日本に中古は根付くのか

都心における新築マンションの供給量の減少と価格高騰により、マンションを中心に新築から中古や賃貸物件にシフトする「脱新築時代」とも読める動きが出てきた。不動産業界では中古、賃貸物件の販売を拡大する傾向もみられる。一方で、国の住宅政策は高度成長期から続いてきた新築優遇から大きくは変わっておらず、人口減少が進む中で中古の流通を拡大する政策を促進すべきだという指摘もある。「脱新築時代」の最新事情を追跡した。

 

3年連続で中古マンションの 契約件数が新築を上回る

 首都圏において2016年から18年まで3年連続で中古マンションの契約件数が新築を上回ったことは、不動産・住宅業界に新しい流れが生まれたことを印象付けた。5年ほど前までは新築志向が強かったが、首都圏のマンション価格がこの数年で急騰した反面、所得の伸びがそれに追いつかなかったことから、新築から中古ヘのシフトがみられるようになった。

 今年の首都圏のマンション供給量は不動産経済研究所の予測によれば、3万7000戸の横ばい。都心部で大規模物件を供給できる土地が見当たらないことから、今後も大きくは増えないとみている。

 同研究所の松田忠司・主任研究員は「首都圏では、00年から07年ごろまでに年間7万~9万戸の大量供給されていた新築マンションが中古として市場に出はじめている。このころのものは設備もしっかりしており、いま流行の間取りを先取りしているのもあり、こうした物件を購入してリノベーションするユーザーが増えている。利便性の高い新築マンションの供給量は今後も少ないので、首都圏に人口流入が続く現状では中古に流れる傾向が続くのではないか」と指摘する。

 東京カンテイの調査では、今年9月の首都圏の中古マンションの平均価格(70平米換算)は、前月より0・6%上昇して3727万円、東京都は2・7%増の5165万円で最高値を更新した。

 23区内も2・3%増の5764万円と高水準になっている。都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)では、ついに8000万円台の大台に初めて達した。これも消費者の都心に住みたい志向が極めて強いことを裏付けている。

 井出武・上席主任研究員は「東京23区では中央3区(千代田、港、渋谷)の水準が依然として高く、これに引っ張られて中古マンションの価格はジリジリ上昇している。新築マンションの価格も依然高水準で、富裕層は都心3区のビンテージマンションを求め、実需購入者は築20年前後で城北・城東エリアで比較的安価な中古マンションに流れる状況となっている。

 最近は共働き世帯が増えていることから、通勤に便利な駅に近いマンションが好まれる。ただ、パワーカップルと呼ばれる世帯の合計年収が1500万円以上ある共働きであっても23区内で、7000万円台まで上昇した高額マンションを購入することは躊躇してしまうのではないだろうか。それなら、新築よりも平均30%ほど安く買える中古を買って、自分の好みに合わせてリノベーションしようという動きになっているようだ」とみている。

 ただし、中古へのシフトが起きているのは首都圏のマンションに限った話だ。現状でも全国における中古の流通シェアは、マンションなどの共同住宅、戸建てを合わせても14・5%という低水準で推移している。

 18年に行われた住宅・土地調査(総務省)によると、住宅総数は6241万戸。しかし、その13・6%に当たる849万戸がすでに空き家となっている。マンションの戸数は654万7000戸あるが、老朽化が進んできている。

 また、少子高齢化も進み、人口は減少傾向が続く。世帯数の推移を見ると、23年の5419万世帯がピークで、以後は減少し、40年には5076万世帯になる。つまり、人口と世帯数の減少により、住宅需要の先行きは頭打ちになるのは明白だ。
 それにもかかわらず、人口と世帯数の構造変化に対応した住宅政策がとられてきていない。

 国はこの十数年にわたって、大手デベロッパーによるタワーマンションに代表される新築マンションや戸建て住宅を建て続けることが経済成長につながり、国民総生産(GDP)の増加要因になるとして歓迎してきた。

 

新築優遇税制と不透明な商慣行

 それを下支えしてきたのが、税制面での優遇策だ。新築と中古住宅では、減税適用条件に違いがある。所得税では、年末ローン残高の1%の所得税額が13年間減税(住居面積が50平米以上で所得合計額が3000万円以下)される。一方、中古の場合、この条件を満たした上に、木造は築20年以内、マンション(新耐震基準)は築25年以内の建物に限定される(耐震対応をするなど、適用除外の方法もある)。また、固定資産税も、新築の場合は半分に軽減(戸建て3年間、マンションは5年間)される。一方、中古の場合、減税はない。

こうした状況に対して、さくら事務所の長嶋修会長は「首都圏の中古マンションに関しては確かに中古の取引が増えているが、戸建てについてはまだ新築の方が買いやすい。住宅ローンの減税についても、新築優遇を止めないままで中古の適用条件を少し緩和しており、依然として新築優遇には変わりはない」と、指摘する。「新築と中古のローン減税や補助金が同じならば、誰もが新築を買う。欧州では中古を明白に優遇してるように、日本でも新築から中古に舵を切るべき時が来ている」と訴える。

「新築住宅を建てると、その経済効果は住宅価格の2倍あると言われた時期があった。1990年代まではそうだったかもしれないが、今は2倍もないのでは。1戸新築を作れば1戸空き家が生まれる状況で、かえってマイナスになることもあるのではないか。

 一種の宗教のようなもので、(日本政府は)新築が良いと信じている。私は以前から住宅の『総量管理』をすべきだと主張しているのだが、あまり賛同してもらえない」(長嶋氏)。

 住宅のストックとなった約6200万戸の住宅の多くが有効に活用されているならまだしも、7戸のうち1戸が空き家状態で、人口減少が加速する中、今までと同じペースで新築を建て続けるのは無理がある。新築はほどほどにして、今ある膨大なストックの中から長く住める住宅を見つけ出す政策を真剣に考えるべき時期に来ているのではないだろうか。

 60年代の日本が高度成長を続けてきたころに、国の政策として行われてきた住宅建設5カ年計画という住宅供給を計画的に進める政策があったが2006年に終了した。その後は住生活基本法が制定され、居住水準、住宅環境など、住宅の量から質の向上を目指す政策に転換された。

 ただし、政府は20年までに中古流通住宅・リフォーム市場の規模を2倍(20兆円)にしようとしたが、達成できていない(「新成長戦略」10年6月17日閣議決定)。

 中古流通を妨げる要因として、不動産売買の商慣行もあげられる。日本では中古の売買を行う場合、宅地建物取引士の資格を持った仲介業者が売買する人の間に入り、取引が成立すれば「売り」と「買い」の両方から手数料を得る(売りと買い、別々の仲介業者もある)。これは、「両手取引」と呼ばれ、米国では原則的に禁止されている(2019.11.20発行「Wedge12月号」PART3にて詳述)。「高く売りたい」という売り主と、「安く買いたい」という買い主に対して、同じ仲介業者が介在するのは「利益相反」になるという考えからだ。

 

また、仲介業者は全国4地域に分かれて中古物件が登録されている不動産流通標準情報システム(REINS)と呼ばれるシステムを見て、顧客に希望する物件を紹介する。ただ、このシステムは物件について、築年数、間取り、価格などが表示されているが、リフォーム履歴、物件の周辺情報などは含まれていない。物件情報だけでなく周辺情報などあらゆる情報が盛り込まれている米国の不動産情報システム(MLS)とは成り立ちが異なる。

 このような中古仲介における情報の非対称性や不透明さが、購入者に二の足を踏ませているという実態もある。

住宅資産評価の見直しを

 中古の取引を拡大するためには、その資産評価をどれだけ正確にできるかもポイントになる。18年から仲介業者は、重要事項説明の際にホームインスペクション(建物状況調査)制度について説明が義務付けられたが、インスペクションはあまり普及していないという。

 そもそも日本の場合、資産価値を築年数で計算する傾向が強いため、年数が経過すると資産価値が大幅に下落してしまう。特に戸建ての場合、30年以上経過すると建物の資産価値はゼロで土地値だけとみられることが多い。

 住宅ローンの借り入れ・借り換えサービスを提供しているMFSの中山田明社長は「リノベーションした中古の資産評価を誰がするのか。金融機関にとってリノベーションによるバリューアップを評価するのは難しく、結局、鑑定企業に頼るしかない。

 不動産のデータベースもリフォームなどの過去履歴をきちんとつかんでいないため、データベースだけでは評価しにくい。中古の評価を正確にするように義務付けられ、そうした情報にアクセスできるようになれば、住宅ローンがつきやすくなり中古の取引拡大につながるのではないか」と話す。

 中古流通の拡大に向けて課題は山積しているものの、逆に言えば、日本の中古市場には大いに伸びしろがあるということでもある。「新築信仰」と「中古市場の使い勝手の悪さ」が存在する住宅市場だが、足元では物件情報の非対称性解消へ向けた動きがあり、また大手住宅メーカーでも中古部門に力を入れ始めた。Wedge12月号特集『「新築」という呪縛』では、こうした中古市場活性化に向けた業界の最前線の動きや、海外での健全な中古市場形成の仕組みを紹介する。

【参】Wedge12月号(2019.11.20発行)
特集:「新築」という呪縛 日本に中古は根付くのか(砂原庸介、中川雅之、中西 享、編集部)
PART 1  中古活性化を阻むしがらみ 「脱新築時代」は来るか?
PART 2 「好み」だけではなかった 日本人が”新築好き”になった理由
PART 3 米国の中古取引はなぜ活発なのか? 情報公開にこそカギがある
COLUMN  ゴースト化した「リゾートマンション」の行方
PART 4 中古活性化に必要な「情報透明化」と「価値再生」

中西 享・友森敏雄・濱崎陽平

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191121-00010001-wedge-soci&p=1

2019年

11月

15日

「地方の古い戸建て」買い取る企業の儲けの秘訣

空き家の問題は、今後ますます深刻化するといわれている。こちらの記事『100均の家ついに登場、深刻化する空き家の対処』で、空き家が問題になる理由や対処の取り組みについて取り上げた。

 空き家の増加は、進行する高齢化の問題や人口や世帯の減少といった問題だけでなく、住宅価格の市場性の問題もある。地方の老朽化した住宅の場合、売りたくても貸したくても採算が合わないといった理由で、住宅市場に出せない空き家が増えているからだ。

■古い家を買い取るカチタス

 ところが、こうした古い家を買い取る企業がある。埋もれてしまう家に“価値を足す”リフォームをして、住宅市場で売り出す「カチタス」(群馬県桐生市)だ。

 近年「買い取り再販事業」が広がりつつある。買い取り再販とは、事業者が古い住宅を買い取って、リフォームしたうえで、自社が売り主となって販売する事業だ。

 「古い住宅」は、今のものより性能が低いことに加え、老朽化が進み見栄えも悪いので、改修をしないと住宅市場に出しづらい。改修にいくらかかるかわからないし、時間も手間もかかるので、一般消費者にはハードルが高い。

 事業者であれば、一般消費者と違い、大量発注することでリフォームコストを抑えることができ、改修内容をパターン化することで工期も短くできる。住宅の性能を今のレベルに向上させ、今の生活に適した間取りや設備に改修すれば、買いたいという人が現れる。こうした買い取り再販事業者が、近年増えているのだ。

■取り扱う物件はマンションが多い

 ところが、買い取り再販事業者が取り扱う住宅の多くは、都市部のマンションだ。

 なぜなら、マンションは、年代別に構造や設備に類似性があり、経験豊富な事業者であれば、物件をしっかり見れば、あらかじめ改修箇所や費用などを予測することができる。しかも、マンションは都市部に多いので、買い手となる一定の需要層も見込める。

 

これに対して戸建ては、建てたのが大手ハウスメーカーか地元の小規模工務店かによって、構造や間取り、設備などに大きな違いがある。さらに改修が必要な範囲が、マンションのように住宅内にとどまらず、住宅の基礎や屋根、外構も対象になり、それぞれの状態もさまざまで、改修範囲の特定や費用の予測が難しくなる。

 例えば、想定した以上に構造部分が腐食していたりすると、改修費用がかさみ、その額を上乗せしたら市場で売れない販売価格に上昇するので、結果的に赤字になるという場合も少なくない。こうしたリスクを避けるために、築年数の新しい戸建てに限定したり、そもそもマンションしか扱わないといった、買い取り再販事業者が多いのが実態だ。

 ましてや、購入需要の小さい「地方」では、なおさらリスクの大きい戸建ての買い取り再販事業は展開できないという構図になる。

 そんな中、通常なら手を出さない「地方」×「古い戸建て」の買い取り再販事業で急成長しているのが、「カチタス」だ。2018年3月期に売上高692億円、営業利益73億円だったが、2019年3月期には売上高813億円、営業利益91億円に成長。なぜビジネスとして成功しているのか、代表取締役の新井健資氏に聞いた。

 カチタスの成功の理由は、立ち上げ当初のビジネスモデルにあった。実は、カチタスの当初の事業は、「競売物件」の買い取り再販事業だった。

 競売物件とは、ローンの返済ができなくなった不動産を裁判所が差し押さえ、競売にかけて最高値を付けた人に売却して、ローンの返済に充てるもの。もし市場価値の高い不動産なら、住宅市場で売却したほうが、競売より高く売れる可能性が高い。したがって、競売物件には、市場価値の低い(住宅市場では安くしか売れない)、地方の空き家などが多くなる。

 カチタスは、こうした市場価値の低い競売物件を買い取って、再生して販売することを繰り返し行うことで、独自のノウハウを構築し、ビジネスとして全国展開できるようになったという。

 カチタスの店舗展開は、都市部に店舗を増やしていく多くの不動産会社とはかなり異なる。競売物件が対象なので、地方裁判所の近くに店舗展開をしていった。同社の店舗一覧を見ると、大都市はごくわずかで地方都市の店舗がずらりと並ぶ。

 競売物件で構築したカチタスのノウハウは、そのまま「地方」×「古い戸建て」の再生ビジネスにつながっていく。地方の古い空き家は増え続けているので、ビジネスチャンスも拡大するうえ、もともと地方に店舗展開していたので、独自の情報収集や販売経路などが構築されているという環境にあったわけだ。

 

■「地方」でも手頃な価格にすれば買い手はいる

 とはいえ、2つの大きなハードルがある。

 (1)買い取り再販する住宅が、人口流出の進む地方で売れるのか

 (2)いかに精度高く改修費用を予測(=買い取る住宅の目利き)できるか

 この疑問を新井氏にぶつけてみた。まず、「地方で家が売れるかどうか」については「買う人はいる」と新井氏は言い切る。

 同社のビジネスモデルで、購入者としてターゲットしているのは下表のような層だ。地方都市で、初めて家を購入する層に対して、住宅市場では売りづらい家を買い取り再生し、手頃な価格で売り出す、というシンプルなものだ。

 カチタスによると、地方の総世帯数は日本全国の約46%(約2419万世帯)。そのうち、年収200万~500万円の世帯は、地方の総世帯の約37%(約902万世帯)で、さらに借家に住んでいる割合は約37%(約333万世帯)。借家のままでいいという人もいるが、持ち家志向が4割程度あるので、約138万世帯は、地方で手頃な価格の戸建てがあれば購入する「潜在顧客層」になるという。

 潜在顧客を顕在化させるには、住宅の改修も重要だが、「買える価格に設定」して販売することも重要だ。カチタスでは、つねに販売価格を意識しているという。

■三者立ち会いを実施

 買い取るかどうかの基準は、改修費用を上乗せしても「住宅市場で売れる販売価格に収まる」かどうか。となると、改修範囲や費用をどれだけ正確に予測し、買い取り価格を決めるかが、鍵になる。同社は競売物件だった古い戸建ての改修を多く扱うことで、目利きのスキルを上げてきたが、これだけに頼っているわけではない。

 買い取り再販業者の多くは、買い取り物件の目利きを自社の担当者に任せている。これに対して、カチタスでは「三者立会い」を実施している。

 三者とは、不動産会社である同社の担当者に加え、改修工事を行う施工会社、シロアリの防蟻工事を行う防蟻会社の3社だ。不動産会社は物件情報を整理し、法的な手続きを行うサポートをするが、建築の専門家ではない。実際に改修工事を行う施工会社と防蟻会社が床下や屋根裏まで入念に確認し、目利きを行うことで精度が上がるのだという。

 「雨漏りリスクのない古い戸建てはない」と言っていいほどだというが、雨漏りがあっても原因が特定できて改修の見通しが立つ場合は、改修費用を予測でき、売り出し後のトラブルを避けることができる。原因が特定できない場合は、売り出し後に雨漏りが生じる可能性が高いので、買い取り対象外と判断される。

 

実はここまでしても、実際に買い取った家の改修範囲が想定よりも広がってしまう事例もあるという。そうした事例を検討して、つねに「チェックリスト」を改善して、目利きのスキルを高めることを繰り返して、レベルアップに努めているのだ。

 また、住宅市場で手頃な価格に設定するには、「家賃並みの住宅ローンで買える」ことを意識しているという。同社の平均販売価格は1430万円なので、改修費用を安く抑える工夫をしないと事業化が難しい。

 現在の同社のビジネスモデルを図式化したのが、下図だ。現在は、地方の事業を「カチタス」が担い、都市部の事業を「リプライス」が担う、地域分けをしている。それぞれ地元のネットワークを構築する一方、買い取った家の再生化を行っている。

 改修費用は大きく分けると交換する設備機器や建材の費用と工務店への手間賃に分かれる。資材関係は資材メーカーに大量発注することで、工務店への手間賃は安定した工事の発注をすることで抑制している。

 加えて、改修範囲を決める際に、使えるものはできるだけ残して使うようにしている。とはいえ、買い手のニーズを考慮して、外構でいえば駐車場の整備を行い、内装ではキッチンやバスなどの水回りやドアノブなど使用感が出るものは交換することが多いという。

■地方の空き家すべてを救えるわけではない

 地方で急増する空き家の要因に、住宅市場では価値が低いことが挙げられる。が、カチタスの買い取り再販によって、価値が低い家も住宅市場に出すことができる。

 もちろん、提示した買い取り価格では納得できないという場合もある。住宅市場で価値が低くとも、住んでいる人にとっては価値の大きいわが家だ。もっと高く売れるはずと、商談が成立しない事例もあるが、多くの場合は後から商談が復活するという。仲介会社を通じて住宅市場で売ってみると、なかなか売れないという実態がわかり、希望より低い額でも買い取りに応じることになるのだと。

 ただし、すべての買い取り案件で買い取れるわけではない。人口減少が激しいなどその地域に住宅需要がなかったり、老朽化が進んでいて改修費用が高額になったりで、相談を受けたものの買い取れないということも多い。感覚値だがという前置きではあるが、10件に3件程度を買い取るイメージだという。残念ながら、家に価値を足すことで住宅市場に流通できる家には、限りがあるのだ。

 結局、多くの地方の空き家やその予備軍は、買い取り再販事業では救えないことになるが、所有者が適切にメンテナンスをしていれば、改修費用を抑えることができて買い取り再販が可能になることもあるだろう。

 日本の住宅は、新築時に多くのこだわりを持って建てるのに、所有後はあまりメンテナンスされないことで、老朽化が進んでしまう。日頃からしっかりメンテナンスをすることが、空き家の解消につながるのかもしれない。

山本 久美子 :住宅ジャーナリスト

 

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2019年

11月

08日

東京五輪で頂点へ…2020年「不動産バブル」は弾けるのか?

来年、五輪というビッグイベントを控えた東京では不動産価格が上昇を続け、期待感から不動産投資を始める会社員が増えています。一方で、人口減少、少子高齢化など、不動産経営においてはネガティブなニュースが流れ、サラリーマン大家の間でも不安感が広がりつつあります。本記事では、不動産会社で資産コンサルタントとして活躍する髙木弘美氏が、昨今のマンション価格の推移から今度の不動産投資戦略についてを解説いただきました。

 

右肩上がりで推移、下落の兆候は今のところ見られず

昨今は老後資金問題が取りざたされ、会社員の間でも資産形成に対する関心が高まり、なかには不動産投資を始める方も多くいます。

そもそも不動産投資の成否は、収益物件をいかに安く購入し家賃収入を得た後に出口でどれだけ高く売却できるかにかかっていますが、「不動産バブル」という声も聞かれ、どうすべきか、不安感が広がっているのも事実です。

将来、売るタイミングを間違えないためには、常に不動産市況について把握しておくことが必要ですが、2019年までにマンション価格はどのように推移し、今後はどのようになりそうなのでしょうか。

2008年のリーマンショック後に底を打った国内の不動産価格は、2018年まで右肩上がりで推移してきました。マンション価格も同様です。東京23区の新築マンション平均価格は、2016年に6,629万円だったのが、翌年には7,000万円を突破し、2019年上半期は7,644万円でした。さらに新築マンションの値動きに引っ張られるように中古マンションの価格相場も上昇しています。

首都圏の中古マンションの価格は2016年4~6月に2,973万円だったのが、2019年4~6月は3,365万円になりました。実は「2019年に不動産価格は下落する」と予測されていました。「国立社会保障・人口問題研究所」の予測データでは、日本の世帯総数が2019年に5,307万世帯となり、ピークアウトしてそれ以降は減少の一途をたどるため、需給バランスが崩れて不動産価格が下がるというのです。

2019年10月には10%への消費増税、翌年には東京オリンピックを控えて「不動産価格がピークアウトする」というのも、その理由の一つのようです。「価格が下がる可能性があるので今のうちに売っておいたほうがいい」と営業する不動産会社があったり、「2019年は危険がいっぱいだから、2018年のうちに売ったほうがいい」とセミナーで話したりする専門家もいたのです。

ただ2019年9月時点では、そのような兆候は現れていません。東京23区の中古マンションの成約価格は、2018年10~12月よりも2019年1~3月は上昇しています。2019年4~6月は同年1~3月より微減ですが、ほぼ横ばいといっていいでしょう。

 

東京五輪が与える価格変動は限定的⁉

2020年夏は、いよいよ東京五輪です。ただ開催前には、施設の工事や建築などが終了し全般的に需要が減少することが懸念材料となります。2008年に五輪を開催した中国がそうだったように、景気が後退し「不動産価格が暴落するのではないか」という声もあるのです。一方で、以下のように影響は限定的と予測するシンクタンクもあります。

「2020年東京五輪後に日本経済が失速するとの懸念は根強いが、過去の夏季オリンピック開催国の状況をみる限り、五輪大会終了が主因となって景気が後退、もしくは減速する可能性は低い」(みずほ総合研究所のリポート「みずほインサイト」 2018年12月5日より)

しかしこのように相反する景気予測が飛び交うなか、そもそも実際に不動産投資をしている人たちにとって景気による価格変動は、それほど憂うべき問題なのでしょうか。不動産投資で購入するべきなのは、「立地が良い」「利便性が高い」「需要が途切れない」というリスクコントロールしやすく、投資対象として安定した物件です。つまり景気動向に影響を受けやすいような物件を選ばない限り、巷の景気予測論に右往左往せずにすむのです。

安く仕入れられるのは「買い」のタイミング

2019年9月時点では、不動産市況に大きな変化はありません。しかし「不動産価格が下落していく」とメディアなどで騒がれると、これから不動産投資を考えている人は「本当に始めていいのだろうか」と不安になるでしょう。また現在不動産投資を行っている人も「今、持っている物件をさっさと売却してしまったほうがいいのではないだろうか」と不安になるかもしれません。

しかし成功している投資家は「価格が下がっているということは、安く仕入れられるチャンス」「今こそ『買い』のタイミングだ」という一面もあります。ある有名な個人投資家は、リーマンショックの影響で不況のどん底にあった2011年のアメリカで、ピークから4割程度も下がっていたフロリダのコンドミニアムを購入しました。

周囲の人たちは「何と無謀な投資をするのか」と否定的でしたが、その後アメリカの経済は回復し、為替が大幅な円安になったことで購入した物件の価格は、円ベースで約2倍にまで上昇。その後も満室経営が続いて家賃収入が増え続けたそうです。このように不動産価格が下がったタイミングこそ“買い”のタイミングという考え方が成功する例もあります。

タイミングを見極めるには不動産価格の動向に加えて金利の動きも気になるところです。不動産投資において借り入れは非常に大きな要素となります。しかも現在は歴史的な低金利が続いています。これは不動産投資の好機とも言えるのではないでしょうか。今後の不動産価格の下落論に流され一喜一憂するよりも、低金利が続く現在の投資環境を利用できるうちに利用するという考え方が一番賢明で確実な方法なのかもしれません。

髙木 弘美

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191108-00023952-gonline-bus_all&p=1

2019年

11月

01日

「田舎で安く」に騙され、埼玉のマンションを購入した結果…

物件の周辺環境の変化、急な修繕、家賃滞納など数々のリスクが潜む不動産投資。資産形成の手段として注目が集まっているものの、事前にリアルな失敗パターンを知ることは必要不可欠です。そこで本記事では、多くの個人投資家にコンサルティングを行い、不動産投資の方法を提案する、株式会社カクセイの平山智浩氏・渡辺章好氏の共著『失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、不動産投資の失敗例を紹介します。

 

「安さ」に惹かれ埼玉県の築浅マンションを購入

【相談内容】

築10年の中古の重量鉄骨マンションを埼玉県某市で購入しました。ファミリー向けで10室中2室が空室です。築浅にもかかわらず、換気扇の故障、ウォシュレットの故障など、頻繁に設備交換があります。

また、先日退去した部屋は新築時から10年間住んでいたということで、壁も床も全部直して設備も交換する大がかりなリフォームになりそうです。管理会社からは、そろそろ屋上防水や外壁塗装もしておいたほうがいいと言われ、その見積もりは数百万円にもなります。これからどれだけのお金がかかるのかと心配です。

◆コストから考える立地選び……首都圏・郊外・地方、どの物件がいいか

かなりの田舎ともなれば、家賃3万円程度で50平米の2DK駐車場付きの部屋もあります。しかし、都内でその広さの部屋に住みたければ、郊外であっても家賃は最低でも10万円はかかります。

家賃10万円を毎月支払える人というのは、そこそこの年収があり定収入がある人と考えられます。共働きの夫婦であれば、夫の手取り年収が300万円程度、妻が200万円程度と必ずしも多くなくても、世帯で年間500万円の収入があれば、十分に生活していけるでしょう。

オーナーとして考えた場合、こうした入居者であれば家賃滞納リスクが減りますが、その代わり首都圏の物件は安くありません。

今の市況では利回り5~6%も珍しくないのです。これが地方になれば、利回りは10%や15%なのかもしれません。しかし、夫婦2人で家賃3万円を支払う世帯というのは、地方で考えても低所得世帯です。

低所得だからといって家賃滞納率が高いということはないかもしれませんが、賃貸経営にとって、入居者の属性というのは重要な要素です。家賃の価格帯が安いということは、入居者の属性が低くなるということを理解しましょう。高利回りの物件にはリスクが潜んでいるものです。値段を安くしなくては売れない事情があります。

コストについても同じ考え方ができます。先ほど例に出した都内で家賃10万円の2DK50平米の部屋と、地方で家賃3万円の2DK50平米の部屋のリフォーム費用を比べてみます。

家賃は3倍ほど違いますが、リフォーム費用はおそらくさほど変わらないでしょう。というのも、地方だからといって人件費が東京の3分の1になることはありません。建材や住宅設備も同様です。都心では工事車両の駐車場代を請求されることはあるかもしれませんが、リフォーム費用が地方の3倍になるなどということはありません。ここが地方投資最大のハンデです。

例えば、1億円の物件といっても神奈川県のアパートでいうと、普通の家よりも少し大きいくらいのレベルですが、地方は、10世帯以上の大規模のRC造マンションが買えます。

賃貸不動産への融資では、収益還元評価・積算評価など金融機関によって評価の出し方は変わりますが、積算評価額を重視するような銀行では、地方の国道沿いにある広い敷地面積を持つRC造マンションが高い評価になります。

そのため、土地の広さも、神奈川県では50坪程度の土地でも物件は企画できますが、地方ではその倍以上の広い土地になります。そうすると、単純に管理すべき面積も大きくなり、修繕する戸数も増えます。

雪国であれば除雪は必至です。面積が3倍になれば草むしりも3倍の労力が強いられます。草むしりは意外に費用が高くつきます。たとえシルバー人材センターで安く頼むにしても、田舎だからといって首都圏の10分の1の金額で済むわけではありません。

建物の規模が大きくなれば、受水槽や給水ポンプ、消防設備の法定点検といった管理すべき設備も増えていきます。それらには必ず寿命があり、時期がくれば交換が必要です。また当然、積算評価額が高く融資を受けやすいということは、固定資産税も高いのです。

原状回復するにしても、例えば同じ家賃5万円で都会が15平米の広さの部屋なら、地方は30平米と2倍の差が生じます。そうなると壁紙の値段も、床も2倍の費用がかかります。それゆえに原状回復が都会なら15万円で済んだものが、地方では2倍の30万円はかかってしまうのです。

しかし、業者から渡される賃料上は、どちらも同じ「家賃5万円」です。原状回復にかかった費用を回収するのに都会なら3カ月で回収できるのに対し、地方は6カ月もかかります。これで入居者に半年以内で退去されたら元も子もありません。

しかも、それの繰り返しですからボランティアをやっているようなものです。1年半ごとに退去されて、その都度30万円も原状回復にかかっていたら、不労所得どころか本当にお金が残りません。

利回りばかりに捉われてしまい、コストを把握せずに購入に至っている投資家は多いように思います。「事業」として考えれば、当然コストにも考えが及ぶと思うのですが、こと「投資」と考えてしまうと、目先の数値……特に利回りだけに目がいってしまいがちです。すべてのコストを差し引いた純粋なキャッシュが、思っていたほど残らないという話はよく聞きます。

では、どうしたらそうした失敗を避けられるのでしょうか。その解決策は、「購入時のシミュレーションをしっかり行うこと」です。粗くてもかまわないので、かかる経費を打ち込み、試算してみましょう。1部屋当たりの経費率で比べてみれば、地方ではたとえ利回り15%でも、思ったほどお金が残らないことがわかります。片や、都会で表面利回りが7%でも、手残りは地方と大して変わらないのです。

手残りのネット利回りが変わらなかったとすれば、どちらを選ぶのがよいでしょうか。相対的に考えて、リスクを負っているのはどちらでしょうか。積算評価にしても収益還元評価にしても、金融機関が評価したからといって、それだけの資産性や収益性が保証されているわけではありません。1億円、2億円と借金をするリスクに対して、見合ったリターンがあるのか冷静に考える必要があります。

融資を受けたら「無事に返済できるのだろうか?」「返すまでどうすればいいのだろう?」などさまざまなことを考えるはずです。フルローン、オーバーローンがもてはやされて、リスクに対する感覚がかなり麻痺している投資家も多いように感じますが、机上の空論ではなく、より実際の状況に沿ったシミュレーションをしてみることが大切です。

「みなとみらい」はイメージほど便利ではない

◆東京の10分と横浜の10分は違う

投資家が物件を探す際、エリアをどう絞っていくかというと、最初は都内で探し、その範囲でいい物件が見つからないと千葉・埼玉・神奈川に広げ、さらに北関東や静岡、山梨と徐々に広げていく人が多いようです。

賃貸ニーズで見ていけば、千葉も、広島や岡山といった地方都市も、あまり変わらないのかもしれません。ただし融資の観点からいえば、首都圏の投資家が購入する物件は、首都圏にあるほうが購入しやすいのは事実です。ですが、ここで気をつけたいのは「千葉や埼玉、神奈川などは東京に隣接しているから、東京とさほど変わらないだろう」と考えることです。

東京から電車で10分、横浜から電車で10分のエリアを比べてみるとわかりますが、東京の10分と違い、横浜の10分はかなりの郊外を含みます。大半の人たちは横浜市というだけで、「みなとみらい」の情景を思い浮かべてしまいますが、それは大間違いです。そもそも、みなとみらい自体が埋立地でビルしか立っておらず、アパートはありません。

地名のイメージほど高い家賃が取れませんし、横浜には高低差のある地形が多く、中には階段でしか辿り着けないような物件、崖っぷちに立っているような物件もあります。

それに神奈川県全域まで広げていくと、海だけでなくかなりの山奥までを含みます。山側のエリアに至っては、首都圏とはいいながら家賃の価格帯は地方並みです。これは千葉や埼玉も同様で、埼玉県は人気沿線では地価が高いですが、群馬県側になれば完全に車社会となり、ぎりぎり東京通勤圏ながらも地元で働く人も多くなりますし、千葉県もかなり広域で、汲み取り式のトイレがあるような地域も残っています。

ここでお伝えしたいことは、千葉・埼玉・神奈川を含む首都圏であっても、地方と変らない家賃水準の地域も多くあるということです。また、都会では駅を基準とした利便性を問われますが、地方になれば車を基準とした利便性が問われます。賃貸物件では「駅から〇分」が重要視されますが、それはあくまで電車通勤・通学をする入居者がターゲットであるからです。

つまり、都心では安心な物件とされる「駅近」も、一概には安心とは言えませんし、そのエリアごとの特性もきちんと把握することが必要なのです。

◆地縁にはこだわらない

投資物件の一番シンプルな買い方は、自分の地元の物件を、地元の金融機関で融資を受けて購入する、もしくは新築することです。融資にも有利ですし、土地勘や人脈もあるでしょう。賃貸ニーズについても変化に気づきやすいのは大きなメリットです。

しかし、そこで勘違いしてしまう人も中にはいます。自分が今住んでいるところではなく、自分の出身の街、学生時代を過ごした街など地縁にこだわる人です。そのような場合、数十年も前のその街のイメージと現実との落差に気づかず、需要もない学生向けのアパートを追い求めてしまうようなケースもあります。

根拠もなく自分の出身地ということで安心してしまう人もいますが、地元愛と事業とは別問題です。道路が区画整理されて、お店も激変して昔の面影はありません。賃貸物件は増えて、かつてはなかった大型ショッピングセンターもあります。こうなってくるとまったく違った街に変わっています。

昔の感覚しか持っていないのであれば、買わないほうがいいのです。しっかりと市場調査したならばいいのですが、知っているつもり、わかっているつもりになっていると判断を誤ります。

平山 智浩,渡辺 章好

 

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2019年

10月

25日

家を買うなら新築か、中古リノベか?プロが分析する得な選択

アラサーともなれば、一度や二度はマイホームの購入が頭をよぎったことがあるのではないだろうか。しかし実際に検討段階に入ると様々な不安点が障壁となるはず。ローンはいくらで組むか、新築か中古か、そもそも場所をどうするか。

 恐らく人生で一番高い買い物になるだけに慎重になることに越したことはないが、何を指針にして動けば良いかわからない……。そんな悩めるbizSPA!世代(25~30歳、年収400万~500万円を想定)に向けてお送りしたいのが当記事である。

 資産性のある中古物件やリノベーションの設計施工に特化した独自の不動産ノウハウが持ち味の「ゼロリノベ」で取締役を務めている一級建築士の西村一宏氏に、単身男性に向けた不動産購入の実践的なアドバイスを聞いた。第1回目は「不動産探しの前に知っておくべき知識」だったが、第2回目(全5回)は不動産購入時に必要な「お金」に関する知識を紹介する。

悪徳仲介業者を見分ける方法

 大金がからむ不動産の購入において「お金の失敗」は絶対に避けたい。その大前提として、ハズレ物件や詐欺業者に引っかからないことが大事。

「残念ながら、信頼性に疑問符が付いてしまう不動産仲介業者も少数ながら存在します。まず言えるのは、物件調査をおろそかにしている業者は避けたほうがよいでしょう。聞いていた説明と現物に相違点が多々あったり、具体的な根拠は提示せずに抽象的なセールストークしかしない場合は良くありません。

 また、お客様に資する視点ではなくて、どちらかというと会社側の視点で対応しようとする業者も注意が必要です。そういった仲介業者は、社の方針が『売り上げ至上主義』に染まっていたりするので、ゴリ押し営業も平気で仕掛けてきます。

 しかも売ったら売りっぱなしだからアフターサービスも期待できません。ユーザーのみなさんは仲介業者=建築のプロではない、ということを知っておくべきです」

 物件の安全性について知りたければ仲介業者ではなく、建築のプロである設計士や建築士に聞いたほうがよさそう。万が一、このような悪徳仲介業者に引っかかってしまうと、せっかくのマイホームが後悔の対象になりかねない。

 

ローンを組む際に利用できる制度は

 さて、住宅購入の際は「住宅ローン控除」や「すまい給付金」といったお得な制度をフル活用したいものだが、それぞれ概要はどうなっているのだろう。

「“住宅ローン控除”は、ローンを組んで住宅を取得(新築・購入・増改築など)したとき、各年末ローン残高の一定割合に相当する金額が13年間にわたり所得税から控除される、という減税制度です。控除される金額の詳細については、金融機関系のサイトに無料で利用できるシュミレーション用の返済額試算表があるので、そちらが参考になるかと思います。

 一方、“すまい給付金”は、住宅ローンを組んだ人がその年収に応じて現金をもらえるというありがたい制度。ただし利用には諸条件があって、年収の条件は510万円以下の人が対象になっています。また、基礎給付額も年収によって異なり、10月1日からの消費増税に伴って、すまい給付金も増額されました」

 ちなみにbizSPA!世代が想定する年収400万~500万円だと、すまい給付金は以下のような給付額に収まるという。

・年収450万円以下の場合=50万円
・年収450万円~525万円以下の場合=40万円

※上記の例は扶養者が1人の場合

 どちらもマイホーム購入時に利用すればお得な制度だと言えそうだ。

新築より中古のほうが売れている

 続いて、購入するなら新築と中古物件のリノベーション、どちらがオススメなのだろう。

「これは個々のお客様によってケースバイケース。ただ、近年は新築よりも中古物件の需要が増加し、販売数は中古が新築を逆転している状況です。

 我々としては、経済性とデザイン性、そして自由度を重視するなら、中古物件をリノベするやり方をオススメします。やはり新築と中古では金額的な差額も大きいですから。

 もちろん新築は素晴らしいですが、安心できる中古を買って、余ったお金は自分たちの好みに合わせたリノベを楽しんでみたり、趣味や旅行にお金を使うのも全然ありです。無理に背伸びして新築を購入するよりも、余裕のあるほうがトータル的には豊かなライフスタイルを楽しめる気がします」

 

譲れない条件と予算の折り合いをつけよう

 新築にこだわりがないのであれば、中古物件のメリットは多そうだ。そして階数や方角の違いで価格も上下する、ということも忘れてはいけない。

「マンションの場合は、階数が高いほど価格は上昇する傾向にあります。方角は太陽光の入りやすい南向きが、北向きよりも高額。ご自身の予算としっかり向き合いながら検討してください」

不動産探しで損しないお金の知識

 これらを踏まえたうえで、不動産購入時の「お金」について抑えておきたいポイントは次の4つにまとめられる。

・仲介業者の選定は重要。物件調査がいい加減だったり、ゴリ押し営業する悪徳業者は避ける。
住宅ローン控除・すまい給付金を利用することで負担軽減につながる。
・新築にこだわりがなければ中古のほうが金銭的メリットは大きい。
・マンションの場合は階数、そして方角も物件の金額に加味されているので要チェック。

 これらを理解した上で自分の身の丈に合った理想のマイホームを探そう。

<取材・文/永田明輝>

bizSPA!フレッシュ 編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191024-00219787-bizspa-life&p=1

2019年

10月

18日

慌てて修理をすると仮設住宅に入居できない? 弁護士が伝えたい10のこと

10月12日に本州を直撃した台風19号は、長野県や福島県、宮城県など東日本の各地で大きな被害をもたらした。台風で被災したとき、どのような支援を受けることが可能なのか。またそうした支援を受けるために、いますべきこととは何か。今田さんに話を聞いた。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

被災から2日が経った10月14日に「水害直後 弁護士からの10か条」というアドバイスを発信した弁護士がいる。広島弁護士会災害対策委員長も務める今田健太郎さんだ。

2014年8月に発生した広島市豪雨災害、2018年7月に発生した西日本豪雨災害、2つの豪雨災害を支援してきた経験をもとに発信。「『制度を知らないことで悔し涙を流すこととなった』多くの被災者の方々を代弁する、切なる願いです」と今田さんは語る。

 

「水害後 弁護士からの10か条」、その内容とは。

1 土砂撤去で無理をしないで。

自宅も気になりますが、土砂は細菌も含んでおり、想像以上に健康状態を悪化させ、災害関連死のリスクを高めます。

自力では限界があるので、まずは体力の回復に努めてください。行政やボランティアからの案内を待ちましょう。

2 通帳や権利証を紛失しても大丈夫。

銀行の預金通帳や、定期預金証書、不動産の権利証などを紛失しても、財産はなくなりませんので、安心して下さい。

3 落ち着いたら、自宅の写真撮影を。

自宅の写真を、複数の角度から撮影し、被害に見合った罹災証明書の発行を受けられるようにしましょう。

判定の結果は、公的支援の内容に影響します。不服があれば再調査の申入れが可能です。

4 修理は決して急がず。

自宅の修理は、乾燥してから行う必要があります。また、災害救助法の応急修理の制度(例 /半壊以上で59万5000円までの費用補助)を使うと、原則、仮設住宅へ入居できません。慌てないで、全体の修理内容や費用面をしっかり検討してからにしましょう。一部だけの修理で、壊れたままの家に住むことを余儀なくされる可能性があります。

5 お金を払う前に、行政の窓口で相談を。

土砂の撤去や、自宅の修理につき、公的支援の制度があります。事前に役所へ相談しないで業者などに支払った場合、後から請求できないことがあるので、要注意です。必ず行政窓口で相談してください。

6 保険の内容を確認しよう。

近時の住宅保険には、火災保険に水災の補償が付いているものが多いです。また、家財保険による補填も考えられます。自分名義でなく、親族が契約している場合もあるので、よく確認してみましょう。

証券を紛失しても請求できます。自動車保険も同様です。

 

7 敷地内の物の処分や撤去について。

自宅に流れ着いた第三者の物や、廃棄物の処分について悩んだ場合、まずは、行政窓口や、各地の弁護士会が近々開設する被災者電話相談などを利用して、処分してよいかどうか、費用はどうするか等、相談してみてください。

また、隣家の家財やブロックなど、所有者が分かっていて撤去を求めたい場合も、すぐには解決できないこともありますので、ケンカせず、弁護士会などを頼ってください。

8 収入の目処が立たない方々へ。

水害で職場が水没した。道路が寸断されて、勤務先へ行けない。明日からの収入の目処が立たない方々に対しては、雇用保険の失業給付等、色々な制度があります。

また、雇い主側を補助する制度もありますので、少し落ち着いたら、各自治体や弁護士会の電話相談などにお問い合わせ下さい。

9 税金の減免や、教育の補助など。

大規模災害時には、各種税金等の減免や、水道光熱費の特例、教育費用の補助など、実に様々な支援が用意されています。

行政も、まだ機能していない地域もあるかもしれませんが、慌てることなく、相談体制が整うのを待ちましょう。

10 必ずや生活再建は出来ます!

今後、公的制度による給付金(生活再建支援金等)や、義援金、保険金、各種の融資制度、二重ローン減免制度など、色々な仕組みを活用することで、生活再建を図ることは可能です!高齢者の方々に向けての、修理や再築のための特例融資制度もあります。

難しいことはよく分からない』分からなくて当然です。ぜひ、弁護士などの専門家を頼ってください。

 

一歩間違えると仮設住宅への入居ができなくなることも…

今田さんはBuzzFeed Newsの取材に「行政から被災者の方達のもとにたくさんの書類が届く前に、最低限の情報を届けることが必要だと考えた」と明かす。

時間が経過するほど、被災者の方のもとに届く情報量は増えていく。そうした中、避難所などで「この制度はいま使っておかなければ使えなくなる」といった噂が一人歩きしてしまい、冷静な判断ができなくなってしまうこともあるという。

例えば、災害救助法の応急修理の制度を使うと最大で59万5千円まで家屋の修繕のための補助金が支給される。家屋の修繕が必要な場合、一見この制度を使うことは合理的なように思われるが、この制度を使うと仮設住宅への入居ができなくなってしまうため注意が必要だ。

また補助を受けるためには自治体が指定する業者へ修繕を依頼する必要があり、工事できる箇所も指定されている。

こうしたことを知らずに、家屋の修繕を急ぎ補助が受けられないケースや補助を受けた後で仮設住宅へ入居できないことを知り、半壊した自宅で過ごさざるを得ないケースがこれまで実際に発生している。

「一旦、仮設住宅に入って落ち着いてから、建て替えや修繕にはどれくらい費用がかかり、指定の業者に頼むとどれほどの時間がかかるのかなどを確認する。そうやって生活再建に向けて動き始めても、全然遅くないんですよ」

 

「周りが〇〇しているから」で、使う制度を選ぶと危険。

「周りと比べて焦る必要は全くありません」。そんな一文を10か条の末尾に書き加えた。

「周りが公費解体をしていると解体しなきゃいけないのかなとか、周りが修理をしているからしなきゃいけないのかなとか、みんな使っている制度を使わずもったいないとか。本来、それぞれの被災状況は全く異なるはずですが、ついつい周りと比較して、情報をうまく使えている人ほど前に進んでいるように見えてしまうといったことが被災地では起こります」

ある仮設住宅を回った際には、焦りを感じるあまり体調を崩してしまった人とも出会ったと今田さんは振り返る。

「個別の事情は家庭ごとに異なるので、無料相談が各都道府県で開設されるのを待っていただいて、弁護士に頼ることをおすすめします。世帯の構成や年収、り災証明などを考慮して自分にあった制度や支援内容を提案してもらうのを待ってから、生活再建に向けて動き出しても問題ありません」

 

今後、弁護士の無料相談会にはどのような相談が持ち込まれることが予想されるのだろうか。

今田さんは「隣家のブロックが崩れたが、撤去してくれない」「壊れた車が放置されたままだ」「隣家の土砂がうちの田んぼに流れ込んだ」といった近隣の住人とのトラブルに関する相談が統計上は最も多いと説明する。

次いで多いのは「傷んでそのままでは住めないが、賃料は払い続ける必要があるのか」「大家が修繕すると契約上は明記されているが、災害時の修繕も大家が負担しなくてはいけないのか」といった物件の賃貸借に関する相談だ。

今回の台風19号の被災についても、同様の相談が多く寄せられることが予想されている。

わからないことがあれば、無料相談会など弁護士に相談を。相談費用は無料となっている。

千葉雄登

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191017-00010001-bfj-soci&p=1

2019年

10月

11日

先祖代々の…に注意!? 実家の「名義」をいますぐ確認すべきワケ

争いが絶えないことから「争族」と揶揄される「相続トラブル」。当事者にならないために、実際のトラブル事例から対策を学ぶことが肝心です。今回は、相続名義に関わる相続トラブルについて、円満相続税理士法人の橘慶太税理士に解説いただきました。

 

大きなお屋敷の「名義」は父ではなかった

相続の手続きはたくさんあります。親族に相続が起きてしまった場合に、まず多くの方が思うのは、「何からやっていいのかわからない!」ということでしょう。

相続の手続きには、期限が存在するものがあります。しかしそれは3つだけです。相続が発生して3ヵ月後には「相続放棄の期限」、4ヵ月後には「所得税の準確定申告の期限」10ヵ月後には「相続税の申告の期限」があります。 

これらさえクリアすれば、ひとまず安心ですが、相続に関わる手続きには、期限がないものもあります。それを忘れるととんでもない事態が起きてしまうことがあるのです。今回は、そんなある家族の話です。

先祖代々の実家に住むAさん家族。Aさんは5人兄弟の長男で、親と同居していました。ほかの弟、妹は、進学や結婚を機に実家を離れ、それぞれ家庭をもっています。

Aさんには実家にちょっとした悩みがありました。父と同居しているとはいえ、家が広すぎるのです。先祖は地元の名士だったこともあり、実家は町の一等地。敷地も広く、そこに大きなお屋敷が建っていたのです。

子供のころは、兄弟全員に自分の部屋が与えられてよかったのですが、その兄弟が出ていったいま、使われずに、物置になっている部屋がいくつかあります。

「毎年の税金も結構かかるだろうに……」

実家はAさん名義ではなかったので、固定資産税などはすべて父が払っていました。そこはすごく助かっていましたが、維持・管理にひと苦労。すべての部屋を掃除するのは大変で、Aさんの奥さんは毎日「たいへん、たいへん」と言いながら、家事をこなしていました。

また名士だったのは先祖であって、Aさんは普通のサラリーマン。毎日、大きなお屋敷から通勤する姿は、ちょっと不釣り合い。自分でも「少し滑稽だなぁ」と思っていました。

そんなある日のこと、父が亡くなりました。遺言はありませんでしたが、父は常日頃「兄弟に不公平がないよう、わけなさい」と言っていたので、貯金などはきれいに五等分することにしました。問題は実家です。

「残るは、この家だな」と長男。

「兄貴が住んでいるんだから、兄貴が相続すれば」と次男。しかし長女は「こんな広い家に住み続けるの? 固定資産税だって大変でしょ。いま不動産の価格って高くなっているから、売り時よ。売却して、みんなで分けましょうよ」と、弟妹の間で意見が分かれました。

「兄貴はどうなんだい?」と次男。

「俺は売っていいと思っている。『先祖代々の家を売るなんて!』って親父は怒るだろうけど、そのうち税金を払えなくて、売ることになると思うし」

「兄貴がいいなら、そうすればいいよ」

弟妹も全員納得し、実家を売ることになりました。しかし問題はここからでした。長男の号令で、再び兄弟全員が実家に集まりました。

「どうしたんだい、兄貴」

「実は、この家なんだが、大変なことがわかって。名義が曾祖父さんのままだったんだ」と長男は切り出しました。

「えっ、そんな昔のまま?」と兄弟全員が目を丸くして言いました。

そうなのです。Aさん兄弟の父も、さらに祖父も、自宅の名義変更はしていなかったのです。

「この家が曾祖父さんのものだというと、この家に関しては、随分と相続人が増えてしまうのかなと……」と長男がいうと、呆れたように長女がいいました。

「何で父さんと一緒に住んでいながら、そんなことわからなかったのよ。兄さんは昔から、そう。どこか抜けているし、とんちんかんだし、要領は悪いし」

長女から、長男への小言はとまりません。さらに次女が言いました

「もしまだ見ぬ相続人のなかの一人が『ハンコは押しません』って言ったらどうなるの?」

「その場合は、にっちもさっちも、いかなくなる……」と長男。

「なんか面倒くさそうな展開だな。俺はいいよ、この家に関しては手をひく。貯金とかだけ、きちんと分けて」と三男は席を立って、出ていきました。

「私は嫌よ。ちゃんと兄さんが全部手続きをして、この家売って、そのお金を私たちにちゃんと分けてちょうだい」

長女と次女はそういうと、出ていきました。残されたのは、長男と次男。

「……まあ、面倒くさいけど、相続人を全員探し出して、一人一人に許可をもらっていくしか、この家を売る方法はないよな。頼むよ、兄貴」

そう言うと、次男も席を立って出ていってしまいました。

「こんなときばかり、兄貴、兄貴って……」

 

相続税の対策は「順番」を間違えてはいけない

基本的に不動産を売却しようとするときは、不動産の名義が所有者と一致していないといけません。事例の場合、まずは曾祖父の相続手続から始めなければいけないのです。面識のない人たちに事情を説明していき、なかには、同意がなかなか得られないケースも出てくるかもしれません。専門家であっても、なかなか骨の折れる仕事です。

相続税の申告には期限がありますが、相続登記には期間が決まっていません。放置しておくと残された家族が困ることになるので、相続する予定の不動産がある方は、一度、名義が誰なのか、確認しておくことをおすすめします。

そもそも、きちんと相続対策をしていれば「あれ、家の名義がおかしいぞ」などと、気づくチャンスはいくらでもあるはずです。

またよく言われる相続税の対策ですが、よく順番を間違えている方が見られます。行うべき相続税対策の順番は「1.現状分析」「2.遺産分割対策」「3.評価引下対策」「4.生前贈与対策」です。

相続税の「現状分析」とは、病院で受ける健康診断のようなものです。万が一のことが起きてしまった場合、

・どのくらいの相続税が発生するのか

・納税できるだけの資金があるのか

・家族が円満に相続することができるのか

・税務調査で問題になりそうなことがないか

このような問題点の精査を行っていきます。

相続税対策のなかで、最も大切なのが「遺産分割対策」です。これは「もし相続が起きてしまった場合に、どのように遺産を分けていくのか」をあらかじめ決めておく対策です。相続税は、財産の分け方によって何倍にも変わる税金です。気持ちだけで財産の分け方を決めてしまうと、相続税の負担が非常に大きくなってしまうことがあるので、注意しましょう。

また遺産の分け方をあらかじめ決めておくことの大切なポイントは、相続税の観点からだけではありません。むしろ相続税の観点より大切なことがあります。それは「みんな円満に仲良く相続してくれるか」という観点です。

いわゆる「争族」になってしまった場合には、相続税対策なんてできません。最も相続税の負担を少なくできる遺産分けができるのは、揉めていない相続が大前提なのです。

遺産分割対策が無事に形になったら、次に「評価引下対策」を考えていきます。評価引下対策とは、不動産や生命保険を活用した相続税対策です。大雑把に言うと「預金で相続させるよりも、不動産や生命保険で相続させたほうが、相続税は安く済む」という理屈です。

そして最後に行うべきなのが、「生前贈与」。預金や国債などの換金しやすい資産は、平等に財産を分ける際の調整弁として使える重要な財産です。後先考えずに生前贈与を行うと、いざ相続が起きた時にバランスの調整ができなくなってしまいます。

現状分析と遺産分割対策が基礎工事だとすると、評価引き下げ対策と生前贈与対策は、建物の建築工事のようなものです。基礎工事しないまま、建物をたてると、ちょっとした地震で倒壊します。そんなイメージです。

【動画/筆者が「不動産を売却した時の税金」をわかりやすく解説】

橘慶太

円満相続税理士法人

橘 慶太

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191010-00023484-gonline-bus_all&p=1

2019年

10月

04日

新築ではなく、「中古のタワーマンション」に人気が集まるワケ

本記事では、不動産投資アドバイザーでCFPファイナンシャルプランナーの大林弘道氏の著書、『儲ける不動産ビジネス 7つの新規事業アイディア』より一部を抜粋し、投資をはじめとした不動産ビジネスをめぐる課題を解決するための具体的なアイデアを提案していきます。今回は、不動産市況を分析した上で検討にすべき「逆張り投資」について見ていきます。タワーマンションの固定資産税は見直されたが…

タワーマンションは所在階が高いほど取引価格も高くなります。階数差によって住戸の価格が変わるのに、公的評価が一律であるのは不公平だと、かねてより取り上げられてきました。

その結果、平成29年の税制改正で、まずは固定資産税について見直されることになりました。所在階が40階違うと固定資産税が10%ほど違うことになるようですが、そもそも固定資産税額に対する不満ってそんなに大きかったのでしょうか?

10%の差だとすれば、たとえば年税額19万円と21万円の2万円の差。タワーマンションの購入者層はそもそも裕福な方が多いはずです。これは所有者の不満ではなく、タワーマンションをテコに大きく相続税を回避される税務当局の不満なのでは? といぶかってしまいます。

その相続税評価の是正についてはまだなされていませんが、固定資産税の是正でまずはどんなハレーションが起きるかを見てみたいのでしょう。ただこの固定資産税の見直しレベルではあまり効果はないように思えます。

タワーマンションによる相続税評価の圧縮策は公的評価と取引価格のかい離にこそポイントがあり、それは土地持分が細分化されることによって、成り立っています。だとしたら建物評価額自体を階層差で10%増減したとしても本質的には変わりません。

相続税評価の見直しの際には、もう少し踏み込んだ改正がなされるのではないかと考えています。たとえば贈与の場合には、相続発生前3年以内になされた生前贈与については、その贈与はなかったものとみなし相続財産に戻されるという規定があります。

相続税回避のための資産移転を防ぐためですが、相続税評価圧縮のための物件購入においても、この「3年以内は適用外」という規定を援用してくるのではないか…と個人的に思っています。

 

「中古タワーマンション」が再注目される可能性も⁉

ところで、この改正で税務当局のスタンスについてわかったことがあります。

前出の固定資産税の見直しは平成30年以降引渡しの「新築」タワーマンションに限るとされたことです。従前の税制を期待して中古のタワーマンションを購入した人に遡及して適用するのは不合理だということのようです。固定資産税と相続税でこのスタンスを変えるとは思えませんので、将来相続税評価圧縮ルールが改正されても、中古物件には適用されない、もしくは改正前に取得した人には適用されないということが十分考えられます。

そうなると中古のタワーマンションが再注目されるのは自然で、逆に需要が盛り上がるかもしれません。ベイエリアなど、一部のタワーマンションは物件がダブつき気味のマーケットとなっていますが、再燃もあるかもしれないのです。

一方、投資用の新築ワンルームマンションには狭小地でも建築可能で、分譲単価も高めに設定ができるという供給側のメリットがあります。需要サイドもマイナス金利後の投資運用先として、個人の不動産投資熱が高まっています。その投資用ワンルームでさえ、地価・労務費・材料費のトリプル高を吸収しきれなくなってきています。

実際、投資用ワンルームマンションの分譲実績をみても、東京23区から徐々に郊外(川崎市など)に供給エリアを移しています。

川崎市ではワンルームマンションの面積要件が東京ほど厳しくないことも理由としてあげられますが、都心エリアではインバウンド需要増に伴ったホテル不足に関心が向き、ワンルームマンション用地がホテル用地に転用される例が増えていることも無視できません。

仕事が少なくなったデベロッパーや沿線開発に取り組む私鉄会社も、ホテル開発(コンバージョン含む)に取り組むようになってきました。

また、建築途中のワンルームマンションが、ファンドや私募リートへの組み入れ用に一括取得される取引も増えたように思います。こうなると都心の新築ワンルームマンションに対する買ニーズの受け皿がなくなってしまいますので、築浅のワンルームマンション(特に室内設備が充実し、共用部分のファザードのよい物件)は、需給が締まっていき、堅調に推移していくことが予想されます。

従来、ストック過多の感が否めなかったワンルームマンションですが、都心の築浅物件、または、築古であっても都心3区(千代田区、中央区、港区)の物件は「買い」と言えるでしょう。株式投資も不動産運用も逆張りにこそ商機があるかもしれませんね。

大林 弘道

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191004-00023448-gonline-bus_all&p=1

2019年

9月

27日

建物は4年で償却可能!「京都町家」を活用した相続税対策とは

本記事では、伝統的な京町家を宿泊施設して保存・再生する事業を数多く手がけてきた児玉舟氏の著書、『最強の京都「町家」投資』から一部を抜粋し、投資先としての京都「町家」の魅力と具体的な運営方法について解説します。今回は、「京都町家」を活用した相続税対策等について見ていきます。

京都は「路線価の乖離」が国内でも最も大きい⁉

京都町家投資には個人保有、法人保有のいずれにおいても、前回紹介したようにポートフォリオの一つとして大きな価値があります(関連記事「 インカムゲイン狙いに最適⁉ 京都「町家」投資の強みとは 」参照)。ただし税制面でのメリットには違いがあるので、投資目的に合わせて選ぶことができます。

まず、個人・法人いずれの場合にも減価償却があるため、収益のうち課税対象となる分はそれほど多くありません。また、個人の場合には相続税対策になるというメリットもあります。

一方、法人での保有を選択すると、個人とは異なる税率がメリットになるケースが考えられます。不動産所得は給与所得等と損益通算されます。個人の最高税率(所得税率+住民税率)は55%と高いため、医師など本業の収入が多い個人が保有すると、高い税率が適用されることがあります。法人の最高税率(法人税率+住民税率+事業税率)は36%なので、収入が多い場合には法人保有とすることで、課税額を引き下げることができます。

相続税対策の基本は、ほぼ額面どおりに評価される金融資産を、より相続税評価額の低い資産に切り替えることにあります。不動産は特に実勢価格と相続税評価額の差が大きいので節税手段としてよく用いられますが、なかでも京町家は相続への備えとして有効な資産です。

まず、京都は実勢価格と相続税の評価に用いられる路線価の乖離が国内でも最も大きいことで知られます。路線価は実勢価格の5分の1から10分の1程度と小さいため、その分相続税評価額を抑えられます。

加えて、建物は4年で償却可能です。つまり、町家を購入して4年待てば、土地と建物を合わせて、相続税評価額をかなり圧縮できるのです。

近年はアベノミクスの影響を受け、株価が上昇しています。株を保有する資産家の財産が増大するなか、京町家への投資は非常に効果が大きい相続税対策です。

また、資産家のなかには、単に財産を残すのではなく、思いや思想を後世に伝えたいと希望する人が少なくありません。京まち宿の運営は公共の財産ともいえる古都の景観や歴史、文化を後世に残すことにつながる社会的意義の大きなビジネスです。相続する遺族は社会的なステータスをも承継できるため、地域への貢献といった被相続人の生き方を受け継ぐことになるともいえるでしょう。

いずれにおいても大きな効果を発揮する京都町家投資は、資産家にとって最も有意義な相続対策なのです。

 

京都市内の地価は2012年以降、右肩上がりで上昇中

町家にはもちろん、資産としての大きな価値があります。不動産の価値を計るうえで最も分かりやすいのは地価でしょう。京都市内の地価はもともと安定性が高いうえ、近年はインバウンド需要により上昇傾向が続いています。

市内の公示地価平均は2012年以降右肩上がりで上昇しており、2012年には26万4268円だったのが、2018年には33万4592円と5年間で26.6%もの大きな伸びを示しています(「土地価格相場が分かる土地代データ」より)。

京都市内中心部の地価は東京や大阪などの大都市圏に比べ、安定的に推移するという特徴があります。大都市圏では規模の大きなビジネスを展開できるため、キャピタルゲインを狙う大量の投機マネーが時流に応じて流出入するのに伴って、地価が大幅に上下します。

ところが前回説明したとおり、京都には景観条例に基づく厳しい規制があるので、収益性の高い商業ビルなどを簡単に建てることができません。また、そういった営利だけを目的とする土地取引をどちらかと言えば好まない人も多いので、京都はマネーゲームの対象になりにくい都市なのです。

その証拠に、前述した2012~2018年における大阪市の公示地価平均は京都市より20ポイント以上高い49.4%もの上昇を示しています。

一方、大都市は下落する際にもその幅が大きく、リーマンショックの影響が表れた2008~2012年の動向を比べると、大阪市では30.9%もの下落が見られたのに対し、京都市の下落率は10.5%にとどまりました(「土地価格相場が分かる土地代データ」より)。インバウンド需要が盛り上がるなか、今後も京都の地価は堅調に推移すると予想できます。

海外の投資家から「京都町家」が注目される理由

京都のインバウンド需要をあてこんで、大手ホテルチェーンの進出が相次ぐと、過当競争が発生し、一気に利回りが低下するかもしれません。しかしながら、これまで解説してきたとおり、京都は大きなホテルを新しく建てることが難しい地域です。一部の大手外資ホテルの参入はいくつか見られますが、需要をさらうような急激なホテルの建設ラッシュが起きるとは考えられません。

急増する宿泊施設のなかには民泊も見られますが、新法の施行を機に京都では規制する動きが厳しさを増しており、合法的に収益を上げ続けるのが今後は非常に難しくなっていきます。

民泊の強みは運営・管理コストがかからないことですが、条例等の規制に準じた運営をすれば、コストは増大します。一方、京まち宿は物件数の大幅な拡大を目指しており、スケールメリットを活かして1件当たりのコスト削減を計画しています。将来的に両者の宿泊費の差は、ほとんどの旅行者が意識しないほど近づくはずです。

このように、京都町家投資には限定的なリスクしかなく、存在するリスクもコントロールが可能です。

最近では、国内のみならず、海外からも京都町家投資への注目が集まり、今後についても期待する声が高まっています。不動産投資として比較すると、海外の主要都市の利回りは軒並み低く、ニューヨークやロンドンなどでは2%程度といわれます。同じアジア圏でも、物件価格が高い香港や上海の利回りは同様に低めです。

一方、京都における不動産投資の平均的な利回りは5%程度となっており、世界的に見ても高いことが分かります。また、日本は政治・経済も安定しており、極端なインフレや為替の変動リスクもありません。従って、大きな資本を持つ資産家ほど、リスクヘッジとして京都の不動産を購入したいという強い動機を持っています。

とくに、歴史的な遺物でもある町家については優良な資産と見なす外国人が多く、中国人投資家などからの問い合わせも増えてきました。世界中を投資対象と見なして、リスクと利回りを冷徹に判断する彼らが購入する物件には、国際的な価値があると見なすことができます。京町家はそれだけ高く評価されているのです。

児玉 舟

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190927-00023279-gonline-bus_all&p=1

2019年

9月

20日

不動産物件に掘り出し物はない。価格が安いものには、安い理由がある  株式会社大京 小島代表取締役社長

マンション累計供給戸数約46万戸、マンション管理受託数(は日本一の)約53万戸、マンション仲介、リフォーム、リノベーションと、不動産の総合サービスを展開している大京グループ。

自社ブランドの「ライオンズマンション」は、今年で50周年を迎え、マンション事業に限らず、ホテル事業や、市街地再開発事業など、さらに発展を遂げています。

今回は、株式会社大京 小島代表取締役社長に、今後の不動産市場や、人生100年時代に向けた住まいに関する考え方などについて、話を伺いました。

今後のマンション市場はどうなっていくのでしょうか?

大京の社長としてではなく、個人的な見解として答えさせてください。2010年から、首都圏を中心にマンション価格は約30%アップしてきましたが、最近では、横ばいに転じてきています。首都圏のマンション価格が上昇した理由は2つです。

1つ目は、土地代が上がっていること。インバウンド向けにホテルや収益物件が多く建築されていますが、都心は立地が限られていますので土地価格が上昇しています。

2つ目は、建築費の上昇。建築業界の担い手が高齢化して人材不足になっているのに加え、建設の復興需要、オリンピック需要とニーズが高まっています。

今後については、正直私も予測が大変難しいです。値上がり要因としては、首都圏の利便性の高い物件が限られており、少なくなっていることに加え、インバウンド向けのホテルや収益物件も引き続き需要が見込まれることが挙げられると思います。

逆に、値下がり要因としては、少子高齢化で、全国に約850万戸、東京だけでも約80万戸の空き家があり、供給過多になっていることが挙げられるでしょう。

これらの観点から推測すると、マンション価値に関しては、今後、勝ち組、負け組が、よりはっきりしてきて、両者が混在する市場になっていくのではないでしょうか。

今後のマンション選びのポイントは?

1戸、1戸の物件の間取り、特徴もさることながら、今後はより住居エリアの選定が重要になるのではないでしょうか。

昔、首都圏の不動産価格は「西高東低(イメージの良い西側エリアの価格は高く、東側エリアの価格は比較的リーズナブル)」と言われましたが、今はブランドの地名よりも、視点が利便性に転換してきています。赤羽、北千住、池袋などの人気が高まっているのも、この利便性の高さが関係しているのではないでしょうか。

エリアを選ぶにあたり、過去5年のマンション価格上昇エリア、下降エリアなどのデータも参考の1つですが、データは、過去のトレンドで、未来のものではありません。最終的には、そのエリアに行き、自分でよく見て判断していくことが重要だと思います。

 

人生100年時代に向けた住まいの選び方とは?

マイホームを買うとき、一生住もうと考えて買う人が多いと言われています。

しかし、子どもがいる世帯では、将来、子どもが育ち、家を出て行ったときに、今までと同じ広さはいらないかもしれません。夫婦2人になったら、郊外の80平方メートルから、駅に近い40平方メートルのマンションに引っ越してもいいわけです。

今まで住んでいたマンションを売り、同じレベルの狭いマンションに買い替えた場合、単純に考えれば、買い値よりも、売り値が高くつき、余剰資金を得られる可能性があります。そうすればリタイア後の生活資金に当てることもできるわけです。

30代で、マイホームを買う場合、そのようなことも想像して、寂れていかないようなエリアを選び、資産形成の1つとしてマイホームを買うということも重要なのではないかと思います。

もちろん、買い替えだけではなく、資産性の高い物件であれば、自宅を担保に銀行から融資を受けられるリバースモーゲージや、自宅を売却しながらそのまま住み続けられるリースバックを活用しても、資産を十分にお金に代えることができます。

老後の資金に備えたマンション投資はどう思われますか?

その方の年齢、収入、資産状況など、ケース・バイ・ケースですので一概には言えません。ただし、資産に関しては、「卵は1つのかごに盛るな(※)」つまり、分散投資が基本的な考え方だと思います。自分の全体資産の中で、どれくらいを不動産にあてるかと判断することが大切です。

住宅ローンがかなり残っていて、さらに、不動産の投資物件に追加でローンをかかえるというのはあまりお勧めできません。資産分散のバランスが大切ではないかと思います。

不動産投資の長所を考えてみると、所有の充実感は他の投資よりもあるのではないでしょうか。

逆に短所は、マンションの価値が買った値段よりも、高くなったり、低くなったりする元本の変動リスクがあることと、マンションを現金化したい場合に、買い手がつくまで時間がかかり、流動性が低いということが挙げられると思います。

※分散投資の基本的な考え方を示す言葉。一つのかごに卵を盛るとそのかごを落とした場合、全てが割れてしまう。複数のかごに分けておけば、仮に一つを落としたとしても他の卵は影響を受けない。

 

不動産選びの注意点とは?

不動産を買うときの注意点として、私は、「不動産物件に掘り出し物はない」と考えています。不動産のマーケットは、株式市場に似ていて、プロのプレーヤーがたくさんいます。

大京グループだけでも、何百人の社員が、日夜、安い土地はないか、良い物件はないかと探しています。ですから、価格が安い物件には、安い理由があるということです。

仮に、個人の方が、不動産業者の方に甘い言葉をかけられたとしても、「不動産に掘り出し物はない」と思って対応された方が、よりよい判断ができると思います。

取材を終えて ~プロから見た不動産物件~

小島社長が、率直にインタビューに答えてくださったことがとても印象的でした。話にありました、マイホームを資産として活用するというケースは今後増えていくのではないでしょうか。

大京の社員さんの中にも、独身時代に自分が住みたい家を買い、結婚して別の住宅に住み替えた後、その家を貸し出すという方が結構いらっしゃるそうです。自分で住みたいと思って十分選んで買っているので、年数がたってもきちんと資産価値を保ち、家賃収入を得ることができているそうです。

また、「不動産物件に掘り出し物はない。価格が安いものには、安い理由がある」という言葉には、不動産業界のプロだからこその説得力を感じました。その意識をもって、不動産選びをしていくことが、大切なことなのではないでしょうか。

interviewer : FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルフィールド編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190919-00010000-ffield-bus_all&p=1

2019年

9月

13日

「子育てしやすい」視点で選ぶとしたら一戸建てとマンションどっち?をプロに聞く

子育て世代であれば住宅購入を検討するとき、「子育て視点で考えると一戸建てとマンションどっちがいいの?」と迷ってしまうかもしれません。今回は、不動産コンサルタントの秋津智幸さんに、子育て視点で考えたときの一戸建てとマンションのメリット・デメリットを教えてもらいました。一戸建てにするか、マンションにするかを選ぶ際のポイントも要チェックです。

 

秋津 智幸(不動産コンサルタント)
不動産サポートオフィス 代表コンサルタント
横浜国立大学卒業。公認不動産コンサルティングマスター・宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。自宅購入、不動産投資、賃貸住宅等不動産全般に関する相談・コンサルティングを行う他、企業研修や各種セミナー講師、書籍、コラム等の執筆・監修にも取り組む。著書:「賃貸生活A to Z」(アスペクト)、「〔2019~2020年版〕30年後に絶対後悔しない中古マンションの選び方」(監修)(河出書房新社)他。

 

子育ての視点で見たとき一戸建てのメリットは?

はじめに子育ての視点で一戸建てのメリットと、気になる点をみてみましょう。

 子育て中に気になる家の問題としては、まず「音」の問題があります。
マンションやアパートであれば、子どもが家の中で走ったり飛んだりして遊んでいるときの音や、子どもの泣き声などで近隣に気を遣うママも多いはず。一戸建てなら、マンションやアパートと違って隣の家と離れているので、それほど子どもが出す「音」を気にする必要はありません。
ただ、都心部の一戸建てなど家と家の距離が近い場合や築年の古い一戸建てでは遮音性が低いこともあるので、やはり音の問題が気になることもあります。それでも、一戸建てなら、住宅内の上下階の音は家族だけの空間なので、音に関する気遣いは不要になります。
 
また、都心部では少し難しいですが、郊外の一戸建てなら庭を確保することもでき、目の届く範囲で安心して小さな子どもを遊ばせることもできます。子育てで活躍する自動車も、敷地内に駐車場があれば、家を出てすぐに利用できる点は一戸建てに軍配が上がります。
 
さらに、子育て中にペットも飼育したいという方も少なくないでしょう。ペットの飼育が可能なマンションも増えてきていますが制約も多いです。その点、一戸建てならばマンションに比べてペットに対する制約が少ないので飼いやすいと言えます。
 
一方、一戸建てでは、一階部分に玄関や勝手口、窓など家への入り口となる箇所が増えるので、防犯面の配慮が必要になります。

 

子育ての視点で見たときマンションのメリットは?

続いて子育ての視点でマンションのメリットと気になる点はどうでしょうか? 
 
マンションと一戸建ての大きな違いの一つは共用部分があることです。大規模な分譲マンションになれば、敷地内に公園がある場合もありますし、キッズルームや図書室のような子どもと過ごすことのできる施設が建物内にあれば、雨の日も子どもと快適に過ごせます。一般的な分譲マンションでもごみ置き場が24時間利用できるのは、子育て中にはありがたいもの。
 
また、防犯性が高いのもマンションの特徴です。エントランスにオートロックや防犯カメラがあるマンションなら、不用な訪問者は侵入しにくくなり、防犯面ではより安心感があります。特に高層階の部屋であればベランダなど外からの侵入もしづらいので、防犯面では一戸建てより優れています。
 
さらに、2階建て、3階建ての一戸建てと比べてマンションは平面なので、掃除が楽というのもよく言われています。子育て中の掃除は大変なので、この点もマンションのメリットとなりますね。
 
一方、マンションのデメリットとして最も気になるのは、近隣との音の問題。マンションの構造(壁や床、天井の造り)にもよりますが、上下や左右と接しているので、どうしても音が伝わりやすいのは共同住宅の宿命です。
また、駐輪場や駐車場スペースが限られ、子どもの自転車を置くスペースが確保できない、自分の自動車を利用するにも大変ということもあります。ペットについても一戸建てのようには自由に飼うことができません。一戸建てのメリットの逆になります。

一戸建てとマンション子育てにはどちらが向いている?

これまでお話ししたように、一戸建てとマンションにはそれぞれメリットとデメリットがあります。一戸建てとマンションのどちらが向いているかは【子育て中になにを重視するか】で決まります。
 
たとえば「音を気にせず室内や庭で子どもを遊ばせたい」「子どもの教育も兼ねてペットを自由に飼いたい」「子育て中は自動車をフルに活用したい」などといった点を重視するなら、一戸建てのほうが向いていると言えます。
 
一方、「子どもの安全も考えて防犯面を重視したい」「子育て中は掃除やゴミ出し、鍵の管理など毎日のことを楽にしたい」という希望が強ければ、マンションのほうが向いているということになります。
 
どうしても一戸建てとマンションのメリット両方を求めたいという場合、数は限られますが“一戸建てのメリットを兼ね備えたマンション”という選択肢もあります。
たとえば、マンションの中でも庭付きの1階の部屋なら、音の問題に関しては下の階を気にすることもなく、子どもを庭で遊ばせることができます。

一方、費用は掛かりますが、一戸建てにマンションのメリットを加えることも可能です。
たとえば、防犯カメラを設置したり、警備会社と契約したりすれば、一戸建てでも防犯性は高まります。

一戸建て、マンション両方のメリットをすべて兼ね備える住宅を見つけることは難しいので、「子育て中になにを重視するか」を念頭において、そのメリットから一戸建てとマンションのどちらが向いているかを選ぶといいでしょう。

たまひよ ONLINE編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190911-00010782-tamahiyo-life&p=1

2019年

9月

06日

京都の人は閉鎖的?優良な「町家」物件取得のための交渉術

本記事では、伝統的な京町家を宿泊施設して保存・再生する事業を数多く手がけてきた児玉舟氏の著書、『最強の京都「町家」投資』から一部を抜粋し、投資先としての京都「町家」の魅力と具体的な運営方法について解説します。今回は、京町家を実際に「宿泊施設」として稼働させるための手順等について見ていきます。

物件の情報収集には、地元住民との密な付き合いが重要

実際に京都の町家をリノベーションして宿泊施設として稼働させるには、どのような手順が必要なのでしょうか? ここではビジネスモデルを例に説明します。

手順は、大きく二つに分けることができます。物件を取得して、緻密に企画を練り、宿泊施設としての環境を整えプロデュースする段階と、オープン準備や受付業務、客室管理などの運営段階です。

(1)物件の取得

事業を開始するには、まず宿泊施設に改装できる町家を取得しなければなりません。「不動産業は情報産業」といわれるとおり、立地の良い物件が売りに出されると、あっという間に情報が広まり、さまざまな事業者が我先にと集まります。そうなると適正価格での取得が難しいので、彼らに先んじて優良物件を買い入れるためには行政や地元不動産会社との連携に加え、街中を回り「脚を使う営業」も重要です。

主なターゲットは空き家になっている町家ですが、所有者が分からなかったり、老朽化が進んでいたりするケースも少なくありません。そこで、現在使用されている物件にも訪問して住人に声をかけ、譲っていただけるよう“買取の提案”をするのです。愛着のある住まいにいきなり「売却を」と申し出ると、驚かれることもありますが、取り壊すのではなく、家族の歴史を刻んできた建物を後世に残るよう改装し、活用するつもりだと伝えると、多くの人が共感し、理解を示してくれます。

物件の取得においては情報収集も大切であり、普段から地元の人たちと密にお付き合いをし、良好な関係を築いておく努力が欠かせません。京都の人は閉鎖的だとしばしば言われます。確かに、すぐに胸襟を開いて語り合うという人は少なく、表向きははんなり穏やかでも、信頼するまで本音を語ってくれない人も多くいます。そのような地元の気質はかなり高い参入障壁となるでしょう。けれども、時間をかけて信頼関係を築くことができれば、その関係は長く維持できる方たちです。

物件の情報を得たら、地域の市場等を調査します。エリアを訪れる観光客数はもちろん、彼らの目的や地域・国籍、経済力などを詳細に分析し、それを基にコンセプトを作るのです。取得を検討している土地についても、交通の便や周辺の観光スポットなど、観光客の需要に影響する事柄については特に入念に調査します。

 

宿泊施設として高い稼働率を維持するための施策とは?

(2)企画・建築

宿泊施設として高い稼働率を維持するためは、物件の魅力が非常に重要です。主なターゲットである外国人観光客から支持されるよう、私の会社では建物の細部にいたるまで、意匠に工夫を凝らした設計を提案しています。

町家の多くは、築後100年近い年数を経ており、状態やデザイン、使われている部材なども多様です。あまり手入れがされていないものや、空き家になってから年数が経ったものは劣化が進んでいることもあります。あるいは、もともとの間取りや使われていた部材に共通性があっても、住み手によってさまざまな改装を施され、ほとんど原型をとどめていないものもあります。

私の会社では、一つひとつの町家について、事前に行った市場調査に基づいて、立地やターゲット、周辺環境、競合施設等に合わせたリノベーションプランを構築し、投資家に提供しています。

企画の骨子が固まったら、リノベーション工事に取りかかります。ただし、長く経営を維持するには、事前準備として地域や行政との折衝が欠かせません。近隣から応援してもらえるよう説明会を開催し、事業の内容や民泊との違い、例えば緻密な管理やオペレーションについて説明を重ね、開業への合意を形成していきます。

行政への対応では各種申請手続きが必要です。主なものとして、消防法と旅館業法に基づく申請があります。

また、京都らしさを求める宿泊客の満足度を得るには、インテリアコーディネートも重要です。物件ごとにプランを作成するなかで、部屋のテーマを決め、それに合う家具や備品、装飾品を手配します。

(3)オープン準備

建物が完成したら、いよいよオープンの準備に取りかかります。なかでも大切な準備の一つに、宿泊予約サイトへの登録があります。近年はインターネット経由の予約が大きな割合を占めており、特に海外からの予約は、ほとんどがインターネットからです。そのため、開業前に、ネット上で集客できるシステムを整備しておく必要があります。

物件を知らない外国人に、魅力を伝えるうえで大きなカギとなるのが写真です。町家であることを示す外観に加え、リビングや寝室、バスルーム、洗面所など、旅行者が期待すると思われる写真を数多く撮影します。物件からの景観や立地に魅力がある場合には、宿泊する楽しみをよりイメージしやすいよう、モデルを使った撮影も良いでしょう。

(4)客室管理

民泊と差別化するうえで、行き届いた客室管理は非常に重要です。詳しくは次回以降解説しますが、ホテルとは異なり、一軒一軒が離れた場所にあるので、対応には手間と時間がかかります。最初から集約的に物件を取得して展開するドミナント出店を意識することで、効率的な客室管理を実現できます。

児玉 舟

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190906-00022995-gonline-bus_all&p=1

2019年

8月

30日

外国人観光客に人気だが…京都で「民泊撤退」が激増する背景

本記事では、伝統的な京町家を宿泊施設して保存・再生する事業を数多く手がけてきた児玉舟氏の著書、『最強の京都「町家」投資』から一部を抜粋し、投資先としての京都「町家」の魅力と具体的な運営方法について解説します。今回は、京都の民泊撤退急増の背景等について見ていきます。

一度取り壊された町家が「再建」されることはない⁉

近年は外国人観光客が注目するなど、町家の価値は再評価されつつあります。とはいえ、若い世代では町家居住の承継に二の足を踏んでいる人が多いというのが実際のところです。新しいマンションやハウスメーカーが建てる住宅に比べ、便利で快適とは言えない町家暮らしを敬遠する人は多く、その結果、取り壊される町家が増加しているのです。

町家の取り壊しについてはもう一つ、相続を巡る問題も無視できません。一昔前までは長子相続が一般的だったため、親の持ち家だった町家の相続を巡って、相続人である子どもたちの考えが分かれることはほとんどありませんでした。

ところが最近はそんな事情が変わり、兄弟が同じ相続権を行使するケースが増えています。京都市内は地価が高く、町家には大きな資産価値があります。そのため、子どものうち一人だけが承継してそこで生活するのは不公平だと考える人が少なくありません。町家以外にも一定以上の相続財産があれば、それらを割り振りすることで、公平な相続を実現できますが、そうでなければ分割しやすいよう町家を売却して現金化することになります。

町家の価値を評価する人がたくさんいるのなら、一度失われたとしても、再度建築すればいいのでは……と考える人がいるかもしれませんが、取り壊された町家が再建されることはありません。町家の多くは1950年の建築基準法施行以前に建てられたものであり、現行の同法には準じていないためです。現在の基準では、同じ構造、間取り、部材、建ぺい率の建物を建てることができないため、滅失した町家は消えゆくのみです。

ですから、町家に投資するなら、まだ残存しているものが多い今しかありません。これまでは、購入しても自分が住む以外には使い道がありませんでしたが、宿泊施設に転用できる今なら、購入して活用することも可能です。

町家のストックが大量に放出されている現在は、京まち宿に投資する絶好のタイミングです。インバウンド需要が盛り上がり、宿泊事情がひっ迫するなか、町家の宿泊施設化に官民挙げての支援が集まるなど、投資を巡る環境には追い風も吹いています。

 

しばらくの間「京都の客室不足」が続く理由

近年、法的にはグレーゾーンに位置する存在でありながら、観光需要が急増する京都で宿泊施設の不足を補ってきたのは民泊でした。ところが、京都市内における民泊は今後、激減すると予想されています。

いわゆる民泊新法による規制に加え、新法の施行を機に京都市が施行するさらに厳しい条例を、現在運営しているほとんどの民泊施設はクリアできないと考えらているからです。規制に準じて民泊を経営するためには、新たな設備の導入やオペレーションを行う人材の確保が必要です。

既存の民泊施設の多くは法的な規制を免れ、収益を上げてきました。コストを負担し人手を確保すれば、多くの施設は赤字に転落するでしょう。

かといって、違法状態で経営を継続することはもはや不可能です。Airbnbなどの仲介サイトも違法民泊の登録を認めない方向で動いており、今後、自治体への届け出がない民泊施設は集客が非常に難しくなると考えられます。

儲からないならやめようと決断するオーナーはかなりの数にのぼると見られており、今後も当分は京都の客室不足は続くと考えられています。町家の宿泊施設化は、そんな宿泊施設不足をカバーする最良の手段なのです。

京都市が取り組む「町家の活用・保全」のプランとは

町家を重要な観光資源と考える京都市では、保全への取り組みが一昔前から連綿と続けられてきました。もともと町家の保全・再生を意識した活動が始まったのは1981年度です。当時急増していたマンションにより、地域コミュニティの崩壊が危惧されたことから町家への関心が高まり、1983年度にかけて「新しい都市住宅等の調査研究」が行われました。

その後、2000年には「京町家再生プラン」が策定され、実施すべき施策として「アクションプラン21」が掲げられました。近年も町家の維持に要する所有者の負担を軽減するため、リノベーションに際して建築基準法の適用外とし、建ぺい率を緩和する制度が設けられています。

さらに2017年には、町家の解体に際しては1年以上前に届出をするよう求める条例が可決されました。所有者が解体を決意しても、1年間は工事に取りかかれないため、その間に買手や利用者が見つかる可能性が高まるというものです。同条例では、違反者には過料の罰則が設けられており、町家保全にかける京都市の強い意気込みが感じられます。

京都市ではほかにも、地域に根ざした事業を展開する「まちの不動産屋さん」を「京都市地域の空き家相談員」に指定する制度も設けています。空き家の所有者等から相談を受けた事業者が、無料でアドバイスをする仕組みですが、事業者と所有者をつなぐ仕組みの一つとして、今後の活用が期待されます。私の会社もその一員に選ばれており、所有者等から相談があった場合には、宿泊施設への転用を含め、相談者の事情や希望に合う対応策をアドバイスしています。

町家を住まいとして再生するには多くの問題があるため、それ以外の用途で利用しようという動きが活発化しています。例えば、ロハス(※)を志向する人のなかには、町家をさまざまな活動の場として利用したいと考える人が多く、カフェやレストラン、ショップなどのほか、シェアオフィスやギャラリー、芸術家の活動拠点などとして活用しているケースも見られます。

このように、町家を活用しながら保全する積極的な取り組みは、企業にとっても新たなマーケットに訴求できるなどのメリットが大きく、顧客を含め「三方よし」が成立する理想的な活用方法といえるでしょう。

※ LOHAS : “Lifestyle Of Health and Sustainability”の略。地球環境保全と健康な生活を優先するライフスタイルを指す。

 

「旅館業法の改正」で町家の宿泊施設活用がスムーズに

宿泊施設の拡充に対する取り組みは法律面でも進められています。国内で許可を受けて宿泊業を営む際には、施設の規模や設備について旅館業法の規定をクリアしなければなりません。しかし、2018年1月の旅館業法の改正では、町家を含む古民家を宿泊施設として利用しやすいよう、多くの規定が撤廃・緩和されました。以下、改正点を簡単に挙げておきます。

【施設の規模】

これまでホテルは10室以上、旅館は5室以上という客室数の規定がありました。新たな規定ではそれぞれ1室から営業が可能となっており、1室単位で運営される宿泊施設でも、ホテルや旅館としての登録が可能です。

【部屋の広さ】

従来は営業形態により、ホテルとして営業する施設の洋室は9㎡以上、旅館の和室は7㎡以上とする規定がありました。改正後は一律7㎡以上とされており、ベッドを置く場合のみ、9㎡以上と規定されています。

【フロントの有無】

旅館業法ではこれまで、宿泊の受付業務を行うフロントの設置が必須とされてきました。改正後は、旅券や宿泊者の顔をWebカメラで確認できるなど、一定の条件を満たすICT設備を導入すれば、フロント設置の必要がなくなります。1軒ごとに独立した施設を複数管理する場合、各施設にフロントを設けるのは現実的ではありません。ICTでフロント業務を代替できれば、仕事の効率が飛躍的に高まります。

【集中管理】

フロントの撤廃を認める代わりに設けられたのが、「宿泊客に緊急の用があった場合、10分以内にスタッフが駆けつけられること」という管理規定です。ドミナント戦略を採用して集約的な営業を行えば、エリアごとに一つの管理施設を置くだけで応対が可能となります。

児玉 舟

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190830-00022879-gonline-bus_all&p=1

2019年

8月

23日

老後の資金を増やす!|リスクを考えながら資産を運用するポイント

今のうちに足元を固め、できることを始めよう【アクション編】

リタイアまでに不足額をどのようにして準備するのか、50代のうちに始めておきたいことをチェックします。

 

資産を運用する  預貯金にもリスクがあることを知っておく

貯蓄計画を立てたら、これまでに用意した老後のための資金とこれからつくっていく資金を目減りさせず、トータルで増やしていくことも考えましょう。そのためには、お金の「実質的な価値」について知っておくことが大切です。

たとえば、デフレ(=デフレーション。物価が下がり、お金の価値が上がる)の時期には、現金や預貯金で資産を保有していてもさほど問題はありません。日本では長くデフレが続いたため、今でも資産のほとんどが預貯金だという人も多いでしょう。ところが、もし物価が上昇するインフレ(=インフレーション)が続くと、下図のように実質的にはお金が目減りする状態になってしまいます。毎年3%でモノの値段が上がり続けると、今100万円で買えるものが10年後には134万円となります。預金を1%で増やしたとしても追いつかない事態になるのです。

 

円安が進んだときのリスクもある

また、円建ての資産も、円安が進むと相対的に価値が目減りするリスクがあります。たとえば米ドルに対して円の価値が下がり、1ドル=100円だったものが1ドル=200円出さないと買えないことになると、どうなるでしょうか。日本は輸入に頼っている国ですから、原材料価格や製品価格が上昇し、インフレと同じ事態が起こると考えられます(次図参照)。

このような状況も想定しながら、資産を預けたり投資したりすることが運用の基本です。すべての資金を株式や外貨にする必要はありませんが、状況に合わせて利用する商品や通貨を分散しておくことが、トータルでの資産の目減りを防ぐ一つの方法になります。

 

資金の目的と使用時期に合わせて運用する

運用のもう一つの基本は、目的に合った金融商品を利用することです。近いうちに使う資金を5年物の定期預金に預けてしまうと、使いたいときにすぐ引き出せないかもしれません。生活費や病気、けがなど、いざというときに使う資金は、必要なときに引き出せるようにしておくことが大事です。

また、2年後の海外旅行資金や5年後の車の買替え代金など、数年以内に使うことが決まっている資金はその時期まで減らさないような運用先を選びましょう。そして、予定の決まっていないお金は、インフレや円安のリスクも想定しながら収益性の見込める商品での運用を検討するとよいでしょう。

では、あらためて現在の手持ち資金を確認してみましょう。現在保有している資産の状態がどうなのか、預貯金ばかりに偏っていないか、逆にリスクを取りすぎていないか、以下の表に書き出して確認してみましょう。また同時に、それぞれの使用目的や時期も記入してください。

 

安全性と収益性は表・裏の関係

一方、金融商品にも元本割れしない安全性の高いもの、いつでも引き出しできる流動性の高いもの、成長が見込める収益性の高いものなど、それぞれ特徴があります。上の表で書き出した商品と使用目的・時期などに不整合がないか確認しておきましょう。

なお、金融商品の安全性と収益性とは表裏の関係にあるものです。安全性の高いものは収益性が低い傾向があり、収益性が高いものにはリスクがあります。両方のメリットのみを兼ね備えた商品は基本的に存在しないことは肝に銘じておきましょう。

 

資産運用の「リスク」とは

リスク=損失と思われがちですが、運用の世界におけるリスクとは、値動きの振れ幅のことをいいます。この振れ幅が大きいほどリスクが高くなり、リスクの高い金融商品は、損失の危険性も高くなるのと同じだけ期待できる収益も高くなるのです。

 

長期運用のポイント

老後資金はかなり先に使う予定の資金ですから、一部はリスクをとってインフレや円安に備えながら収益性商品での運用が検討できます。ここではおもに株式・投資信託・外貨投資で老後資金づくりをするときに心がけたいポイントをあげておきます。

集中投資をしない

投資の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。1つのカゴに卵を盛ると、そのカゴを落としたら全部割れてしまいかねないということから、分散投資の重要性を教えたものです。1つの商品や銘柄にまとまった資金を集中投資すると、値下がりしたときの損失額も大きくなり、取り返しのつかないことになりかねません。

買う時期・売る時期も分散する

値動きのある商品を底値でまとめ買い、高値で売り抜けるのはプロでもなかなかできません。投資信託積立の仕組みを使うなどして買う時期を分散すると購入単価を平均化できます。また将来、資金を使うときも一度に売却せず、時期を分散して売却することも検討してみましょう。

 

さまざまな資産に分散しておく

将来はインフレになる可能性もデフレになる可能性もあります。また、円安になるか円高になるか、確かなことは誰にもわかりません。デフレや円高になるなら円の預貯金などを持てばよいのですが、インフレに備えるなら株式や株式投資信託、不動産などが候補になります。円安に備えるなら外貨建ての商品などを保有しておく必要があるでしょう。

トータルで資金を減らさないようにするには、値動きの違うものに分散して投資することが重要です。

 

資産に占める株式の割合を高くしすぎない

値動きの異なる商品を組み合わせる際、株式の割合が多くなると資産全体の増減も激しくなります。守りながらの運用を心がけ、株式の割合を高めすぎないよう注意しましょう。

仕組みが理解できない商品は利用しない

仕組みが複雑な金融商品が増える一方で、「投資は自己責任」といわれる時代です。商品内容や仕組みが理解できないまま投資することは避けましょう。

※2018 年6月1日現在の法令・制度等に基づいて作成しています。

※本記事はNPO法人 日本FP協会発行のハンドブック「今からはじめるリタイアメントプランニング~50代から考えるセカンドライフ~」から転載したものです。ハンドブックに記載の書き込み表は、上記リンクよりダウンロードできます。

協力:NPO法人 日本FP協会

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190823-00010000-seraijp-life&p=1

 

2019年

8月

14日

2000万円以上の得⁉ 旗竿形状地という「お宝土地」の探し方

本記事は、大長伸吉氏、丸茂雄二氏の共著『クズ土地から1億円の家賃をたたき出す、本当の「儲かる家」』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「ワケありの土地を購入し、賃貸併用物件を活用した不動産投資で収益を上げる方法」を見ていきます。今回は、収益物件を目的とした不動産の購入で「旗竿形状地(不整型地)」をおススメする理由等について見ていきます。

都心で駅から「徒歩10分以内」の土地を探すべき理由

例えばあなたが家や部屋を借りるとき、どういった条件でその家を選びますか?

家賃? 間取り? それとも駅からの距離でしょうか?

とくに最寄駅から近い物件は、部屋を探す際の検索条件として上位に入るので圧倒的に有利です。事実、賃貸の入居者は駅から徒歩10分を超えると利便性に不満を感じてしまいます。いくら入居者のニーズに合った良い間取りの物件を建てたとしても、駅から10分以上かかる物件は内見の数も極端に減り、空室率が高くなるのです。

もちろん空室率が高くなれば収益も出なくなります。だからこそ、東京都内でも地方の主要都市でも駅から10分以内の土地を探すべきなのです。

昔から土地を持ってない人が、いくら安いとはいえ、わざわざ駅から徒歩10分以上の場所に土地を買い、アパートを建てるのは自分で自分の首を絞めているのと同じです。また、駅から徒歩10分以内の地域には、収益を見込めるクズ土地がけっこう存在します。そのチャンスを狙っていくために、前回で説明した毎日5分のインターネット検索を継続していくべきです(関連記事『 安く買ってボロ儲け!? 「相場より安い土地」の簡単な見つけ方 』参照)。

ちなみに不動産業界では、徒歩の換算は1分で80メートルと決まっています。徒歩10分ということは、駅から半径800メートルということになります。だいたい、駅から10分以内の土地は商店街などがあって夜でも人通りがあり、帰り道も安心です。

ただ10分を超えるにつれ、だんだんと人気(ひとけ)がなくなっていきます。防犯率を考えても、入居者は徒歩10分以内の物件を選ぶのです。東京都心の約8割の地域では、駅から10分以内で最寄駅に行けるので、徒歩10分以上という物件はやはり検索外となってしまいます。

また地方では、徒歩10分を超える物件には駐車場付きの物件も多くなり、その地域の地主さんが、代々土地を受け継いでいるので、土地取得の費用がかからず、建物代だけでアパートが建てられることから家賃相場が極端に安くなります。

家賃が安い地域で土地を買って勝負しようとしても、その結果は目に見えています。収益性を考えるなら、やはり都心で駅から徒歩10分以内の土地を探すべきなのです。

 

「南側に道路がある土地が良い」とされているが…

毎日、5分のインターネット検索で、あなたが100坪の土地を見つけたら、これはチャンスです。すかさず、不動産業者に「その土地を分割して買いたい」と申し出てください。

その際に「奥まった旗竿形状地(不整型地)をください」と言いましょう。なぜ、チャンスなのかというと、奥まった旗竿形状地(不整型地)は、奥まっているという理由から路線価価格(※1)で公的にも固定資産税評価額が3割下がります。場合によっては、半値でその土地が買えることもあります。だからこそお得なのです。

不動産屋からすると、奥の不整型な土地こそ売りにくいので、その土地を買うということは、不動産屋にとっても渡りに船です。不動産屋と話すときに勘違いしてほしくないのは〝いい土地〟というのは〝不動産屋にとっていい土地〟なのです。不動産屋が指すいい土地というのは、整型地で、南向き、道路にも7メートル以上接道している土地なのですが、価格も固定資産税も高くなります。

逆に買う側からみた〝良い土地〟は駅から近くて、敷地が広く、固定資産税も低いという部分が重要なのです。だからこそ奥まった不整型地で固定資産税を下げるのが狙いのひとつでもあるのです。

敷地が広いことで賃貸にする部屋の面積が増やせます。奥まっている土地は道路から離れていて道路斜線(※2)にもかからないので、地上から高さのある3階建てなどの建物が広く建てられるのです。

実は、日当たりを考えて南側に道路がある土地が良いと思われていますが、本来は北向きに道路があるほうが良いのです。なぜなら、家を建てるときに適用される斜線には道路斜線と北側斜線(※3)の二つがありますが、北側に道路がある場合、斜線が道路斜線だけか北側斜線どちらかひとつの制約で済むからです。

南向きの土地は日当たりこそ良いですが、日が入りすぎるので家の中の家具やクロスなどが日焼けしたり傷んでしまいます。だから欧米では逆に北側に向けて家を建てたり、北向きの物件のほうが家賃が高いのです。もし、そういった奥まった土地を買う場合は、同時に我々のような設計チームとコンサルタントに相談したほうが無難です。なぜなら、一種低層住居などの条件で北側斜線に厳しい地域もあり、高い建物が建てられない場合があるからです。

なぜ、奥まった旗竿形状地が安いのかを具体的に説明すると、接道が2メートルしかない土地は、車は入れますが車のドアが開かないので駐車場として機能しません。よって車を持っている人は買わない土地だからです。

要するに、一般の住宅を建てようとする人たちにニーズのない土地なのです。だからこそアパート用地になるのですが、奥まった土地は日本では評判も悪く、評価が低いので価格が安くなるのです。

例えば、奥まった旗竿形状地が売りに出されていたとして、付近の相場価格でも4000万円ぐらいと計算すると、旗竿形状地というだけでだいたい500万円ぐらいは値引きできます。

また、さきほどのように固定資産税もそういった土地は30%減額されるので、それを長きにわたって享受すれば、20年後、30年後には2000万円以上は得したことになるのです。

それだけ広い敷地を購入できれば延べ床面積も増えるので、家賃収入が増えます。そうすれば収益率も上がるというわけです。

皆さんも常識だと思っていた不動産の知識に騙されないように気をつけてください。

※1●路線価

=路線価は、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用いる。

※2●北側斜線

=敷地の北側隣接地の日照を確保するためのもので、北側隣接地境界線に面した建物の高さが、法令で定めた傾斜勾配の線を越えてはならないとのルールのこと。

※3●道路斜線

=道路の日照や採光、通風に支障をきたさないように、また周辺に圧迫感を与えないように、建築物の高さを規制したルールのこと。前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配で記された線(=道路斜線)の範囲内に建築物を建てなくてはならない。道路斜線は「用途地域」「容積率」「道路の幅」などで「適用距離」と「適用角度」が変わり、建物の高さと位置が決まる。

大長 伸吉,丸茂 雄二

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190814-00022613-gonline-bus_all&p=1

2019年

8月

09日

日本の不動産常識=海外不動産の「非」常識⁉ その特殊性とは

不動産投資には特殊な才能やカンは必要ありません。充分な情報を得て比較検討し、論理的にリスクが低いと考えられる物件に投資することが重要なのです。本連載では、30年間のデベロッパー経験を持つ、株式会社国際不動産エージェント代表取締役・市川隆久氏の著書『海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします』(とりい書房)より一部を抜粋し、投資対象としてのドイツ不動産の魅力を解説します。本記事では、日本特有ともいえる「不動産常識」について見ていきます。

日本の不動産常識は海外物件の投資判断には使えない⁉

海外不動産投資の情報を広める活動をしていると、いろいろな「不思議」に出会います。たとえば、日本でなら常識と思える判断が海外物件ではできない場合。具体的な例を挙げると、東京都心の利回り5%物件と、千葉市の利回り5%物件を同じレベルだと思う人は、少なくとも日本の不動産投資を理解している人の中にはいないでしょう。通常は前者は「買い」、後者は「見送り」と判断するはずです。

ところが、その同じ人がカナダのトロントやオーストラリアのメルボルンの都心地域で5%の利回りが出る物件を「利回りが低い」と簡単にスルーし、イギリスで千葉市よりも田舎の8%保証付き物件に飛びついてしまうのです。

なぜなのでしょうか。海外物件だということで、せっかく培った不動産知識にフィルターがかかってしまうからでしょうか。この例からわかるのは、海外不動産投資のためには、日本の不動産投資の知識がまず基本として備わったうえで、海外不動産のための別個の勉強もする必要があるということです。

それにしても、日本の不動産投資家はあまりにも「利回り」の数字に振り回されすぎます。確かに利回りは儲けの指標として大事ですが、その数字がどこから出てきているかもチェックしなければなりません。利回りに目がくらんで大損をしてしまった人は、国内、海外問わずたくさんいます。

利回りが高いということは、反面「元の価格が異様に安い」ということでもあります。その場合、家賃は取れても売却益が出ないということにもなりかねません。何かの理由で物件の値段が水準以上に安いから、物件の価格に比べて家賃が高くなり、その結果として高利回りになることがたくさんあるのです。

そのへんを冷静に見つめるためには、まず日本の不動産常識を捨てて、世界の不動産常識を身につける必要があるでしょう。

私の知る限り「日本の常識は世界の非常識」と言うべきことがたくさんあり、それが海外不動産投資をやりにくくしている面が多々あるのです。

 

日本が抱える特殊な不動産の業界構造・融資慣行とは?

日本は先進国の中で、かなり特殊な不動産の業界構造と融資慣行を抱えています。その特殊な部分を簡単にまとめると、次のようになります。

【建てすぎ】

新築住宅が需要を超えて供給される状態が何十年間も恒常的に続いており、誰も総量を管理していません。

【壊しすぎ】

新築住宅がたくさん売れるようにするために、建物としてまだ使用価値のある中古住宅が人為的に価値を下げられ、スクラップ&ビルドを促進しています。

【貸しすぎ】

日本は建物の価値が経年ごとに下がる仕組みになっているため、銀行は土地に対してしか担保がつけられません。それでは担保力が不足してしまうので、借り手の属性に対して融資する慣行が成立しています。その結果、リコースローン、連帯保証人制度という先進国中でも独特な仕組みが発達しました。

そのような日本不動産界の特殊な構造を背景にして、バブル期以降の経済低成長の現実の中で育まれた不動産投資の常識は、日本国内でこそ通用しますが、世界的に見ればかなり非常識なものとなっています。

その一つめは、「賃料低下」と「物件価値下落」が不動産投資の大前提となっていることです。アジア人に共通した日本人の新築志向と新築物件の供給過剰により、新築から年数が経った物件は競争力が落ちて賃料が下がります。それに加えてスクラップ&ビルドで建物が減価する分だけ、物件価値も経年とともに下がります。そのことが、「年数が経てば賃料が下がるのは当たり前」「年数が経った物件は価値が下がって当たり前」という日本だけの常識を生んでいるのです。

二つめの非常識は、日本の不動産投資が圧倒的にインカムゲイン志向であり、キャピタルゲイン狙いが非常に少ないという点です。なぜそうなるかというと、物件価値が経年とともに下がるため、その下落速度以上に賃貸家賃の取れる物件が投資家から好まれるようになったためです。たとえば一棟アパートのような物件に人気が集まるのは、インカムゲイン重視、利回り重視の結果です。

そのような、値上がり益が望めず、インカムゲインしか取れない不動産投資が成り立つ前提になっているのが三つめの非常識で、「驚くほど緩い日本の融資」です。勤め人でもフルローンで物件が購入でき、年利2%以下の低金利で資金調達が可能です。そのおかげで高いイールドギャップ(利回りから返済金利を引いたもの)が実現し、長期保有による賃貸経営型投資ができるのです。

市川隆久

株式会社国際不動産エージェント 代表取締役

市川 隆久

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190809-00021694-gonline-bus_all&p=1

2019年

8月

02日

収益と社会貢献が両立!? 「高齢者向けアパート投資」とは?

人口減少、少子高齢化、空室率上昇……不動産投資の将来性にはつい悲観してしまう材料も少なくない。だが、そんなネガティブな要素も強みに変えてしまう手法があった! 逆転の発想で高利回りを実現する方法とは?

 

[高齢者向きアパート投資]入門

「高齢者向きアパートの経営は高い収益性と社会貢献が両立できます。人を幸せにしながら、大家としての喜びを感じられる事業なのです」

 こう話すのは福岡県で不動産賃貸業と並行して介護事業も手がけている赤尾宣幸氏。大家にとって、高齢化や空き家問題は避けがたい不安要素と考えられているが、赤尾氏はこうした背景もむしろ追い風と考えていると話す。

「高齢者向きアパートは、既存アパートの空室を高齢者向きに改良・活用し、高齢者に安心して元気に楽しく生活してもらおうというものです。今後、一人暮らしの高齢者が増えることは明らかですが、今も『高齢者には貸したくない』と考えている大家は少なくありません。しかし、ここに需要と供給のミスマッチを感じ、私はチャンスと捉えました。とはいえ、介護や食事を提供すると、『老人ホーム』として扱われ、法規制やコストの問題が起きてしまう。そこで、介護などは自ら扱わず、あくまでも大家としてアパートを経営することにしました。これは団塊世代が通り過ぎたあとに訪れる「空き老人ホーム問題」を緩和させるという観点からも世の中の役に立つ事業だと考えています」

築古も狭小も難立地もデメリットにならない

 それでは一般的な賃貸アパートと高齢者向きアパートは何が違うのだろうか。赤尾氏は「特別な物件を探す必要はない」と話す。

「築古物件や狭い部屋、駅から遠いといった難あり物件であっても、高齢者が生活する上では問題ないものは少なくありません。例えば、不人気な三点ユニットバスは汚したときの掃除を考えると好都合だったりします。こうした物件に高齢者が使いやすいように、手すりなど最低限の設備を備えます。高齢者向きというと、バリアフリーのような大掛かりな工事が必要と思われるかもしれません。しかし、これまでの介護事業の経験から過度なバリアフリーはかえって高齢者の足腰を弱め、大きなけがのもとになると実感していますので、“バリアあり―”のままにしています。段差も残しながら、越えやすく調整したり、わかりやすくしたりといった工夫を取り入れています。配慮したいのは安全性です。例えば、古い建物は石膏ボードが入っていないことが多く、燃えやすいのですが、ボードを貼ることで安全性が向上し、防音性と保湿性も若干上がります」

 このように高齢者が住みやすくなる工夫を取り入れている赤尾氏だが、入居者を高齢者に限定しているわけではないと話す。

「多世代が入居する物件にすることで、防犯や火災時などの緊急時の安心感が高まります。それに若い人は2階以上を好み、高齢者は1階を好むといった傾向がありますから、空室率を下げるうえでも多世代を受け入れるのは合理的。なので、『高齢者向け』ではなく『高齢者向き』なのです。私の知人は空室率50%の古い賃貸アパートを買い、高齢者向きアパートにリフォームしたところ、間もなく満室になりました。この物件のリフォーム費用などを含む総投資額に対する表面利回りは30%を超えており、収益性も優秀。これは何も特別な例ではなく、古くて安い物件を見つけ、高齢者向きアパートとして活用すれば、修繕やリフォーム費用を含めても利回り30~40%は十分に狙えるでしょう」

 

収益性と社会貢献は十分に両立が可能

 赤尾氏は高齢者向きアパートの経営手法を著書やFACEBOOKなどで公開しており、実践する大家が増えている。大分県に住む真中司氏(仮名)もその一人だ。真中氏は’18年11月に最初の物件を買い、表面利回り30%を超える高齢者向きアパートとして満室経営。

「私は清掃関係の事業を経営していたのですが、40代の終わりに脳梗塞になり、本業以外の収入を確保したいという思いから大家業に目を向けました。その後、赤尾さんと知り合い、お話を伺ったことを機に高齢者向きアパートの経営を開始。最初の物件として6室の中古アパートを1000万円で買ったのですが、購入時点では3室が空室。一部屋あたり20万円ほどの費用をかけて手すりをつけるなどのリフォームをDIYで行ったところ、すぐに満室になり、利回りも28%に達しています」

 小さな工夫による差別化から空室率を下げる高齢者向きアパート。赤尾氏は介護事業者と連携することで、さらなる付加価値を生むこともできると語る。

「介護事業者を探すこともこの事業のポイントです。大家が高齢者を敬遠するのは孤独死が怖かったり、お亡くなりになった後の残置物処理で揉めたくなかったりといった理由があります。こうした問題は大家と介護事業者が組めば、あっさり解決することができます。例えば、デイサービスは入居者の健康状態を管理してくれ、具合の悪いときには受診や入院を勧めるので、孤独死の心配はほぼ解消できる。また、介護事業者も利用者さんが老人ホームに入ってしまうと、減収になるがアパートだと利用が継続できます。高齢者向きアパートは高齢者、高齢者の家族、介護事業者、大家が幸せになり、さらには社会貢献もできる事業です。手間はかかりますが、自分で汗をかくことのできる人であれば、着実に成功することができるはずです」

 高齢者向きアパート経営は金銭面にとどまらない達成感を得られる新たな方法と言えるだろう。

「高齢者向きアパート」が将来有望な理由

1 自活可能な元気な高齢者は今後も増加
2 空室が人気物件になる可能性を秘める
3 介護事業との連携で関係者の利便性が向上

【赤尾宣幸氏】
大家・健美家コラムニスト。’60年、福岡県生まれ。会社員のかたわら、’93年より賃貸経営を開始する。著著に『多世代居住で利回り30%! 高齢者向きアパート経営法』など
― [高齢者向きアパート投資]入門 ―

ハーバービジネスオンライン

 

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2019年

7月

26日

会社員のアパート経営は時代遅れ?最新「不動産投資」事情

マンション投資アパート経営…ひと口に「不動産投資」といっても、その手法は様々。それぞれの特徴をしっかり押さえることが、不動産投資スタートの第一歩となるのです。本記事では、株式会社WALLMATE不動産で不動産コンサルティングを行う高澤啓氏が、一般の投資家が行える3つの不動産投資法について解説します。

一般の投資家ができる不動産投資法は主に3つ

不動産投資、不動産経営といわれるものは多くありますが、一般の投資家が金融機関から融資を活用して購入するケースで考えると、マンション投資、アパート経営、そして旅館業経営の3つが対象といえるでしょう。本記事では、それぞれの特徴と現在のマーケットについて見ていきます。

まず、それぞれの違いを見ていく前に、「マンション投資」は投資といわれ、「アパート経営」・「旅館業」は経営と呼ばれるのはなぜか、考えてみましょう。

ポイントは、「商品に投資をする」という意味合いが強いか、「自分で経営する」という意味合いが強いかの違いです。マンション投資は、読んで字のごとく、商品化されたものに投資する意味で「マンション投資」といわれることが多いようです。一方でアパートや旅館業は、経営方法を変えることが可能で、内装や外観などもアレンジでき、「経営」という表現が似合うため、このように呼ばれています。

ちなみに「不動産投資」は、これだけ認知されているにも関わらず、この言葉自体は辞書にもウィキペディアにもありません。造語というか、常套句的な存在なのです。

都心マンション投資では「売却益」狙いの投資家が増加

マンション投資は、一般の方が不動産投資を始めるきっかけになりやすい商品です。江戸時代から長屋という文化はありますが、地主や資産家以外で一般の方が購入し、不動産投資を始めるようになったのは、マンションが最初です。

分譲販売された日本最古のマンションは、「宮益坂ビルディング」です。1953年、戦後まもなくのことですから、当時はかなり注目を集めました。この集合住宅の一戸を購入・居住し、最後に家を出ていく際、「売る」のではなく「貸す」ことが行われるようになったのです。これが、「マンション投資」普及の要因です。

以前のマンションは、今の時代のようなコンパクトマンションよりも、ファミリー向けのマンションが多く、借りるよりも「夢のマイホーム」としての購入がメインでした。しかし、「賃貸需要」を起因として、住宅用としての分譲マンションと、賃貸用としての分譲マンションにわかれていきます。

高度経済成長期、東京の人口は激増しました。他県から若者を中心に労働者が集まり、「一人暮らし」というカテゴリが広く認知されるようになりました。ここの「需要」を拾う意味で、ワンルームマンションが多く建設され、賃貸住宅としても世の中に定着していったのです。

立地を選び、事業者がRC(鉄筋コンクリート)造で建設するマンションは、耐久性や遮音性に優れ、地主を中心として存在していたアパートよりも、賃貸需要の人気が集まりました(一方で、施工費や需要増などの理由から、RC造のマンションはアパートよりも賃料が割高になりました。そのため、マンションに住むのが金銭的に厳しい人などがアパートに住むという構図ができたのです)。

その後、バブル期や、ITバブル期、そして近年のオリンピック効果があり、マンション投資は販売戸数を伸ばしていきました。バブル崩壊後も、マンションの価格は多少の上がり下がりはあるものの、都心の不動産価格の高騰や、施工費の上昇、物価の上昇などで、投資用のマンションも年々高騰しており、キャピタルゲイン(売却益)狙いで投資する人も増えています。

不動産投資全体にいえることではありますが、都心への人口流入が増えれば、都心の賃貸需要は高まり、賃料も上昇する傾向にあります。まさに賃料や価格というものは、オークションの原理です。欲しい人、住みたい人が多いほど、価格は高騰していきます。好立地のマンションは、10年前の分譲時に比べて売却価格が上昇しており、都心のエリアであれば、マンション投資はインカムゲインよりもキャピタルゲインのほうが強い傾向にあることも特徴です。

一般の投資家にとって「アパート経営」は難しい時代に

以前のアパート経営というのは、江戸時代からある長屋のように、地主が賃借人に貸すというスタイルが主流でした。そのため、土地を持っていない人はアパート経営とは無縁のイメージでしたが、2000年代から「土地なし」でもアパートオーナーになる人が増えてきました。実際のところ、土地を活用するアパート経営と、土地から購入するアパート経営では大きな違いがあります。

土地を所有している方は、建物費用のみでアパート経営を始められるので、投資資金に対して利回りがよくなります。ところが、自己所有の空いている土地にアパートを建てるため、その場所に賃貸需要があるかどうかという点が、今後の経営に大きな影響を与えます。

それに比べると、土地から買うアパート経営は、初期費用として土地の資金+建物資金がかかるので、投資利回りは必然的に低くなります。しかしこの場合、アパート販売業者が購入後の賃貸管理も請け負う関係で、賃貸需要が見込める土地にアパートを建設して販売します。必ずとはいえませんが、たまたま空いている土地でアパート経営をするよりも、賃貸需要が見込める可能性は上がります。

また、多くの新築アパート業者は、金融機関と提携を結び、フルローンで融資を組むため、少額の頭金でアパート経営を始めることができるのも特徴の1つです。

一方で売却を考えると、マンションよりも法定耐用年数が短く、劣化も早い木造アパートは、売却時に大きく値段が下がる可能性があります。また、中古アパートは現在融資を組むことが難しい時代なので、出口戦略を考えると、売却先が見つからない可能性があります。つまり、アパート経営は早期売却を前提にインカムゲインをメイン収益とした商品であるといえるのです。

加えて、地方では全体的に土地価格が下落しているので、場所選びを慎重にしなければなりません。しかし、アパートは容積率の関係で商業地域よりも住居地域に建てることが多いため、どうしても最寄り駅から離れてしまい、経営が厳しくなるケースが多く見られます(逆にいえば、都心の駅前の一等地に土地を所有している人には、非常に有効的な資産活用法ともいえます)。

実のところ、以前筆者が所属していた会社は、新築のマンション投資とアパート経営を両方扱っている上場企業でしたが、アパート経営のほうが月々の収支はよく、土地もすべて個人の所有権になるため、自由度が高く魅力的な部分も多くありました。

しかし、2018年の金融機関の不祥事によって、地方アパートへの融資は厳しくなりました。まだ新築アパート経営は健在ですが、価格帯の大きさから、どうしても買える人はマンション投資に比べると限られます。一般の会社員がアパートを買える時代はほぼ終わったといえるでしょう。

インバウンド需要増加で注目される「旅館業経営」

最後に旅館業経営についてです。この場合、自己所有の既存物件を旅館業として申請、許可を得ることで、区分マンションの一室でも、空きビルでも、一棟アパートでも、戸建てでも、通常の賃貸経営ではなく、旅行者を相手にした旅館業経営ができます。

もちろん新規購入の不動産で旅館業を行うこともできます。海外からの旅行客が増えている昨今、宿泊施設不足を解消し、日本の「おもてなし」精神を世界へ広められる、有望なビジネスともいえます。

旅館業申請をするには、建物として一定の条件をクリアしていることも重要ですが、そもそも旅行者が足を運ぶ場所や、空港近く、繁華街付近でないと、旅行者需要を獲得することはできません。また、東京都とそれ以外の県では明らかに外国人宿泊者数に差があるので、より場所の選定が重要になります。専門的なノウハウが必要ですから、旅館業経営に強みを持つ業者に問い合わせることをおすすめします。

高澤 啓

株式会社WALLMATE不動産

投資事業部 プロデューサー

高澤 啓

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190726-00022334-gonline-bus_all&p=1

2019年

7月

19日

マンション価格は予想外の一段高へ、東京五輪後も下がりそうにない理由

● 売れていないが高値維持の 意外な新築マンション事情

 マンション価格が暴落すると言う人は多い。「東京オリンピック後に下がる」「その前から下がり始める」などと言い始めたのは、2016年くらいからだった。あれからもう4年目を迎えるが、価格は下がるどころかむしろ上がっている。それだけではない。今後も高値を維持して、一段高になってもおかしくない条件が揃いつつあるのが現状だ。それらの条件は一つひとつが堅い理由に支えられている。知っておかないと、家計の収支は悪くなる一方だ。

 新築マンション価格はかなり高くなった。新築価格は仕入れた際の土地代金と建築費で決定される。土地の仕入れ値はホテルと競合する立地が多いため、吊り上がっている。だからこそ、ホテルに奪われてかなり顕著に立地は悪くなっている。昨年筆者が「買い推奨」した物件の多くは、大規模再開発エリアの中の新築マンションだった。マンション単体で購入しに行った土地の立地がいかに悪くなっているかを、象徴的に表す事象だ。

 そうなると、購入者は新築に魅力を感じず、売れ行きは悪くなる。売れていなくても下がらない理由は、インバウンドの外国人旅行者需要が支えているからだ。2019年はラグビーワールドカップ、2020年は東京オリンピックというお祭りがある。すでに3000万人を超えている外国人旅行者数は、2020年、4000万人に達するペースで順調に推移している。

 その後も2030年までに6000万人に増やすことは、政府目標で決まっている。政府はビザを発給すればいくらでも増やせることをすでに知っており、味をしめている感すらある。

 こうして、観光地や別荘需要に沸くエリアは枚挙に暇がない。代表例だけでも、京都・ニセコ・宮古島はバブルの様相を呈しているし、それ以外にも世界遺産になったところは軒並み上がっている。今や外国人は観光地や都市だけでなく、田舎暮らしから秘境まで足を伸ばしている状況だ。ホテル建設は追いつかず、建築費が高過ぎて土地を仕入れたものの着工できないプロジェクトは多数にのぼる。建築費はバブル以上の水準を継続しているのだ。

 

マンション価格が下がるのを待つなら、どんなに早くても2024年以降になるだろうと述べてきたが、2030年でも下がらない可能性が出てきた。「待つ」という判断はないのである。

● 好立地の中古に稀少価値 家賃も大幅値上がり中

 最近、スタイルアクトが運営する物件情報サイト「住まいサーフィン」の会員を対象に、資産性のある中古を選んであげる「プレミア中古」というサービスをつくって、月に数十人に会っている。そこで、推奨中古物件を選定し、物件の出現を待っているが、意外に数が出て来ない。20物件指定しても物件の出現頻度が低い。新築の好立地物件が減る中、中古ではよい立地の物件の稀少価値が上昇しているのだ。

 そうなると、物件が出てきてもすぐに広告から落ちてしまう。「早い者勝ち」状態のスピード勝負だ。プレミア中古では1日以内にネット上から新着物件を見つけ出し、すぐに内覧まで持ち込める体勢を強化している。そうでないと、買えないからだ。このように、新築の立地の悪化と価格の高騰は、好立地の中古への需要を喚起しているのが現状である。

 一方、家賃は値上がりもあまり報道されていない。家賃は家計費用の最大のものだが、防衛を考えるべき水準まで値上がりし始めている。ある上場不動産会社の開示資料では、家賃は4.4%値上がりしている。それも4年程度経過した同じ部屋が、である。通常は4年経過した同じ部屋は3~4%下がるのが通常で、築年が古くなっているのだから、当たり前だ。しかし、現在は大幅に値上がりしている。それだけ市場は好転しているという証拠だ。

 実はこれからもっと上がることは確定的だ。理由は簡単で、需給バランスがより逼迫するからだ。空き家が問題だというのは、地方での話だ。都市圏では空き家が足りずに家賃が上がっているのだ。日本人も外国人も大量に都市圏に流入しているのに対して、貸家の新規着工はスルガ銀行の不正融資問題発覚以降、金融庁の締め付けで大幅に減り始めている。需要が増えて供給が減れば、今より空室率が下がるのは当たり前だ。

 空室率が0%に近づくと、不動産市場は狂乱の様相を示すことが多い。その最たるものが1980年代後半のバブル経済だった。現状はそれに近づいていることを直感的に把握した事業者が、予測調査を依頼することが最近多くなった。

● 家賃が上がると マンション価格が上がりやすい

 このインフレ状態を誰も報じないのには理由がある。現在、デフレ脱却を旗印にアベノミクスが続いている。デフレは借金大国の日本にとってかなりまずい状態だった。だから、インフレに転じた折に、かつてのバブル経済の再来のように問題視されると、政府は経済政策上、困ってしまう。そんなことをメディアが忖度しているとは思いたくないが、実際、インフレに関する話が報道されることはあまりない。しかし、家賃まで値上がりしている現在、「家賃÷価格」で算出する利回りは上がる傾向にある。利回りが高いものは買われる傾向が強くなるので、マンション価格は上がることになる。

 新築マンション価格は売れ行きが悪くても安定的で、それよりも立地がよい中古物件は稀少価値が付いて値上がりし、家賃は需給バランスで大幅に値上がっている。これだけの状況になりながら、巷で言われているように「マンション価格が暴落する」ということには根拠と意味を見出しづらい。それを言うなら、「いつまでに何%下がる」というように、下落する時期と下落幅を明記してもらいたいくらいだ。

 (スタイルアクト株式会社 代表取締役 沖有人)

沖有人

 

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2019年

7月

12日

不動産物件を高く売りたい!物件情報掲載のスゴい方法とは…

今回は、不動産サイト等で、自ら所有する不動産物件をできるかぎり高く売るための物件情報の掲載方法について説明します。※本連載では、一般社団法人全国空き家流通促進機構専務理事、株式会社リライト代表取締役の田中裕治氏の著書、『売りたいのに売れない!困った不動産を高く売る裏ワザ』(ぱる出版)から一部を抜粋し、事例をもとに「困った不動産」の具体的な内容や解決方法について解説します。

 

物件を紹介する「写真の枚数」が重要な理由

今や不動産もインターネットで買い主を見つける時代になりました。不動産検索サイトも、正確に数えたことはありませんが、おそらく15~20はあることでしょう。

そんな数ある不動産検索サイトの中から、自分が売りに出している不動産に興味を持ってもらうには、どのサイトに登録するかも重要ですが、物件の情報をたくさん出すことも非常に重要なことなのです。

なかでも重要なのは、写真の枚数です。外観と中の写真が1枚ずつしか載っていない物件よりも、外観の写真から各部屋の写真、玄関、キッチン、バス、トイレ、クローゼット、ベランダの写真まで、たくさん写真が載っていたほうが、買い手が興味を持ってくれる確率が高くなります。

実際、サイトのデータを見ても、写真の枚数が多い物件のほうが、閲覧される回数が多いというデータが出ています。そのため多くの不動産検索サイトが物件の写真をたくさん載せることを推奨しており、写真枚数の多い物件が上位表示される仕組みになっているサイトもあるのです。

もちろん、文字情報も重要です。建物に関する詳しい情報だけでなく、生活のしやすさ、便利さをアピールするためにも、どれくらいの距離のところに、どんな施設があるのかを詳しく書くことも重要です。

スーパー、コンビニ、飲食店、学校、病院、市役所、公園といった施設の情報を載せると、そこでの生活のイメージがしやすくなりますので、ぜひ載せたいところです。

また、売り主にしかわからない情報を数多く載せておくこともポイントです。たとえば、「近所の○○スーパーは〇〇時までやっている」、「近くの○○公園は春になると桜が咲くので、お花見ができる」、「徒歩5分くらいのところに安くておいしい焼き鳥屋さんがある」といったお役立ち情報です。

写真にしても、文字情報にしても、実際にサイトに掲載するのは不動産会社の担当者になりますので、売り主が何も言わなければ、担当者が撮った写真と、担当者が調べた情報をサイトにアップするだけになります。

たまたま優秀な担当者に当たればいいですが、そうでなければ、写真の枚数も少なく、情報も少ないことになりかねません。

したがって、不動産会社の担当者に任せっきりにするのではなく、担当者と二人三脚で売っていく気持ちで、売り主のほうから担当者にいろいろと情報提供をし、物件情報を充実させることをおすすめします。

 

売り主も「販売図面」の作成に積極的に関与する!

不動産会社に行って部屋(賃貸物件)を探したり、売買物件を探したりした経験のある人なら、必ず目にしたことがあると思いますが、物件情報が1枚の紙にまとめられた「販売図面」と呼ばれるものがあります。インターネット全盛の今でも、この販売図面は活用されていて、これが物件の売れ行きを左右することもあるのです。

不動産会社に物件の販売を依頼した場合、不動産会社は前述した不動産検索サイトに物件情報をアップするのと並行して、「レインズ(REINS)」にも登録するのが一般的です。

レインズとは、「REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)」の略称で、国土交通省から指定を受けた全国4か所の不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムです。簡単に言うと、不動産会社だけが見ることができる不動産検索サイトのようなものです。

私自身もレインズはよく活用していて、売却を依頼された物件をレインズに登録して買い手を探したり、逆にお客様から「こういう物件を買いたい」という依頼を受けた場合に、レインズを使って物件を探したりしています。

そして、お客様の希望に合うような物件が見つかったら、レインズから詳しい物件情報をパソコンにダウンロードし、それをプリントアウトしてお客様にお見せすることになるのですが、このとき出てくる情報が、じつは前述した販売図面なのです。

ですので、販売図面に掲載された情報が少ないと、お客様にその物件を紹介してもなかなか良い反応を得ることができません。しかし、販売図面に書かれた情報がすごく充実していると、お客様が実際に物件を見てみたいという確率が上がります。それはすなわち、売れる確率が上がるということなのです。

通常、売り主は自分の自宅がどんな販売図面で売られているのかを知りません。もしかしたら、なかなか売れない理由は、販売図面の出来にあるかもしれないのです。

実際、ひどい販売図面になると、土地の形状がわからないものや、家の間取りがわからないものもあります。これでは売れなくても仕方がないといえるでしょう。逆に、良い販売図面は、物件のおすすめポイントが書かれていたり、周辺の施設情報が載っていたりするものです。

なかなか売れないと、どんどん値下げをすることになり、希望価格よりもかなり安い値段で売ることになってしまうケースがほとんどです。しかし、販売図面が充実していれば、当初の希望価格で売れることも珍しいことではないのです。

したがって、少しでも高く売りたいと思うなら、前項の不動産検索サイトのときと同様、売り主も販売図面の作成に積極的に関与して、買い手にとって有益と思える情報を不動産会社の担当者に提供し、販売図面の充実を図るようにしましょう。不動産会社の担当者に任せっきりにしないことが、高く売るためのポイントです。

田中 裕治

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190712-00021790-gonline-bus_all&p=1

2019年

7月

05日

子どもができたら家を買うべき?賃貸と持ち家どちらがお得か徹底比較!

 

家族が増えると、「もう少し大きな家に引っ越したい」「ファミリー世帯向けの家に住みたい」という考えが出てくるのではないでしょうか。そんなときに頭をよぎるのが、「家を購入すべきか」という問題。とはいえ、大きな買い物なので簡単に判断できるものでもありませんよね。

 

そこで今回は、マイホームを買う前に知っておきたい「家のあれこれ」についてお伝えします! 

 

 

 
それぞれのメリット・デメリット

「まだ賃貸のままの方がいいのかな」とお悩みの方は、まず賃貸と持ち家のメリット・デメリットを把握しておきましょう。

 賃貸のメリット

・住み替えのハードルが低い
・家族の転勤にも対応しやすい
・ローンによる破綻リスクがない

 賃貸のデメリット

固定資産税が不要
・理想通りの物件に出会いにくい
・この先ずっと家賃を支払わなければならない

 持ち家のメリット

・ローンを完済すれば家計が楽になる
・好きな間取りや内装を選べやすい
・マイホームがあるという安心感や社会的信用がある

 持ち家のデメリット

・引っ越しのハードルが上がる
・固定資産税や修繕費を払う必要がある

収入や家族構成に応じて転居しやすい賃貸に比べ、持ち家はそう簡単に引っ越すことができません。近隣トラブルや収入が減った際も、賃貸のような気軽さで住み替えることはできないでしょう。

その一方、賃貸は住んでいる限り家賃を払い続けなければなりません。老後のことを考えると、経済的な不安を感じる方もいるでしょう。

働き方改革で収入が減る可能性も

家を購入する際は、「収入が減ったときのこと」を考えておく必要があります。とくに最近では、働き方改革によって残業時間が減ってしまうケースも珍しくありません。

一見メリットしかないように感じますが、収入面では残業代が減ってしまうというマイナス面も。購入時の収入に適したローンを組んでいたとしても、働き方改革によって収入が大幅に下がり、住宅ローン破綻に陥ってしまう可能性もゼロではないのです。

返済ができない場合、家を売却して返済資金を用意することになるでしょう。しかし、売却金額だけでローン残高をカバーできないケースも多く、「いざとなったら売ればいい」というわけでもありません。

売却できない場合、金融機関が不動産競売に掛け、裁判所での手続き後に強制退去させられてしまうことも。このような住宅ローン破綻を防ぐためにも、購入前に「本当に返済できるかどうか」を入念に確認しておきましょう。

 

マイホームに向けて貯金を増やそう

住宅ローンの借入額を減らすためにも、今のうちから貯金に取り組んでいきましょう。「なにからすればいいのか分からない」という方は、財布の整理から始めることがおすすめです。

財布にいくら入っているのか、不要なレシートはないか、使用していないポイントカードやクレジットカードはないかなどを、改めて確認しておきます。こういったチェックを毎日行っているうちに、日々の支出状況を把握できるでしょう。レシートの内容を見て「これは無駄遣いだった」と気が付くこともありますよ。

また、日々の食費や交際費だけでなく、固定費の節約にも取り組んでみてください。大手キャリアから格安スマホに乗り換えるだけでも、通信費をぐっと抑えられるケースもありますよ。家賃や保険料なども見直し、貯金に充てる金額を増やしていきましょう。

まとめ

せっかく家を購入したのに、ローンが返済できず手放さざるを得ない…なんて状況は避けておきたいところ。後悔しないためにも、家を買う際は「借りられる金額」ではなく「返せる金額」を基準に考えておくことが大切です。周囲の意見も取り入れながら、悔いのない選択をしてくださいね。

LIMO編集部

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190704-00011915-toushin-life&p=1

2019年

6月

28日

マンションが売れなくなった本当の理由

「昨年の7月以降、首都圏のマンションの販売が不調をきたし、売れ行きの鈍さが目立っている。富裕層、投資家が購入を控えている」と慎重な見方をするのは東京カンテイで長年、マンションの販売動向をウォッチしてきた井出武・上席主任研究員だ。

 その理由としては投資コストやリスクに見合わないほどマンションの価格が高くなり過ぎていることを挙げる。また先行きを見ると「消費増税、貿易摩擦などが予想され、買う側にとって今までは自分に関係ないと思っていたことがリスクと感じられるようになってきて、消費マインドにも影響しているのではないか」と分析している。

 

業界に激震!契約率は60%にとどまる

 マンションに関する販売データを見ると明らかにマイナスのものが多い。不動産経済研究所が発表した首都圏の5月のマンション市場動向によると、契約率は60%にとどまり、前年同月比より2.2ポイント、前月比でも4.3ポイントそれぞれ下げた。

 契約率が70%を割り込むと販売状況は良くないとされるが、60%程度まで下がるのは異例のことだとみている。超高層(20階以上)のタワーマンションは45.1%で前年同月(67.1%)を大きく下回った。昨年までは人気だったタワマンにも陰りが見られるようだ。

 同研究所が発表した2018年度(18年4月から19年3月まで)の首都圏のマンション販売実績を見ると、初月契約率は前年より6.8ポイント下落して62.0%で3年連続70%を割り込んでいる。販売在庫は19年3月末で8267戸、前年の6498戸より1769戸増えている。こうした数字を見ると、どうやら首都圏のマンションは供給過剰の状況になりつつあり、売れ残りが増加してきていると言える。

それでも価格は下がりにくい構造

 昨年の首都圏のマンションの平均取得価格は5927万円だった。販売の売れ行きが良くないのならば、価格を下げればよいと思うのだが、井出研究員によれば、そう簡単には下がらないという。なぜならば、建設作業員の人件費が上昇するなどコストが上がっているため、売る側はなかなか下げられないという。

 さらにリーマンショック以降にマンション業界の寡占化が進み、メジャーセブンと呼ばれるマンション大手7社の販売比率が高く、JV(ジョイント・ベンチャー)物件も多いため、値下げ競争に陥りにくい構造になっている。

 またマンション大手業者は「どこもオフィスビル、ホテルなども手掛けており、これが絶好調で利益を上げているため、マンションが多少売れ残ったからと言って、価格を下げて無理をして売る必要がない」という事業性に余裕がある。特に都心部のオフィスは空室率が少なく、新築オフィスがすぐに埋まる状況のため、マンション部門が多少悪くても会社全体としては増収増益状態にある。

 しかし、郊外物件や駅から遠いため売れ行きの悪いマンションでは、実質的な値下げになる家具付き住宅で販売することや、分譲での販売を諦めて賃貸住宅として貸し出し、どうしても売れ行きが悪い場合には別の業者に卸して損失を最小限に抑えることなども行われることがあるという。だが、これはあくまで例外的なようで、現状では大きな値崩れは起きていないようだ。

価格調整は必要

 しかし、首都圏のマンション価格は上がり過ぎて、6000万円前後の価格水準で買える人は限られている。中古マンションの価格も新築につられて高くなっている。マンションの売れ行きを回復するために井出研究員は「価格の調整が必要ではないか」と指摘する。

 ひとつの可能性として「最近、スーパーゼネコンが東京オリンピック後の仕事の確保を狙ってマンションを手掛けようという動きがある。このゼネコンがある程度価格を抑えたマンションを建設する新たな戦略を打ち出してくれれば、いまより割安なマンションが出てくるかもしれない」と大手ゼネコンがマンション建設に乗り出すことに期待している。

2人でローンのリスク

 数年前から一つの不動産物件を「パワーカップル」と呼ばれる夫婦2人が「ペア・ローン」という住宅ローン商品を利用して共有名義で購入するケースが増えているという。金融緩和で住宅ローン金利も下がったこともあって2人でローンを組んでも金利負担が重くないことと、「ペア・ローン」を利用すると2人ともに住宅ローン控除制度が受けられることでメッリトが高まったことが挙げられる。

 例えば夫が900万円、奥さんが700万円で夫婦合計で1600万円の住宅ローンを組めば、相当額のローン控除があるため、これがマンションの購入を引っ張る刺激剤になってきた。

 しかし、所得が伸びない現状では、2人でローンを組んだことが将来のリスクになる。夫婦どちらかの会社の業績が悪化して収入が減少したりすると、途端に住宅ローンの返済が滞ったりして返済計画が狂ってしまい、バラ色だったマンション生活が一変することになる。井出研究員は「先行きが見通せない世の中になったことで、こうしたローンリスクが以前よりも高まっているのではないか」とみており、住宅ローンはオーバーローンにならないよう注意する必要があると指摘する。

未体験の内需低迷

 景気の先行きについては「不透明感が強まっている状況では、高額の資金をつぎ込んでまでマンションを買おうという人が少なく、ディフェンシブな姿勢になっている」とみる。数年前までは首都圏中心部の億円以上する高級マンションを買い漁った中国人富裕層も現在は売る側に回っていると見られ、特に湾岸のタワマンの売りが増えているという。

 さらに「これまでは景気が落ち込んでも、高い所得層が下がったところで買ってくれたため回復してきたが、これからは、人口が減少し、モノを持たない層が増えているため、景気を回復させる原動力を欠いた状態になっている。このため、これからは今までとは異なる特異性を持った未経験な内需の低迷になるかもしれない」と警戒している。

 これまで日本経済は、割と短期間に不況から回復できたが、これからはその回復の原動力となるものが見つけにくい。かつては経済をけん引した団塊の世代も70歳を超える高齢者となり、多少の金融資産はあったとしても、経済を引っ張るほどのパワーは残っていない。

 しいて言えば、増加傾向が続くインバウンドの外国人観光客ぐらいだろう。2019年版の観光白書によれば、18年の外国人観光客の日本での消費額は初めて1兆円を超えたという。インバウンドの消費額は着実に増えてはいるが、これだけでは日本経済は維持できない。

 人口が減少する時代を迎える中で、安定したマンションの販売を維持するにはどうすべきか、真剣に考えるべき時に来ている。

中西 享 (経済ジャーナリスト)

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190628-00010000-wedge-bus_all&p=1

2019年

6月

21日

「節税になる」と海外不動産をすすめる業者には要注意なワケ

不動産投資には特殊な才能やカンは必要ありません。充分な情報を得て比較検討し、論理的にリスクが低いと考えられる物件に投資することが重要なのです。本連載では、30年間のデベロッパー経験を持つ、株式会社国際不動産エージェント代表取締役・市川隆久氏の著書『海外不動産投資はなぜドイツがいいのかホンネでお話しいたします』(とりい書房)より一部を抜粋し、投資対象としてのドイツ不動産の魅力を解説します。本記事では、「節税になる」と海外不動産をすすめてくる業者に注意すべき理由を見ていきます。

 

節税メリットを得られるのは「年収3000万円」から

みなさんは海外不動産をおすすめしている業者から「節税になる」という説明を受けたことはないでしょうか。とくにアメリカの物件でその表現がよく見られます。


それは欧米と日本で減価償却の考え方が異なるところから生まれたものです。欧米ではたとえ木造の住宅であっても、長く使うということが前提にあります。日本の減価償却は、定められた年数を過ぎると価値がゼロになりますが、欧米では売買が行われるたびにその年数がリセットされます。中古住宅でも持ち主が変われば、また新築の状態から減価償却が始まるわけです。


そこを巧みに使って節税をしようというのが、今日本で流行している節税目的の海外不動産投資です。たとえば「アメリカの木造住宅で築年数の古いものを買うと、減価償却が早くできて得」といったセールスです。


ただし、「節税」の名目に騙されて、いい加減な物件を買わされているケースも多いようです。「儲からなくても、節税になるからいいや」とオーナーも納得させられてしまうわけです。


ある程度以上の所得のある人にとって、「節税」という言葉は甘い響きに感じられるようです。儲かってしまった人が合法的に節税しようと思うと、できることは限られています。

海外の不動産は値段が基本的に下がりません。日本の税制の考え方は、古くなったら建物の価値は下がるというものですから、それをアメリカの建物に適用すると、価値が下がっていないのに税金が下がります。


ただし、これは税金を後送りしていることで、物件を一定期間で売ったら、後で税金を払わなければなりません。6年以上個人で持っている人には2割の分離課税になりますので、それ以上税金を払っている人は得になります。


たとえば年間30%以上の所得税を払っている人は得です。それは年収がだいたい3000万円くらいの人ですね。したがって、年収1000万円くらいの人は、「節税」という言葉にあまり反応する必要はありません。

 

売り手と買い手の間に広がる、圧倒的な「情報格差」

ところが、日本ではニュートラルな立場で海外不動産を相談できる人がなかなか見つかりません。それでなくても不動産の世界は売り手と買い手の情報力に圧倒的な差があります。売る人がすべてのことを知っているのに、買う人はほとんど何も知らない。国内でもそうなのに、まして海外となるとその情報量の差は圧倒的になります。


しかし海外不動産に詳しい人といえば、売り手の側の人ばかり。彼らは自分の扱っているものを売りたいがために、自分のところの物件を褒めたたえ、他の物件をけなします。アメリカの物件を扱っている人は「アメリカが一番。あとはダメ」と言いますし、オーストラリアの物件を扱っている人は「オーストラリアが一番」と言います。


それは参考になる本を買っても同じで、著者のバックグラウンドでどこをすすめるかが違います。


私は海外不動産を扱うようになったとき、販売だけではなく、海外不動産のコンサルティングでメシを食っていこうと考えました。情報格差を利用して売る人ばかりの世界で、海外不動産をまじめな商いとしてアドバイスする人がいてもいいんじゃないかと思ったからです。

ただし、そのためには本気の覚悟が必要です。そして、コンサルだけでも食っていけるような仕組みを作らなければいけません。


そのために、私は「会社を急いで大きくしないこと」と「お客様からしっかりセミナー会費をいただくこと」の2点をポリシーとすることにしました。鮮度が高く、利益に直結する情報をふんだんに提供すれば、お金のあるお客様はちゃんと会費を払っていただけます。決して安いとはいえない会費を払ってでも、本当の話を聞きたいと考えるお客様は一定数存在するのです。


そうやって海外不動産投資のセミナーを繰り返し開催しているうちに、お客様から同じ質問がくるようになりました。それは、「あなたのおすすめはどこですか」というものです。その質問に対して真摯に答えていくうちに、「今、ドイツにこういう物件がありますよ」とお答えすることが多くなりました。


自分たちが見ている中で一番いいと思っている物件を紹介すると、ドイツの特定エリアばかりになっていったわけです。


それならお客様をドイツに連れて行って、現地を見てもらおうと考えるようになり、今では年に何回か、ドイツの物件を視察するツアーを開催しています。

市川 隆久

株式会社国際不動産エージェント 代表取締役

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190621-00021689-gonline-bus_all